岩井克人のレビュー一覧

  • 経済学の宇宙

    Posted by ブクログ

    『ヴェニスの商人の資本論』などで知られる経済学者が、自身の研究歴を回顧したもの。貨幣、市場、会社など幅広い話題が扱われている。インタビュー本ながら、重厚な一冊。

    0
    2026年01月06日
  • 会社はこれからどうなるのか

    Posted by ブクログ

    書店で目に付き購入しました。これまで岩井氏の本は何冊か読んでいましたので、その意味で本書はこれまでの岩井氏の主張のおさらい、という位置づけでしたが、大変読みやすく改めて岩井理論の面白さを再確認できました。岩井氏の主張を一言でいうなら、会社はヒトでもありモノでもある存在ということ、そしてその中心に位置しているのはフィドゥーシャリー・デューティ(信任義務)だ、ということです。

    私自身はこの主張に同意できましたし、本書を読むにつれ、いかに世間の多くの識者の視野が狭いか(あたかも「群盲象を撫でる」という故事のように)、またロナルド・コース流の、会社は情報流通の効率化のために組織化されている(つまり社

    0
    2023年05月08日
  • 経済学の宇宙

    Posted by ブクログ

    2015年に出版された本で、前から読みたいと思っていたのですがやっと読む時間ができました。読む前の期待感はかなり高かったのですが、期待は裏切られませんでした(合理的期待形成ができました)。岩井氏の貨幣論、資本主義論、法人論は別の本でなじみがありましたが、序盤に書かれている生い立ちや少年時代、そして東京大学やMIT留学時の話などは「私の履歴書」を読んでいるようで新鮮でした。子供のころはじめて読んだ本が図鑑で、それが自分の思考回路を決めたと著者が述べているように、岩井氏は物事を俯瞰的に見たうえで、各人の主張を位置付ける、ということが特徴的だと思います。一言で言えば視野が恐ろしく広い、ということで、

    0
    2023年05月04日
  • 経済学の宇宙

    Posted by ブクログ

    主流の新古典派経済学を批判する様々な学説を打ち出してきた岩井克人氏の経済学者としての人生をインタビューを基に辿る。
    知的にエキサイティングな内容で、大部だがのめり込んだ。経済学者として没落したと著者は自嘲するが、著者の貨幣論をはじめとする学説にはかなり説得力を感じた。
    岩井克人氏というと、高校教科書に載っていた『ヴェニスの商人の資本論』の印象が強く、経済思想家みたいなイメージを持っていたが、バリバリの数理経済学者だったと知り、驚いた。しかし、流石に文章がうまい。自分は数式はよくわからないが、岩井氏の定性的な説明はとてもわかりやすく、納得させられるものだった。

    0
    2023年02月20日
  • M&A国富論 「良い会社買収」とはどういうことか

    Posted by ブクログ

     M&Aが国を富ませるという理屈をやりとりしてる本。岩井先生の会社論の要点が、ほどよく散りばめられており、なるほど感が高かった。

     以下は、その要点。

    <モノとしての会社>
    ・モノ=商品としてみた場合の株式固有の性質は、「議決権」が含まれている点。

    ・総会議決権の中で最も重要なのは、取締役の選任、解任の権利。

    ・敵対的買収は、この支配権を巡る争い。だから防衛策も、授権資本制度から派生する仕組みを活かして、敵対敵対買収者の持株比率を低下させるという点は共通。

    ・新株発行の決定は取締役会決議事項。ただし、発行可能株式総数の範囲で。

    ・誰にどれだけ割り当てるかも原則として取締役会

    0
    2022年07月20日
  • 会社はこれからどうなるのか

    Posted by ブクログ

    欧米の会社と比較しての日本の会社の特質を分析しながら、会社の法人格の定義をした著作として読んだ。
    自身も25年前の入社数年後の社内レポートで、管理職を専門職能を持つ師匠として定義したことがあり、他でも共感を以って読ませていただいた。
    現在においては、優秀な学生の志向は、将来の独立も視野に入れた修行の場としての就職先を求めていることが現実にみられていて、日本の会社も課題が多いと感じている。

    0
    2021年12月26日
  • 会社はこれからどうなるのか

    Posted by ブクログ

    今年度上半期ベスト5に入る面白さ。
    ・会社
    ・資本主義
    のことが本質から非常によくわかる本。

    会社(法人)
    → 所有する主体としてのヒトと所有される客体としてのモノの二重構造を持つ存在。法律上、ヒトでもモノでもある。

    資本主義
    → 資本主義の本質は「差異から利潤を生み出す」こと。現在の差異の源は、人的資産。個人や組織から不可分な能力・知識・資産。

    0
    2021年08月08日
  • 会社はこれからどうなるのか

    Posted by ブクログ

    会社について、歴史的にも、構造的にも、説明している。「株式会社無責任論」をベースに、その株式会社に在籍している者の一人として、もっと思い切った施策をやるべきだと、提言してきたつもりだが、その根拠となる点が整理できた。

    ヒトとしての会社の復活、文化的には、日本人が、取りいれやすいのではないか。というのは、目から鱗。

    それにしても、この本のアイデアが、エンロン破綻事件の前に温められていたというのは、著者の時代の先を読み通す力のあらわれで、すごいこと。

    0
    2020年06月03日
  • 会社はこれからどうなるのか

    Posted by ブクログ

    読みやすかった。大学一年生にはこの本を必修にしてほしい。今でも読む価値は十分にある。タイトルはタイトルとして、テーマは時勢により古くなるものではない。しかし展望については岩井先生少し甘かったのでは(というか歴史は繰り返されると言ってもグローバル経済と日本政府クソすぎない?)と思う。あるいは大企業正社員男子みたいなクラスを主に想定しているのかなぁ、そんなこともないはずだけど。面白く勉強にはなったけど自分の展望にどう役立てるかはちょっと…時間ができばまとめてから感想を書きたい。

    0
    2019年03月21日
  • 会社はこれからどうなるのか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    とても示唆に富む一冊。

    会社とは法人である。すなわち、人であり、モノであるという二面性を持っている。株主主権のイメージが強すぎるのは、「会社=モノ」の側面が強く出すぎている。実際には、株主が所有する「モノとしての会社」は、株主に指名され、「モノとしての会社」から委任された経営者が運営している。そこには、「人としての会社」という忘れてはならない側面がある。

    会社が稼ぐためには、他社との差異化が必要。そのために必要なものが、「設備・資産」⇒「アイデア」に変わってきている。そのため、「アイデア」や「イノベーション」の重要性が大きくなる。そして、それらに向かって、金が動き回る。将来的には、規模/範

    0
    2019年01月27日
  • 会社はこれからどうなるのか

    Posted by ブクログ

    インタビューを元にしているので読みやすい。
    分析は的確。
    デフレ脱却の策が失敗であるのは間違いないが,経済学者として正しい策は提示できないのか?

    0
    2016年02月04日
  • 会社はこれからどうなるのか

    Posted by ブクログ

    経済学者・岩井克人が書く易しい会社法人入門書のような一冊。産業革命以降の近代社会の黎明期から21世紀までを貫く資本主義のあり方と、その中で会社という法人がどういう立ち回りをしてきたか。バブル崩壊で低迷する日本的な「ヒト」的な会社共同体も捨てたもんじゃない。だって90年代敵対的買収ばかり行ってきたアメリカ的な「モノ」的な会社もエンロンショックで崩壊したじゃない。21世紀的な労働のあり方に、日本的な会社法人は実に有益ですよという、現代ニッポンの若者を心底励ましてくれる良書。とにかく難しい内容が分かりやすい!

    0
    2015年09月08日
  • 会社はこれからどうなるのか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトルはおいておいて、個人的には会社の成り立ち、そしてその学問的分類、変遷が興味深かった。今後研究していく上で意義のあるものだった。それにしてもどうやったらこんな考察ができるようになるのだろう。

    最後にNPOに言及されていたのにはびっくりしたが、もしかしたら今後そうなっていくのかもしれない。現にいくつか社会活動家がNPOで成功(?)しているらしいし。

    0
    2014年09月21日
  • 会社はこれからどうなるのか

    Posted by ブクログ

    10年近く前の本だとは思えないほど資本主義と会社について、現在に当てはまる基本的な事項がまとめられている。もちろん今となっては若干懐疑的な部分が含まれているがそれを考慮しても良書。

    0
    2012年01月27日
  • 会社はこれからどうなるのか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    会社とは、モノとしての存在と、ヒトとしての振る舞いを併せ持つ特異なものである。
    その会社を株主はモノとして扱いたいのか。経営者達はこの会社というものをヒトとして成り立たせるために、手となり足となり、頭脳となる。
    日本の会社は、従業員でさえこの経営者として機能している。
    商業資本主義から産業資本主義になり、そして現在ポスト産業資本主義の時代、今後の資本主義は何が基軸として機能するのか。
    それは、今までと違い差異を意図的に作り出す事。第三の波とか情報化社会とか言われる状態。
    そのような状況で「グローバル化」「IT革命」「金融革命」は必然的に手を取り合って訪れた、ということか。
    そこでは、個々人のコ

    0
    2011年09月24日
  • 会社はこれからどうなるのか

    Posted by ブクログ

     300ページ弱の大作だけれど、話があちらこちらに飛ぶこともなく、というか話はいろいろ飛ぶんだけれど、展開が理論的で筋が通っているから、不思議と全体を見失うことなく全部を読み切れる。
     この本が読みやすいのは、理論の繋がりがとぎれないようにとの著者の配慮と、もうひとつは所々でキーワードを持ち出して、そのキーワードを用いながら話を展開してくれているから。
     アメリカ型企業→法人名目的企業→ポスト産業資本主義、かたや日本型企業→法人実在的企業→産業資本主義とこんなふうに適切な言葉を用いてくれるから、とても分かりやすい。
    こういうカッチリとした理論的な内容の本は物理問題を解いているみたいで大好

    0
    2010年09月14日
  • 会社はこれからどうなるのか

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    古さを感じない内容だった
    会社はだれのものか、会社はどこへ向かうのかを丁寧に記載している
    株主のための会社、という考え方に疑問を投げかけるとともに、会社のもつ「ヒト」と「モノ」としての二面性について論じている。
    これからの会社の在り方、会社との付き合い方、というのを考える上で参考になる一冊かと思う。
    まとまりのない記載と感じる部分もあり、個人的には少し読みにくさもあったが、インタビュー原稿を元に書籍化したというあとがきを読んで納得した

    0
    2025年08月21日
  • 経済学の宇宙

    Posted by ブクログ

    経済学者が自分の人生の歩みと合わせて経済学を語っています。著者の著作に慣れ親しんだ読者であれば、読んでみる価値は十分にあるでしょう。また、タイトルだけ見ると難解な印象を受けますが、インタビュー形式で進んでいくので、専門的な注釈を除いては、わりと読みやすかったです。

    今回、この文庫版で再読してみると、経済学者というだけでなく学者として人生をまっとうしようとする姿勢が強く伝わってきました。アメリカの有名大学での研究生活を「絶頂」、その後の東京大学への就職を(少なくとも当時は)「没落」として捉えるあたりは、学者としての氏の人生観を反映しているように読めます。この点は、氏の妻であり作家である水村美苗

    0
    2022年07月31日
  • 経済学の宇宙

    Posted by ブクログ

     不均衡動学という言葉だけは著書の名と共に知っていたが、近づかなかった、というより近づけなかった。いわゆる近経は、数学を駆使して理論を作り、経済現象を科学的に分析するもの、とのイメージがあって、偏微分に挫折した自分には到底理解できないものと思っていたからである。
     岩井氏の著作を実際に読んだのは、『会社はこれからどうなるのか』だったが、あの本の内容は面白く読んだ記憶がある。

     本書は、岩井氏が自らの学問について、その歩みとともに、一般読者にも分かりやすく説いてくれた本である。著者の学問関心、先人との苦闘が非常に生々しく語られている。またマルクス、ケインズ、シュンペーターといったビッグネームの

    0
    2021年10月25日
  • 会社はこれからどうなるのか

    Posted by ブクログ

    「利益は差異性からしか生まれない」、「ポスト産業資本主義社会では新たな差異性を次々と創り出して行かなければ生き残れない」という言葉に暗澹たる気持ちになる。本当に創造性のない人間にとって生きづらい時代だと思う。そして不毛だ。

    この本を読んで、
    差異性とは具体的にどんなものだろうか?各企業はどのような差異性により利益を上げているのか?
    なくならない差異性、なくなりやすい差異性は何だろうか?
    差異性により利益を得るこの社会は、公平な社会へと向かっているのだろうか?それとも差異(格差)の維持を目論んでいるのだろうか?
    もっとよい社会の仕組みはないのだろうか?
    …etc というようなことが脳裏に浮かん

    0
    2019年12月08日