桃井緑美子のレビュー一覧
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「全史」と銘打った、ウクライナの歴史に纏わる本で、「上巻」の続きとなる「下巻」である。
「ウクライナの歴史」を古い時代から説き起こし、この上巻では20世紀初め頃に至る迄が綴られた「上巻」に対し、この「下巻」はそれ以降なので、扱われている期間は短い。しかしながら、本のボリュームは上下共に似たような分量になっている。
「下巻」については、20世紀初め頃の革命や内戦という様相から、戦間期や第2次大戦の頃、その後の様々なこと、更に「ウクライナ」の独立、最近の情勢と、非常に密度が濃い感じに纏まっている。概ね2020年頃迄の事柄が綴られる。
「下巻」の末尾には、「上巻」の部分も含めて、ウクライナの歴史に纏 -
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古い時代から最近に至る迄の経過、挿話を扱う「全史」ということで綴られた本の「上巻」である。
「ウクライナの歴史」を古い時代から説き起こし、この上巻では20世紀初め頃に至る迄の事柄が綴られる。
本書はソ連産れで、ウクライナで学位を得て研究教育活動に従事し、現在は米国で活動している「ウクライナ史」研究者が綴ったモノということになる。
本書は物語風で読み易くなっているとも思う。かなり古い時代から、興味深い挿話が積み重ねられていると思う。注釈を参照するような面倒な感じでもなく、「ウクライナ史」というようなモノになじみが薄い人達でも普通にさっと読めるような体裁に美味く纏められている。
本書を読んでいて、 -
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好きか嫌いかはなかなかわからない。好みについて語ったりすることでそれが好きになる。どんなところが好きかを話すことが大事。という至極当たり前のことが書いてある本だが、ワインのテイスティングの話に行ったり、味覚や嗅覚が好きに与える影響を考えていたり、色んな可能性を感じられる本だった。特に私は昆虫食や昆虫を関心領域とするので、なぜそれが嫌いになるのかに関心があったが、目に入るものが好きになり、好きなものが目に入るという理屈は(美術館の話)とても面白かった。要するに身近にあるかが大事なのだ。
趣味や好みで選ばれる対象の場合、「賞の最終選考にとどまった作品は受賞作よりも評価が低かった――受賞作が決まる -
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トルーマンからアイゼンハワー、ケネディ、ジョンソン、ニクソンまでの大統領によるアメリカの歴史が核の問題を中心に語られる。どのように冷戦が始まったか、ソ連との関係、軍産複合体の陰、アメリカの中南米、ベトナムへの介入などアメリカの帝国主義的、負の側面が暴かれる。ケネディとフルシチョフによるキューバ危機は本当に核戦争一歩手前だったし、その後も危険な状態はいくらもあったことが明かされると、改めて運の良かったことに驚かされる。アメリカにとっては、中南米、アジアは征服されるべきアメリカの権益範囲だとしか考えていないと感じる。その一方でベトナム反戦運動が起こり、サイゴンは陥落し、最終的にはニクソンが辞任に追
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2021年7⽉12⽇のウラジーミル・プーチン「ロシア人とウクライナ人の歴史的一体性について」(⼭形浩⽣ 訳/以下「プーチン論文」という。)に抗して読んだ。/
(1)《ロシア⼈とウクライナ⼈は⼀つの⺠なのだと述べた》(プーチン論文)/
プーチン論文では、ホロドモールについて、次のようにふれている。/
《1930年代初期の集産化と飢餓という共通の悲劇はウクライナ人の虐殺として描かれる。4》/
《4 訳注:いわゆるホロドモールのこと。⼤規模不作による飢饉で⾷料徴発と「富農」弾圧が⾏われたときにはウクライナが特に標的とされ、農業の基盤そのものが破壊された。飢餓の推定死者数も圧倒的にウクライナ⼈ -
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ネタバレp.183 マラリア
マラリアは、人間と環境との結びつき、人間と人間との結びつきを含めた全体を、最も色濃く反映した感染症なのである。運動の当事者たちは、その結論に基づいて、貧困、環境悪化、栄養不良、貧しい住環境、非識字、無知、難病の発生、不適切な濃厚など、これら全てがマラリアの要因なのだと主張した。最初の特効薬としてキニーネが無料で配布されたのも、住宅環境や住宅事情や賃金や識字率の向上、十分な栄養、国の道徳的な関与を背景にしてのことだった。これらの要因は、キニーネそのものと同じ位重要な抗マラリア剤だった。マラリアは、強力な科学技術的ツールの適用とともに減少したが、社会主義が広まるにつれても減少 -
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・ウイルスvs微生物
微生物は微小な生物を差す一般的な言葉で、ペスト菌などの最近と天然痘ウイルスなどのウイルスの両方が含まれる。最近は単細胞生物であり、疑問の寄りなく生命体である。DNAがあり、その情報を読み取って複製に必要なタンパク質を作るために不可欠な細胞の仕組みをすべて備えている。ウイルスは最近とは全く違うものだが、最近の1/10~1/500の大きさしかなく、フィルターを通過し、宿主に規制する美声粒子である微生物をさして使うことにする。ウイルスの存在は簡にして要を得た科学実験によって1903年までに確実になったが、実際に観察されたのは電子顕微鏡が発明された1930年代、そして生物学的な機 -
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フランクリン・ルーズベルト大統領時代の1941年1月から45年1月まで副大統領であったヘンリー・ウォレスを忘れてはいけない。その後商務長官となっても核兵器廃絶と東西対立回避のために孤軍奮闘する。
1946年4月ニューヨーク市庁舎での演説から。
「私は4年前にアメリカの世紀を否定しました。そして今日、さらに力を込めて、アングロサクソンの世紀を否定します。世界中の市井の人々は、啓蒙されたアングロサクソンの原爆によって庇護されるとしても、帝国主義の再興を許容しないでしょう。英語を話す人々の使命は世界に奉仕することであり、世界を支配することではないのです。」
もし、ルーズベルト大統領が死んだ時、副大統 -
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テクノロジー企業の基本的な生産物はイノベーションであり、そこが世のたくさんのビジネスと違うところ。今日の製品の成功に満足せず、つねに次の5年に何がくるかを考える事。いかに上手く内部燃焼し、イノベーションを生むマシンとして長く存続できるかという事。
これからの20年で20世紀の100年間に匹敵するものを達成する。変化の速度は目覚ましく、次は14年でその次は7年で同じくらい進歩する。このペースは指数関数的に成長し、21世紀は今日の2万年分に匹敵する。これは20世紀の約1,000倍の成長速度。
人類は8つの分野で指数関数的な成長を実現させる必要がある。それは、教育、エネルギー、環境、食品 -
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2巻目
2巻目では、冷戦の初期からキューバ危機、そしてケネディ政権の政策やその後のジョンソン・ニクソン政権下でのベトナム戦争までを詳細に取り上げており、特に、キューバ危機を中心にケネディのリーダーシップとその背景にある歴史的文脈が非常に詳しく描かれている。ストーンはケネディにかなりの比重を置いており、その決断や政策が世界の平和にどのように影響を与えたかを掘り下げ、ケネディの歴史的役割を再評価するうえでの新たな視点を示している。