岩井克人のレビュー一覧

  • 資本主義から市民主義へ
    知性とか教養とかって、まさしく岩井克人みたいな人をさすのだろう。貨幣が貨幣で有るのは貨幣だから、という自己循環論が基本に。
  • 会社はこれからどうなるのか
    書店で目に付き購入しました。これまで岩井氏の本は何冊か読んでいましたので、その意味で本書はこれまでの岩井氏の主張のおさらい、という位置づけでしたが、大変読みやすく改めて岩井理論の面白さを再確認できました。岩井氏の主張を一言でいうなら、会社はヒトでもありモノでもある存在ということ、そしてその中心に位置...続きを読む
  • 経済学の宇宙
    2015年に出版された本で、前から読みたいと思っていたのですがやっと読む時間ができました。読む前の期待感はかなり高かったのですが、期待は裏切られませんでした(合理的期待形成ができました)。岩井氏の貨幣論、資本主義論、法人論は別の本でなじみがありましたが、序盤に書かれている生い立ちや少年時代、そして東...続きを読む
  • 二十一世紀の資本主義論
    本書は著者が80年代、90年代に書き下ろした論文集(エッセイ含む)を一冊の本にしたもので、私は文庫版を手に取りました。その意味では20年以上前に書かれている論文がほとんどですが、多くの面で現在への示唆に富んでいると思いました。まず本書の中でメインの論文が本のタイトルにもなっている「二十一世紀の資本主...続きを読む
  • 資本主義から市民主義へ
    貨幣論などで著名な経済学者岩井氏による本です。本とは言っても全編通して対談形式になっています。雑ぱくな感想について。まず対談形式であればさぞ読みやすいだろうと思って読み始めましたが、内容がかなり高度、というか空中戦すぎて理解しながら読み進めるのにそこそこ時間がかかりました。また主役が岩井氏で「聞き手...続きを読む
  • 経済学の宇宙
    主流の新古典派経済学を批判する様々な学説を打ち出してきた岩井克人氏の経済学者としての人生をインタビューを基に辿る。
    知的にエキサイティングな内容で、大部だがのめり込んだ。経済学者として没落したと著者は自嘲するが、著者の貨幣論をはじめとする学説にはかなり説得力を感じた。
    岩井克人氏というと、高校教科書...続きを読む
  • M&A国富論 「良い会社買収」とはどういうことか
     M&Aが国を富ませるという理屈をやりとりしてる本。岩井先生の会社論の要点が、ほどよく散りばめられており、なるほど感が高かった。

     以下は、その要点。

    <モノとしての会社>
    ・モノ=商品としてみた場合の株式固有の性質は、「議決権」が含まれている点。

    ・総会議決権の中で最も重要なのは、取締役の選...続きを読む
  • 貨幣論
     Audibleでランニングしながら聴取。学生の頃読んで以来30年ぶりの再読(というか再聴)。当時は四苦八苦して読んだ記憶があるが、今聴くと重要部分の繰り返しが多く、聞き逃しても筋が追えるため「ながら聴き」には意外に適している(書き下ろしでなく「批評空間」への連載だったことが影響していると推察)。
    ...続きを読む
  • 会社はこれからどうなるのか
    欧米の会社と比較しての日本の会社の特質を分析しながら、会社の法人格の定義をした著作として読んだ。
    自身も25年前の入社数年後の社内レポートで、管理職を専門職能を持つ師匠として定義したことがあり、他でも共感を以って読ませていただいた。
    現在においては、優秀な学生の志向は、将来の独立も視野に入れた修行の...続きを読む
  • 会社はこれからどうなるのか
    今年度上半期ベスト5に入る面白さ。
    ・会社
    ・資本主義
    のことが本質から非常によくわかる本。

    会社(法人)
    → 所有する主体としてのヒトと所有される客体としてのモノの二重構造を持つ存在。法律上、ヒトでもモノでもある。

    資本主義
    → 資本主義の本質は「差異から利潤を生み出す」こと。現在の差異の源は...続きを読む
  • 貨幣論
    非常に面白かった。貨幣の本質がよく分かった。

    危機論における、ハイパーインフレで貨幣(→商品社会→資本主義社会)が機能しなくなると言う主張に関しては、論理的にはありうるだろうけど、実際的にはそんなこと起きるのか、非常に疑問であり消化不良を感じた。

    ・全ての貨幣が一度に機能不全に陥ることなど起きる...続きを読む
  • 会社はこれからどうなるのか
    会社について、歴史的にも、構造的にも、説明している。「株式会社無責任論」をベースに、その株式会社に在籍している者の一人として、もっと思い切った施策をやるべきだと、提言してきたつもりだが、その根拠となる点が整理できた。

    ヒトとしての会社の復活、文化的には、日本人が、取りいれやすいのではないか。という...続きを読む
  • 貨幣論
     貨幣と哲学。一見無関係のようにも思われる両者だが、決してそうではないことを本書によって思い知らされた。
     貨幣とは何か。その起源がそもそもはっきりしないことを明示した上で、岩井はまず貨幣そのものには価値がないことを確認する。確かに貨幣をいくら貯め込んだところで、使わないことには意味がない。貨幣は使...続きを読む
  • 会社はこれからどうなるのか
    読みやすかった。大学一年生にはこの本を必修にしてほしい。今でも読む価値は十分にある。タイトルはタイトルとして、テーマは時勢により古くなるものではない。しかし展望については岩井先生少し甘かったのでは(というか歴史は繰り返されると言ってもグローバル経済と日本政府クソすぎない?)と思う。あるいは大企業正社...続きを読む
  • ヴェニスの商人の資本論
    インテリ萌。お金(資本主義制度)にどうしてこんなに振り回されなくてはならんのかしら?という疑問のもとに、面白そうだったので初岩井克人。資本主義からは解放されないにせよ、教養ある洗練された文章が素敵だった。貨幣、ビジネスの歴史についても触れているので、経済史を知らない人間には勉強になった。
  • 会社はこれからどうなるのか
    とても示唆に富む一冊。

    会社とは法人である。すなわち、人であり、モノであるという二面性を持っている。株主主権のイメージが強すぎるのは、「会社=モノ」の側面が強く出すぎている。実際には、株主が所有する「モノとしての会社」は、株主に指名され、「モノとしての会社」から委任された経営者が運営している。そこ...続きを読む
  • 貨幣論
    1.はじめに 
     貨幣論という書名は実に親切で、きっと貨幣について論じたものであろうことは容易に想像がつく。
     強いて難癖をつけるとして、貨幣というやや畏まった表現だが、言わずもがな要はカネである。
     著者はその「カネの正体とは何ぞや?」という問題を論じた挙句、「いくらカネとは何ぞやと考えたところで...続きを読む
  • 会社はこれからどうなるのか
    インタビューを元にしているので読みやすい。
    分析は的確。
    デフレ脱却の策が失敗であるのは間違いないが,経済学者として正しい策は提示できないのか?
  • 会社はこれからどうなるのか
    経済学者・岩井克人が書く易しい会社法人入門書のような一冊。産業革命以降の近代社会の黎明期から21世紀までを貫く資本主義のあり方と、その中で会社という法人がどういう立ち回りをしてきたか。バブル崩壊で低迷する日本的な「ヒト」的な会社共同体も捨てたもんじゃない。だって90年代敵対的買収ばかり行ってきたアメ...続きを読む
  • 資本主義から市民主義へ
    5割も分かってない。分かってないけどここには何か大切なことが書いてある。そんな予感に突き動かされて一気に読みきりました。
    岩井克人氏の著作はこれまで幾つか読んだことがありましたが、この対談のおかげで氏の問題意識が明確になりました。