岩井克人のレビュー一覧

  • 資本主義と倫理―分断社会をこえて
    シンポジウムの記録というスタイルのおかげで分かりやすく、内容も刺激的だ。
    資本主義の未来を予見するとともに、経済学がそこでどんな役割を果たせるのか、同時に経済学の限界についても語られる。
    自然科学が突出した今こそ、社会科学の出番だと思っていた。期待できるのかもしれないね。
  • 貨幣論
    北さんからの推薦本。
    推薦されなければ読まなかったはず。
    経済学に全く疎いにも関わらず、意外にも面白い。
    結局、「貨幣とは何か?」の問いの答えは「貨幣とは貨幣として使われるものである」
    「商品」でもなければ、何者かによって恣意的要因でもたらされた「制度」でもない。
    循環論法によって自然発生的に存在し...続きを読む
  • 会社はこれからどうなるのか
    コアコンピタンスとは、たえず変化していく環境の中で生産現場の生産技術や開発部門の製品開発力や経営陣の経営手腕を結集して、市場を驚かす差異性をもった製品を効率的かつ迅速的に作り続けていくことのできる、組織全体の能力

    単純に得意な分野のことだと考えていたが、いつそれを越える技術が出てくるかわからないの...続きを読む
  • ヴェニスの商人の資本論
    著者のエッセイや書評、『不均衡動学』の解説や補足をおこなった論考などが収録されています。

    冒頭のエッセイ「ヴェニスの商人の資本論」は、著者の妻である水村美苗からアイディアを示された執筆に至ったとのこと。シェイクスピアの『ヴェニスの商人』におけるアントーニオとシャイロックを、共同体の論理と資本の論理...続きを読む
  • 貨幣論
    マルクスを主に引用し、貨幣の循環論法を基本線として話しが進められる。恐慌論、危機論ともに貨幣の循環論法に起因している。思想をめぐるというもので確たる結論が用意されてるわけではないが、とても読み応えがある。
  • 会社はこれからどうなるのか
    会社の歴史的な経緯、現在の構造分析から、今後会社がどうなるかまで示唆している点が素晴らしい。将来像についても、会社は将来独立をするための修行の場と考えるという考え方が良いと思った。そうすると社内政治はさしずめ将来クライアントとやりとりをする際のコミュニケーション能力を磨く場ということかな。
  • 会社はこれからどうなるのか
    「会社」とはそもそも何なのか?「会社」はこれからどうなるのか?学者の立場からこれらのシンプルな問いに答えている。かたい話題の割にはスラスラ読めた。
  • 貨幣論
    貨幣は貨幣として使われると貨幣になるというトートロジーこそが貨幣の本質であるという本。要素ではなく関係性に注目するのは論理哲学や構造主義っぽい感じもする。
  • 会社はこれからどうなるのか
    企業と会社は似て非なる存在。ポスト産業資本主義とはどのような時代か。書かれた時期は少し前だが、その根源的な問いとそれへの回答は、今読んでもなお刺激が多い。
    ひきつづき、他著が読みたくなる。
  • 会社はこれからどうなるのか
    会社についてとても丁寧にわかりやすく書かれていてとても良い本だと思います。
    サラリーマンやサラリーウーマン、これから会社に入ろうとする若い人たちはぜひ読まれるといいと思います。かなり希望が持てる内容になっています。

    コーポレート・ガバナンス(会社統治機構)やコア・コンピタンス(会社の中核をなす競争...続きを読む
  • 会社はこれからどうなるのか
    資本論とかも含む幅広い話題でなかなか面白かった。元々インタビューの書き起こしなので、文体がバラバラな所が少し読みづらいが、内容が面白いのでどんどん読めてしまいす。
    これからの会社の姿については、個人的に感じてる事と同じだったので、そこも興味深く読めた。
  • ヴェニスの商人の資本論
    記号化や”貨幣”という得体の知れないモノを、当たり前の領域から引きずり下ろしてもう一度考えるきっかけになる本。とてもわかりやすく、記号媒介的な私たちの世界の孕む不気味な雰囲気を描いていると思う。
    世界は記号で表象されている。そして計量されている。しかし、貨幣という数字が表象する”資本”はその現実の量...続きを読む
  • 会社はこれからどうなるのか
    「法的には単なる雇われ人に過ぎないサラリーマンが、何故、自らを会社の内側の人間として捉えるかというと、つぶしのきかない組織固有の知識や経験に長年投資し続けてきたから。会社と運命を共にせざるを得ないから。」
  • 会社はこれからどうなるのか
    タイトル通りの本。
    アプローチの仕方が「ヒト」と「モノ」の違いから始めることで法人名目説と法人実在説をどう解釈するべきかをはっきりさせているのが個人的にすごくわかりやすかった。
    また、利益の源泉を「差異」に求め、グローバル化、IT化が進む昨今ではどんどん差異がなくなる→利益を得る機会がなくなるがゆえ...続きを読む
  • 貨幣論
    「貨幣とは何か?」について丁寧に論じて謎を解いてくれます。面白いです。経済学の知識が無い私でも、「ヴェニスの商人の資本論」を読んだ直後だったのでそう難なく読むことが出来ました。

    著者の岩井さんによれば貨幣について本質的に考えることによって、資本主義の本当の危機がデフレスパイラルのような恐慌ではなく...続きを読む
  • ヴェニスの商人の資本論
    昔(高校生の時)は四苦八苦しながら読んでた評論文だけど、少し大きくなってから、改めて通して読むと面白かった。なんでも経済学的に考えられて、それが思いもしない結論にたどり着く所が。

    世の中の全ては、個々の「何に価値を見出すか」によって成り立ってるのね。


    経済学の基礎知識を暗黙の了解とするような内...続きを読む
  • 二十一世紀の資本主義論
    著者の短篇集。

    貨幣論、ヴェニスの商人の資本論で構築された
    貨幣にたんする考え方を色々な視点の随筆としてまとめられている。

    資本主義は自己崩壊的なシステムである。
    それは予想の連鎖に基づく、ひとつの基軸通貨からなる生態系であるからだ。

    ひとたび、その予想が裏切られると貨幣は実物以下の単なる紙切...続きを読む
  • 会社はこれからどうなるのか
    書名への答えである「ポスト産業資本主義」が何も特別な新しい社会ではなく、「利潤は差異性からしか生まれない」という原理から導かれる当然の帰結、という解説がしびれた。毎日の会社の中で起きること、起きつつあることが描かれていてなるほど~の連続。これはビジネスマン必読と思う。 

    非常に読みやすくて、前半の...続きを読む
  • 貨幣論
    いろいろな批判のある書物のようですが、貨幣というものの不可思議さがわかっておもしろい。ので読むの二回目。
    ここにあるの、構造主義的な考え方なんですね。貨幣を貨幣で買うことというのは無いわけではないですが、そういうときって、貨幣に何を見いだしてるのでしょうか。貨幣が商品としての価値を持った瞬間貨幣は...続きを読む
  • ヴェニスの商人の資本論
    いつ読んだか忘れちゃった…

    ヴェニスの商人に始まり、深く経済を説いていく。とても親しみやすくて楽しかった。