桃井緑美子のレビュー一覧
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ウクライナの地域とそこに生きてきた人々の歴史。物語風に書かれており読み易い。事件がウクライナのアイデンティティにどんな影響を与えたか、ウクライナ人・ユダヤ人・ロシア人といった住民達が何を経験したかにフォーカスしており今出版されるべくしてされた本だと思った。
上巻は20世紀初頭まで。フルシチョフ・ブレジネフ・ゴルバチョフのファミリーヒストリーを通じて19世紀後半のウクライナ/ロシアの移住事情が語られるのが面白かった。
ただ、一部の例外(ブレスト合同とかコサックとか)を除いた個別の事件や周辺国の状況についての記述に乏しく、また地図もないのでロシア史・ポーランド史が何となくでも頭に入っている人でない -
Posted by ブクログ
荒天による食糧不足がフランス革命を引き起こしたと通常の歴史学では言わないように、歴史の変動を気候だけで説明することはできないが、昔であればあるほど人間の生活が気候に大きく影響を受けたことは間違いないだろう。
本書はだいたい10世紀から19世紀ころまでのヨーロッパにおける気候変動が、海岸線や氷河など地形を変化させ、あるいは食糧の豊凶によって人口の増減を生じさせたかを明らかにしていく。昔になればなるほど、気温や海洋に関する正確な統計データは存在しないが、雪氷コア、樹木年輪その他の研究手法に拠って復元されてきた当時の状況に基づき、著者はその筆を進めているようだ。
〇興味深かった内容
「第1章 -
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Posted by ブクログ
・私たちは選ぶのが好きなのだ。選ぶ楽しみは、自分で選ばずに何かを楽しみにするよりも神経活動を活発にするようだ。
・きっと気に入ると思っていれば、本当に好きになる可能性が高い
・人の評価は願望から生まれる。自分ってこうなんだ、というのを示すために、「ホテルルワンダ」に星5つ、キャプテンアメリカに星2つをつけておいても、見るのはキャプテンアメリカだったりする
・私たちは肯定的な意見に追従し、否定的な意見には懐疑的でいる傾向にある
・やや否定的なレビューは役に立ったかどうかの評価において、やや肯定的なレビューに比べて結果が悪かった。不確かな場合には、私たちは肯定的な方へ傾くのである。
・否定的なレビ -
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Posted by ブクログ
人間のよろこびはみんな砂糖からくる。全員味覚顔面反応が起きる。嫌いな人はいない。好きの程度が違うだけ。
フランス料理のアミューズブーシュは口を愉しませるもの。
何か一口おなかに入れるとインスリンが分泌される。空腹の合図。空腹を感じる。アペタイザー効果。
料理がバラエティーに富んでいると食欲も刺激する。感覚特異性満腹=進化にとって有益なメカニズム。
最後にデザートを食べるのは、満腹であっても絶対的に美味しいものだから。
Googleのads/preferemses で、好みがわかる。
若いころの音楽がいちばんいいと思う=焼き印を押された。
接触効果=接する頻度の高いものを好む。
知覚的 -
Posted by ブクログ
「行動科学の最大の謎」とタイトルされているように、「人の好き嫌いは説明できない」というのが常識のようだ。
そのテーマにあえて挑戦した著者の中間報告的な書ととらえた。全体的に著者の調査や研究の過程で得られた情報が羅列的に書かれているように感じるが、客観的な分析結果が述べられているものではない(と思う)。
しかし、その「好き・嫌い」というものの特徴をおぼろげながら掴んでおり、それを表現した一つの言葉が、以下のものではないだろうか。
「好みにはさまざまな無意識のバイアスがつきまとい、そのときの状況や社会からの影響であっけなく揺れ動く。」
「今日好きなものを明日も好きでいる可能性は思いがけない