岩井克人のレビュー一覧

  • 貨幣論
    マルクスの考えに沿って貨幣の本質を問い直す。
    前半部分はマルクスの思考方法が抽象的で理解が難しかった。

    貨幣は貨幣とされるから貨幣になる、それはそうなのだけれど、マルクスに限らず昔の哲学者は本質論を展開して物事を捉えきれてないような気がする。貨幣を論じているのに、信用創造や金融機関のバランスシート...続きを読む
  • 二十一世紀の資本主義論
    20世紀の終わりに書かれた経済エッセイをなぜ今ごろ読んでいるのかといえば、単にそのときに読み損ねていたからにすぎないのだが、時間をおいて読むことで、また異なった感慨がある。
    社会主義陣営が崩壊してからの世界の目まぐるしい変容を、私もまた、息を詰めるようにして見つめていたが、あれから20年近くの間に基...続きを読む
  • 貨幣論
    以前読んだ『二十一世紀の資本主義論』は「貨幣」存在の独特さを描出してとても面白かったのだが、今回の本は少し様子が違っている。やはり貨幣なるものの存在を浮き彫りにしようとするのだが、そのために、何故かひたすらマルクスを精読・分析し続ける。そして、マルクスの「可能性」として、じぶんの貨幣論に通じる要素を...続きを読む
  • ヴェニスの商人の資本論
    評判もよく、センター試験にも出ていたので期待して読んだが、結果は期待はずれだった。学者が好みそうな純・学術的であり、実用性を期待していた僕にとってほとんど感慨を起こさせるものではなかった。
    ただ、純粋な学問的好奇心を求める人にとってはいい本かもしれない。
  • ヴェニスの商人の資本論
    経済学は全くの門外漢だけれども、知の興奮を得た。
    なんとなくこれらの論文内容を数式化できるんじゃないかって気がするのは、良く理解していないからかな。
    媒介が媒介について媒介しはじめる話がイイね!
    水村美苗さんが奥様とは!彼女の日本語の話を再読したいと思います。
  • 会社はこれからどうなるのか
    会社のなりたちを考察することで、「法人」がもつ公共的性格を浮き彫りにしてゆく前半の議論がおもしろかった。

    著者は、会社は株主の〈モノ〉でしかないという株主主権論は、会社と企業とを混同した、法理論上の誤りだという。会社とは単なる企業ではなく「法人」化された企業だということを認識しなければならない。「...続きを読む
  • 貨幣論
    書かれている内容については、学者の中では批判のでるところだそうです。が、左脳刺激にはもってこいです。
  • M&A国富論 「良い会社買収」とはどういうことか
    M&A目的は、会社の生産性を挙げることというテーゼに沿って、新しいM&A規制を提案する本。M&Aルールなんて歴史の産物だから、頭で考えてこうやったら良いっていう制度を作っても、実際うまく動くかどうかはわからないと思うけどね。
  • 二十一世紀の資本主義論
    書いてあることはすごい面白いし、この前起きたアメリカのサブプライムショックが世界に波及することも予見している点ではすごい本だと思う。ただ、全体を通してずっと同じことしか言ってないから、読んでて途中で飽きる。
  • M&A国富論 「良い会社買収」とはどういうことか
    岩井克人の新しい本。「良い会社買収」を「良い経営者を選ぶこと」と定義し、「良い経営者」とは株主のみならず社会全体に良い影響を及ぼしていく経営者という観点から、M&Aの制度づくりを論じている。前提として、著者の「会社はだれのものか」「会社はこれからどうなるのか」を下敷きとしている印象があり、「会社は株...続きを読む
  • ヴェニスの商人の資本論
    この本の中に「広告上の形而上学」という項目がある。
    「?」と思う人が多いかもしれない。
    これは、プリンがプリンであることは食べてからではないと分からない。
    ということであるという。
    詳しくは中身で。

  • ヴェニスの商人の資本論
    80年代のニューアカデミズム全盛時代の本です。80年代とはなんだったのか?論が最近ちらほらと目にするようになったので久しぶりに読んでみました。マルクスはとんだ・・・のくだりは今読んでも名言です。
  • 貨幣論
    「BOOK」データベースより
    資本主義の逆説とは貨幣のなかにある!『資本論』を丹念に読み解き、その価値形態論を徹底化することによって貨幣の本質を抉り出して、「貨幣とは何か」という命題に最終解答を与えようとする。貨幣商品説と貨幣法制説の対立を止揚し、貨幣の謎をめぐってたたかわされてきた悠久千年の争いに...続きを読む
  • ポスト産業資本主義における差異を生み出すもの 「顔」を見せることが価値を生む時代へ(インタビュー)