岩井克人のレビュー一覧

  • 会社はこれからどうなるのか
    良著。
    前半は、会社そして法人とは何かという説明に終始しているけれど、
    後半はポスト資本主義における「強い会社」だとか「これからの働き方」の話になります。
    キーワードは差異化と人的資産。

    やさしい文章で、みんなが何となく感じているであろうことを明快に論じているので、頭が整理できる一冊。
  • 貨幣論
    タイトルからはわからないかもしれないがマル経の本。しかし侮る事なかれ、面白い上にきちんと議論が成り立っている。教科書というよりかはその他の空き時間に。
  • 貨幣論
    前半部要約
    マルクスの価値形態論を徹底するとマルクスの意図を越えて、「貨幣が貨幣として流通しているのは、貨幣が貨幣として流通しているからである」という循環論法に行き着く。貨幣の起源は貨幣商品説や貨幣法制説といった物語によっては語り得ず、貨幣はその存在そのものが「神秘」である。

    後半
    資本主義の本当...続きを読む
  • 二十一世紀の資本主義論
    主に貨幣論をベースに展開される。各章が独立した形式をとっており、内容の重複が気になる。またギリシャ神話をベースにした経済論など筆者独特の語り口は魅力的である半面やや難解である。とはいえ、貨幣論に関しては終始一貫した論理を貫いており、これに基づいて全ての経済的側面が語られるという一貫性はある。「貨幣は...続きを読む
  • 会社はこれからどうなるのか
    利潤は差異性からしか生まれない。

    卒論における、比較制度分析の中での企業特殊的人的資産の良い復習にもなった。

    ポスト産業資本主義に対応していける日本の社会、会社の出現が鍵になっていくという説明も納得。(以前の産業資本主義における優位性をもつ企業体・制度が確立されたものが強固となっている日本の現状...続きを読む
  • 二十一世紀の資本主義論
    昔吉本隆明さんと対談していたので、この人の名前は知っていた。
    経済学に関する本だが、一般向けで、数式などは出てこないし、わかりやすかった。
    特に貨幣論がおもしろく、(私の言葉で言うと)それが一種の記号として存在しているのだということが確認できた。
    それと、日本の「企業=法人」という考え方が、アメリカ...続きを読む
  • M&A国富論 「良い会社買収」とはどういうことか
    会社とは何か、とい事から始まり
    M&Aに関するルールを提言する。
    もう少し勉強した上で読めば面白いと思う。
  • 会社はこれからどうなるのか
    2003年に発行された単行本の文庫版。
    現実を見ると、社会は論理的に順を追って変化しているわけではなく、迷走して行き過ぎてを繰り返しながら進んでいるという印象。
    しかし少しずつこの本の予想は現実になっている。
  • ヴェニスの商人の資本論
    日本を代表する経済学者、東京大学大学院経済学部教授、評論家、妻は作家の水村美苗・・・というのは著者の岩井克人さんのプロフィール。(最後は不要か?!でも、水村美苗さんも小林秀雄賞をとるほどの大物です!) 
    本書は、評論家デビュー作品。
    これは1984年に書かれたもので、学生時代に読んだものの再読ですが...続きを読む
  • 二十一世紀の資本主義論
    基本的には貨幣は最大の偽札だという主張を繰り返す。だが、これからの経済の展望についてさまざまなimplicationsについて言及していた。
  • 会社はこれからどうなるのか
    ポスト資本主義の解説本といったところ。

    法人とは2種類の顔がある不思議なもの
    ・「モノ」としての法人  株主にが支配
    ・「ヒト」としての法人  会社の資産を保有している

    2種類の経営者
    ・個人オーナー等に委任された経営者  「任意代理」
    ・大企業等の経営者  「信任」
    後者はまさに信任に支えられ...続きを読む
  • 貨幣論
    岩井克人の文章は比較的わかりやすいというのが従来の印象だが、この『貨幣論』は難しくて理解の突破口となる「引っかかるところ」がないまま最後まで読み進んだ。マルクス理論独特の難解で抽象度の高い論理展開で、纏めるのには相当大変だろうが諦めずに、ここから再々度の読み込みでなんとか整理してみる。この作者をして...続きを読む
  • 二十一世紀の資本主義論
     30年ほど前の内容であるので情報が少々古いが、本書に収録される「二十一世紀の資本主義論」と「インターネット資本主義と電子貨幣」は今読んでも色あせない。現在、米ドルを基軸通貨とするグローバル市場経済であるが、今世紀において最も危惧するべきなのが米ドルのハイパーインフレーションであると著者は主張する。...続きを読む
  • 貨幣論
    「われわれは今では価値の実体を知っている。それは労働である。われわれは価値の大きさの尺度を知っている。それは労働時間である。」

     難しくて一回読んだだけではわからない。マルクスの貨幣論を修正しているようなんだけど、元のマルクスの貨幣論がわかってないから、どう修正したのかも当然わからない。でも恐慌が...続きを読む
  • 資本主義と倫理―分断社会をこえて
     「分断社会を超えて」の副題に興味を惹かれて読んだが、「分断」のとらえ方が各論者ごとに違っているか、その定義がないので、全体として統一感がなかった。
     また、題名も「資本主義と倫理」となっているが、内容は経済学者が、経済学を好きなゆえに、経済学には限界もあって他の学問分野と協調して倫理も含めて再構築...続きを読む
  • 二十一世紀の資本主義論
    二十一世紀の資本主義論
    (和書)2009年05月30日 21:49
    2000 筑摩書房 岩井 克人


    この本は出版されてすぐに買って読まずにいました。なんだか読む気がしなかったんだよね。何故買ったんだっていうことだけど、何冊かこの著者の本を読んでいてそれなりに刺激を受けたからだけど、今回読んでみて...続きを読む
  • ヴェニスの商人の資本論
    北さんからの推薦。
    貨幣論を返す時に感想を伝えたところ、新たに借りることに。
    正直難しい。貨幣論の、ほうがまだ分かりやすかったか。。
    個人的には、最後の解説にたいする解説が、一番面白かった。
    たとえ「解説」という短い文章であるにせよ、付加価値をもったもののほうが同じ市場で安く売られるという事態は…。...続きを読む
  • 貨幣論
    繰り返しの中で
    貨幣は死を迎える。
    それは資本主義の死。

    貨幣論の本質は、
    資本主義の危機は
    恐慌ではなく、
    ハイパーインフレーションだということだ。

    マルクスの貨幣論に始まり、
    貨幣について、論じられた本書は
    膨大な繰り返しをあえて使う。
    それは貨幣のあり方に似て。

    貨幣を語ることは、
    現在...続きを読む
  • 貨幣論
    本書の考察は、マルクスの『資本論』における労働価値説と価値形態論との関係をめぐる考察から始められます。著者によれば、マルクスは労働価値を超歴史的な「実体」として理解する一方、超歴史的な価値の「実体」がどのようにして交換価値という「形態」を取るようになるかという問題について考察をおこなっているとされま...続きを読む
  • 会社は社会を変えられる ─ 社会問題と事業を〈統合〉するCSR戦略
    ギリシア、ローマ時代から19世紀末までの世界平均寿命は、25歳。20世紀に入っても31歳。2011年に70歳。



    幸せな加齢の5条件

    栄養、運動、人との交流、新概念への柔軟性、前向き志向



    日本企業のCSRレポートは、「我が社を取り巻く社会にはこういう課題があり、それは我が社のこの事業と関...続きを読む