あらすじ
《この世界で、たしかに生きていると信じたい――》そこらへんに落ちている石ころのように人畜無害で、存在感のない人間、鈴木伊織。彼女がこんな存在に成長したのは、生きるためだった。鈴木伊織のことを認識できるのは、友人の春日部さやか、ひとりだけ。そんな不思議な力を持つ彼女は、春日部の話をきっかけに、上条先輩のことを知る。かっこいい先輩は、バスケ部で主力選手として大活躍。気になった鈴木伊織は“体質”を活かして、こっそり彼のストーキングを始めたが……(「私は存在が空気」より)普通じゃない私を、受け入れてくれるのは誰? どこかおかしくて、ちょっぴり切ない【超能力者×恋物語】。
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Posted by ブクログ
ヤバい、気になる作家さんがまたひとり増えてしまったのだ
特殊能力系×恋愛物語
もうドストライクすぎて最高!!!
少年ジャンパー(テレポーテーション)
私は存在が空気(石ころ帽子的な)
恋する交差点(量子トンネル効果)
スモールライト・アドベンチャー(リアルスモールライト?)
ファイアスターター湯川さん(パイロキネシス)
サイキック人生(テレキネシス・サイコキネシスあるいは透明な第3の手)
Posted by ブクログ
面白かった!!
長編もよいけれど、まさかのオチがたくさん読めるので短編もうれしい。
本当、スクールカースト下位の少年少女が主人公で、環境にも恵まれていないのに爽やかに描き切るのが凄い。。
個人的にはタイトルにもなった作品が一番ヤラレタ!!という感じ。
少年ジャンパー
→瞬間移動の能力を身に着けているのに欲がない。。。と思いながら読んでいたので主人公の選択に拍手。
先輩も、先輩の彼氏もいい人で良かった。。
方言がかわいい。
私は存在が空気
→スッカリ騙されて、主人公の行動にドン引きしてしまったが。。
ラストもそっちか、という少しの驚き。
勇気を出して行動した彼女に拍手喝采。
先輩の動機は何だったのだろう。。推薦も決まっていたのに。。クズなのか、弱みを握られていたのか。。野犬に例えられていたならクズ??
恋する交差点
→他の話と違って、役立たなそうな能力だけれど二人の努力が微笑ましい。
スモールライト・アドベンチャー
→またもやドラえもんネタ。小学生らしい思考回路にクスリ、と。
ファイアスターター湯川さん
→伏線になるほど。。最後、雪を溶かしてハートを描く、とはならなかったのがまた現実的。
湯川さん目線で応援してしまったけれど、狙撃男性目線だとさぞ恐ろしい存在だよなぁ。。
彼女の今後が気になる。
サイキック人生
→主人公がかわいらしい。『からかい上手の高木さん』のクラスメートの女の子を思い出す。
イケメン君が表面上の付き合い、と線を引かれてしまったのが哀れ。。
一族皆いい人なのが本当奇跡なのだけれど。。
Posted by ブクログ
さすがのストーリーテラーぶり。どうやったらこんな設定の発想が生まれるのか聞いてみたくなる。視点は常に優しく、常に前を向いているのも素晴らしい。そして簡潔にして完璧な設定の説明描写はまさに小説界の手塚治虫なのである。6篇ともに面白いけれど、「恋する交差点」は特に衝撃的だった。
Posted by ブクログ
発想力が凄いな、よくこんな事思いつくなと久々にワクワクしちゃいました。恋愛系は苦手なのだけど、これはほんのりとした甘さがあって何の抵抗もなく読めました。
ファンタジー気質な世界をライトに楽しめる一冊に出会えたなと言う感覚です。
Posted by ブクログ
キュン♡の魔術師中田さん!
本作は、どこかおかしくて、ちょっぴり切ない超能力者×恋物語♡
『少年ジャンパー』
ひきこもり初心者レベルの大塚くんの超能力はジャンプ
移動先を思い浮かべて飛び跳ねる
トン!
そこへ瞬間移動!
このジャンプを使って瀬名先輩を助けたことからキュンが始まっていく♡
二人の関係はやっぱり…
この結果で良かったと思う♪
『私は存在が空気』
超能力は存在感を消すこと!?
ふつうの人の存在感がレベル100だとすると…
鈴木伊織はフラットな状態でいるときはせいぜいレベル5くらい
(同じ部屋にいたとしてもこちらから声をかけないかぎり、気づかないレベル)
注意深く存在感を消せば、レベル0にすることもできる
(存在が完全に空気のレベル)
この存在感ゼロを利用して、憧れのキュン先輩の犯罪を暴く!
『恋する交差点』
トンネル効果
それはしっかりとにぎりしめていたはずの恋人の手が、ふと気づくと見知らぬ人の手をつかんでいる…
トンネル効果に打ち勝つことができれば恋人との愛は深まる!キュン♡
『スモールライト・アドベンチャー』
体がちいさくなっちゃった…
気になる女の子のスカートの中をのぞきに行こう!
と思いきや、女の子のピンチを助けることに…
『ファイアスターター湯川さん』
火を発火させる超能力
六花荘201号室にやって来た湯川さんは「パイロキネシス」の持ち主
中田さんが描くアキュション♡
じゃないw、アクション小説!?
『サイキック人生』
透明な腕を持っていて、遠くの物体をさわって動かすことができる超能力
それをテレキネシスとかサイコキネシスという
この超能力をイタズラで使うと大変な目に合うが、正しい使い方をすれば人助けになる心がホッコリ、キュンっと温かくなる♪
あなたはどの超能力を使ってキュン♡したいですか?
やっぱり、ジャンプかな〜♪
Posted by ブクログ
1話目の引きこもり少年、両親が明るくてよい。登校への拒否感はあるものの、閉塞感がなく息苦しくない不思議な引きこもり。ストーリーも好き。少しはみ出した人たちを書かせたらぴかいちだなぁ
Posted by ブクログ
超能力者×恋物語、6つの短編集ですらすら読める。
平仮名多めなのが読んでて気になるので、★-1。
物語は読みやすいし、面白かった。他の作品も読んでみたいと思う。
Posted by ブクログ
浅野いにおさんのカバーイラストが素敵。
素朴な女の子が好きだ。
本作は雑誌掲載の作品等をまとめた短編集で、書き下ろしはない。
「少年ジャンパー」
瞬間移動できるようになった少年のお話。
この短編集の中で一番良い。
中田永一っぽい。
夜中にこそこそとあんなことができるのは、若いうちの、本当に好きな相手のためじゃないとできないだろうと思う。
「今はこれさえ愛しく感じるのだ。」なんて大人な事を言ってみたい。
胸の苦しさと爽やかさのどちらも味わわせてくれる。
「私は存在が空気」
自分の存在感を操作できるようになった女の子の話。
恋する先輩が婦女暴行犯?と思いきや……。
「恋する交差点」
ショートショート。
恋人と手をつないでスクランブル交差点を渡ると、なぜか途中で違う人の手を握ってしまっているという女性のお話。
内容は薄いが、嫌いではない。
「スモールライト・アドベンチャー」
ドラえもんのひみつ道具「スモールライト」から着想を得たという作品。
かなり児童文学っぽい。
「ファイアスターター湯川さん」
木造アパートに住む発火能力者、という設定だけでもう勝ったようなもの。
ただ、ほのぼの日常系かと思ったら、思わぬ方向にいってしまった。
「サイキック人生」
不可視の手を使って物を動かすことができる≒サイコキネシスの能力を持った女の子の話。
話の展開から幕の閉じ方まで、一番乙一らしくない。
「少年ジャンパー」のおかげで☆4
Posted by ブクログ
全てのお話がとっても心をほっこりさせてくれるものだった。素敵な展開がいっぱいやった。
大変な力を持った人達の爽やかな恋。
ほこほこしながら読み進めて、読み終わったあともとってもほこほこ出来た!
Posted by ブクログ
この本、わたしはとても好きでした。
全話に不思議な能力が出てくる話で、中田さんこういうのほんと好きなんだなって思ったし、わたしも中田さんのそういう話が好きです。
少年ジャンパー、わたしは存在が空気、が中でも好きでした。けど一番衝撃だったのは「恋する交差点」。他の方のレビューを拝見したら、これが引っかかったという人がほとんどいなくて驚いた。たった6ページなのに、わたしは移動中のバスで読んで泣きそうになった。少ないページ数にドラマが詰まってて、だけど結構淡々と描かれてて、そのときのわたしには最高に刺さった。
Posted by ブクログ
いずれの短編でも、能力者が出てくる本です。
とっても軽いタッチで読めるのでおススメします。
少年少女が時には華麗に、そして時には不器用に、
超能力を駆使して生きていく様は、
右往左往して生きてきた自身の若い頃と不思議と重なるのです。そんな能力ないのにね。
中でも、ファイアスターター湯川さん、最高でした。
乙一さ、いや、中田永一さんの作品は大好きなので、
これからも読み続けます。
「くちびるに歌を」級の面白いヤツ、期待してます。
Posted by ブクログ
様々な特殊能力を持った人たちの
おかしな日常と
悲しみや孤独、痛みや恋を描いた短編集。
それぞれの話の簡単なあらすじを言うと
一瞬にして空間を飛び越える能力「ジャンプ」を身に付けた
引きこもりの男子校生の恋の結末と成長を描いた
『少年ジャンパー』、
漫画「ドラえもん」に登場するひみつ道具「石ころぼうし」をかぶったかのように、
存在感を自由に消すことのできる少女の初恋の相手とは…
『私は存在が空気』、
愛する彼氏とスクランブル交差点を渡ろうとすると、
なぜか必ず人混みにもみくちゃにされ、違う人の手を握りしめているどんくさい彼女。
そんな二人が自らの未来を賭け、
東京最大のスクランブル交差点、渋谷の人混みに挑む!(笑)
『恋する交差点』、
物体を縮小させるスモールライトによって小さな体になった少年は、
誘拐されたクラスメートの女子を救うため、
愛犬ペスに乗り冒険の旅に出るが…
『スモールライト・アドベンチャー』、
パイロキネシス(火を発生させる超能力)を持つロシア人のクォーターの女性と
ボロアパートの雇われ管理人である青年との奇妙な触れ合いを
ほのぼのと、時にハードボイルドに描いた
『ファイアスターター湯川さん』、
他人には見えない透明な腕で、
遠くの物体を触って動かすことができる特殊能力(テレキネシス)を持つ少女は、
妹を交通事故で亡くした少年とコックリさんを通じて知り合う…
『サイキック人生』
などバラエティ豊かな計6編を収録しています。
個人的には
中田永一の本領発揮とも言える、
オープニングを飾る『少年ジャンパー』のなんとも言えない切なさ加減と、
『ファイアスターター湯川さん』の
映像が浮かび上がる文章と
(宮部みゆきの某作品とも設定はダブるけど笑)
詩的とも言える、
ほのぼのとして
どこか冷たい空気感(北国の話だけに笑)がとにかく、ツボだった。
しかし、中田永一は
思春期特有の危うさや脆さを描くのが本当に上手い。
全編を彩る切ない詩情と甘酸っぱい郷愁が胸を打つし、
この作品では、特に、
乙一名義の作品にも常に根底に流れている
『逸脱した者』や『アウトサイダー』の哀しみを描いていて、
無条件に惹かれてしまう。
(冴えない者や異形の者や落ちこぼれたちを好んで描く映画監督ティム・バートンと中田永一および乙一は同じ匂いがする)
周りの環境や体制や暗黙のルールに馴染めず、
どこにいても自分は黒い羊だと感じていた思春期の僕。
だからこそ、乙一や中田永一の描く
はみ出し者たちの悲しみや痛みに胸を貫かれるのだろう。
そして、彼の書く物語の主人公たちは、
引きこもりや
なんの取り柄もないと思い込んでる、
いわば、弱い人たちなのだけど、
彼ら(彼女らは)簡単に諦めたりはしないのだ。
弱ければ弱いなりに、
1ミリでもいいから
ままならない人生というものに抵抗してやろうという姿勢で、
それぞれがそれぞれの見えない敵と戦っていく。
この、なにくそという気概、
いわば不器用な『ドン・キホーテの精神』に
僕の心はいつも撃たれてしまうのだ。
そんなの、ただのラノベ風味の物語じゃないかと言うのは簡単だ。
けれど、誰かが作った物語や表現を
確かに必要とする人たちがいる。
そしてたったひとつのラノベに助けられたり、
ただのフィクションの物語が
読む人を照らす光になり得ることを
誰が否定できるだろう。
逸脱した者たちを描いたこの物語が、
同じ悲しみに暮れる誰かの心を照らしますように。
黒い羊に寄り添う三日月の存在でありますように。
Posted by ブクログ
乙一、じゃなくて中田さんの優しさが心に染みる短編集でした。
中田さんは作品の中で、弱々しく、馬鹿にされている人間達に‘超能力’という‘力’を与える。
それは『サイキック人生』の少女の一世一代の‘優しい嘘’みたいなものかもしれない。
それを偽善と思う人もいるかもしれないけど、偽善でも救われる人もいる。
『私は存在が空気』は『暗いところで待ち合わせ』を、『ファイヤースターター湯川さん』は小説『ジョジョ』を思い起こさせる。
お気に入り作品は『少年ジャンパー』。
博多弁が心地よく、スケールが小さいようで大きいのが好み。
お気に入りキャラは『ファイヤースターター湯川さん』の片腕がなく、吃音でチック症の溝呂木。
ギャップにしびれる。
『ファイヤースターター湯川さん』のラストのあの台詞は、もしかしたら中田さんが自分の息子に捧げた台詞かな。前読んだ『ダヴィンチ』で二年前に息子が生まれた、とか書いてあった気がする。
Posted by ブクログ
「少年ジャンパー」「私は存在が空気」「恋する交差点」「スモールライト・アドベンチャー」「ファイアスターター湯川さん」「サイキック人生」。
不思議な力を持つ(ことになった)少年少女を主人公にした物語。
少年ジャンパーと私は存在が空気、サイキック人生辺りが好きだなー。憧れの能力すぎる。特に「ジャンプ」。
Posted by ブクログ
少しだけ不思議な力をもった人々を描いた短編集。
どのお話もほっこりできて、とても好き。
もし自分にこんな能力があったら何するかな。
ジャンパーの力が1番便利でいいなあ。
Posted by ブクログ
乙一作品には不細工な人といじめに関する話が頻繁に出てくる
乙一さんはいじめに遭遇したことがあるのだろうか
それにしてもデビューは高校生だったはずだが未だに昔と同じような話を描けることにびっくりする
もちろん年相応の作品もある
子どもの心を忘れないで大人になれたんだなと思う
これから先、乙一さんはどんな作品を描くのだろう
優しい話も怖い話もファンタジーを交えて描くのだろう
楽しみだ
Posted by ブクログ
様々な超能力を持った若者たちの短編集。
SF的な難しい物語ではなく、日常から少し乖離した特殊な世界で彼らは悩んだり恋したりしている。
どの物語もちょっと悲しく温かく微笑ましい。
生きづらい日々から成長していく『少年ジャンパー』、ちょっとハードボイルドな『ファイアスターター湯川さん』が特に面白かったです。
ライトにさらっと読めてしまうので、読書初心者さんにもお勧めできそう。他の作品も読んでみたくなりました。
(乙一さんは苦手意識があったんだけどなぁ『ZOO』で…)
Posted by ブクログ
白乙一のなかに、黒乙一も垣間見えて嬉しい!
いわゆるスクールカースト下位の人たちが主人公なので、行きすぎた自己卑下と不良に対する丁寧語が面白い。本当乙一らしい(笑)
好きな人の恋路を応援しちゃう系根暗男子(百瀬系と呼びたい)の淡い恋を書かせたらこの人以上の人はいないのでは…切ない~けどその経験によって成長してるところが本当に素晴らしいし人生ってそういうものだよね、と思う。
表題作と少年ジャンパーがすき。
Posted by ブクログ
乙一さんの別名義である中田永一さんの新刊です。普段はこのテの表紙の作品は敬遠してしまうのですが、このたび山本周五郎賞にノミネートされたということで手に取ってみました。確かデビュー作以来です、乙一さんの作品を読むのは。
6編から成る短編集ですが、どの作品も重くなく軽妙で、すらすら楽しく、あっという間に読み終わりました。適度にひねりを利かせて、適度なところに着地し、適度に感動を与えるプロの作品に仕上がっている、という印象です。もっとも、もうひと押しあれば絶対傑作になっていたのになあ…と思えたものもありました。
個人的に一番面白かったのは「ファイアスターター湯川さん」かな。これを読んで宮部みゆきさんの『クロスファイア』を思い出したのは私だけではないはず。
Posted by ブクログ
【恋する超能力者たちの青い春】
キャッチをつけるならこんなとこか。
6篇の短編集。
●少年ジャンパー
引きこもりの男子高校生は、トン! と、「ジャンプ」で瞬間移動を繰り返すうちに。
もっとも乙一さん、いや、中田永一さんらしい作品。
九州の方言はかわいいな~。
●私は存在が空気
意識して自分の存在を消すことのできる女子高生は、好きな人のために能力を使う。
「ケーキ?」
「うん、宝石みたいなケーキだよ」
「いいところのやつだ」
「いいところのやつだよ」
なにげない会話なんですが関係性がじわじわきて良いです。
●恋する交差点
量子トンネル効果? によって出会った男女は、そのせいでなぜだかつないでいたはずの手がいつも外れてしまう。
わずか6ページの作品ですが、けっこう好きです。
――見失っても、さがしだして、手をとりあえるはずだった。そのことを証明しなければならないのだ。わたしたちにはそれができるのだということを。何回でも手をつなぎあえるのだということを。決しておたがいを一人にしないのだということを。(中略)だから、だいじょうぶだ。わたしたちはだいじょうぶなんだ。
●スモールライト・アドベンチャー
ひょんなことから「ドラえもんのスモールライト」のような道具を手に入れた男子小学生は。
最後がいいな~。動機がスカートの中を覗くことだったなんてさすがに言えないよね。男子小学生なんてそんなもんです。
●ファイアスターター湯川さん
男子大学生が管理人を務めるボロアパートに入居した美人の湯川さんには発火能力が。
派手な発火能力に加えて珍しくバトルまである作品。短編アニメにでもしたらいいかも。いろいろあるが
最後は心地よく終わる。
●サイキック人生
見えない手で物を動かすことのできる女子高生は、霊魂の存在を信じたい男子と出会う。
短編うまいな~。短い話の中にバタバタする見せ場あり、キャラクターもいい、最後はじんわり。これもアニメにでもして欲しい。
どれもおもしろくて堪能しました。でも、「百瀬、こっちを向いて」のほうが少し上かな。
次は「吉祥寺の朝比奈くん」か「ダンデライオン」か。
Posted by ブクログ
「少年ジャンパー」一度行ったところはジャンプして行ける話。
「私は存在が空気」自分の存在を本当に空気のようにできる話。
「恋する交差点」交差点でどうしても違う人と手を握ってしまう話。
「スモーライト・アドベンチャー」スモールライトで小さくなる話。
「ファイアスターター湯川さん」パイロキネシスの話。
「サイキック人生」透明な腕の話。
どの話も面白くて読み終わって元気になれました。
それにしてもいろんな超能力を思いつけるんだなあ。
Posted by ブクログ
苛められっ子が瞬間移動能力を手にし外国にまで行く「少年ジャンパー」の、屋上で一泡吹かせるラストが逞しくてすき。意識しないと認識されない表題作は弟の妖精扱いや例外の友人に淋しさと温かさがない交ぜに。透明な腕を持つ「サイキック人生」も心霊現象が怖くなくてほっとして、ラストの赤ちゃんへの祝福が素敵だった。
Posted by ブクログ
最初の「少年ジャンパー」はたいへん良かった。軽やかで、福岡弁の会話も生き生きしてて、「ジャンプ」自体はラノベ的な感じではあるが(SFやファンタジーって感じではない)ちょっと切ない成長小説で、才能あるなあと感心したのだが、他はそうでもなかった。
乙一名義の作品とは違って中田永一は爽やかな青春小説というイメージだったが、学校で人気者の先輩が強姦魔で、しかも後輩を襲ったり(「私は存在が空気」)、少女がヤクザに始末された人の遺体処理を行ったり(「ファイアスターター湯川さん」)、結構ダーク。
おかしいことには違和感を感じる才能のある少女が、憧れの先輩が強姦魔だということに気づかないのも変だし、配偶者(になる人)には自分の特殊能力を知られてもいいが、それ以外の人に知られたら殺さなければならないって(「サイキック人生」)、離婚したらどうするのさ。ありえない能力の物語なんだから楽しめばいいのかもしれないが、そういう「ほつれ」は気になる。
乙一(中田永一)はうまい作家だと思うけど、これはいまいち。「少年ジャンパー」だけ読めば十分。中高生は喜ぶだろうけど、大人の鑑賞に堪えるものではない。
Posted by ブクログ
乙一さん大好きな人沢山いますよね。僕も結構好きです。追いかけはしなかったけれど暗いところで待ち合わせ読んだ時なんて感動感動また感動でした。天才だなと思いました。いつしか本でないなと思っていたら変名で出していたんですね。
この本はとっても漫画的でするする読めます。するする読める事が褒め言葉かどうかは分かりませんが、それだけ整理されて読みやすいし一本道の話というのは頭が疲れなくていいですね。
ほぼ超能力者の話の短編です。一個一個の話が全て変化があるしそれぞれに感情移入させる力があるので大したもんだと思いました。自分がこの能力だったらどうだろうかと考えながら読んでいましたね。
その分特に引っ掛かりが無いので読んだこと忘れちゃうかもなあとも思いました。
Posted by ブクログ
短編集は電車でも読み進めやすいケド。
世界を変えるような能力ではないけど、ちょっとした超能力を持ってしまった子逹の物語。
中田さんの本は、やっぱり独特で、今回は私はちょっと苦手なタイプの本でしたw
結末がむー?ってなる話が多かったからかな?
あとは最近、オーソドックスな物語ばかり読んでたから余計かも。。
久しぶりの感覚といえば久しぶりの感覚だったのかもw
Posted by ブクログ
タイトルに惹かれて読んでみました。
超能力があるからと、大それたことを考えるでもなく日常を送る人たちとちょっとした恋のお話でした。
少年ジャンパーと私は存在が空気、サイキック人生が面白かったと思います。
Posted by ブクログ
大人になればなるほど、
本当はできなことができたらいいなと思う。
こんな風にジャンプができたら
あれもこれもやりたいこと、たくさん。
行きたいところ、たくさん。
Posted by ブクログ
タイトルと表紙に惹かれて。
ちょっと不思議な超能力を持つ人たちの短編集。
引きこもって、逃げて、逃げて、そして別地点にジャンプできるようになった少年。『少年ジャンパー』
もともとは父親の暴力から逃れるため、自分の存在を空気のように消す能力を身につけた少女。『私は存在が空気』
結婚を考えている彼と、交差点でどうしてもはぐれてしまう?『恋する交差点』
ドラえもんのひみつ道具であるスモールライトが送られてきて、知らずに小さくなってしまった少年が向かった先は・・・『スモールライト・アドベンチャー』
熱や火を操ることのできる超能力・パイロキネシスの湯川さんが、安普請の木造アパートに越してきて、管理人の僕は・・・『ファイヤースターター湯川さん』
普通の手のほかに、他人には見えない透明な手をもつ星野泉。まわりからは天然少女と思われている。みんなを見返すために、「幽霊はいる!」と主張して、見えない手の力で不思議現象をおこす。『サイキック人生』