桃井緑美子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ウクライナの地域とそこに生きてきた人々の歴史。物語風に書かれており読み易い。事件がウクライナのアイデンティティにどんな影響を与えたか、ウクライナ人・ユダヤ人・ロシア人といった住民達が何を経験したかにフォーカスしており今出版されるべくしてされた本だと思った。
上巻は20世紀初頭まで。フルシチョフ・ブレジネフ・ゴルバチョフのファミリーヒストリーを通じて19世紀後半のウクライナ/ロシアの移住事情が語られるのが面白かった。
ただ、一部の例外(ブレスト合同とかコサックとか)を除いた個別の事件や周辺国の状況についての記述に乏しく、また地図もないのでロシア史・ポーランド史が何となくでも頭に入っている人でないと読んで厳しいんじゃないかと思う。注釈、索引、参考文献も上巻にはなかったから一般書の扱いなんだろうけど…上下巻で7,000円超なんだけど… -
Posted by ブクログ
荒天による食糧不足がフランス革命を引き起こしたと通常の歴史学では言わないように、歴史の変動を気候だけで説明することはできないが、昔であればあるほど人間の生活が気候に大きく影響を受けたことは間違いないだろう。
本書はだいたい10世紀から19世紀ころまでのヨーロッパにおける気候変動が、海岸線や氷河など地形を変化させ、あるいは食糧の豊凶によって人口の増減を生じさせたかを明らかにしていく。昔になればなるほど、気温や海洋に関する正確な統計データは存在しないが、雪氷コア、樹木年輪その他の研究手法に拠って復元されてきた当時の状況に基づき、著者はその筆を進めているようだ。
〇興味深かった内容
「第1章 中世温暖期」~10世紀末にスカンディナヴィア人がグリーンランドに定住し、当時豊富だったタラやアザラシ、セイウチの漁をし、さらに北アメリカ(現在のカナダ等)まで航海していたこと。ゴシック教会の大聖堂などが次々と建築されたのもこの時代が豊作であったからこそ可能であったことなど。
「第4章 嵐とタラとドッガー船」~乾燥させた塩漬けのタラは軽いうえに保存がきいたのでヨーロッパでは船乗りや軍隊の理想的な糧食であった。しかしタラは水温に極めて敏感な魚fで水温が2℃以下の場所では生存できない。
この時代、船の造船技術も進歩し、イングランドでは2本から3本のマストのある外洋船ドッガ―船が生み出され、漁場を拡大していった。
第6章以降の第3部「『「満ち足りた世界』の終焉」では、人口が増加し、食糧問題が深刻になったことから、北ヨーロッパで農業革命が進行した様子が描かれる。
オランダの土地干拓による農地の増大、イングランドにおける土地の囲い込み、新世界の作物ジャガイモの普及、フランスにおける冷夏による農民の窮状続きとフランス革命、アイルランドのジャガイモ飢饉などなど、世界史で習った有名なトピックが
気候とどのように関わっていたかが説明される。
千年単位での気候変動と歴史との関係が描かれた訳だが、地球温暖化は果たして地球を、そして我々の生活をどのように変えていくのか、改めて考える上で良い参考書だと思う。
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Posted by ブクログ
・私たちは選ぶのが好きなのだ。選ぶ楽しみは、自分で選ばずに何かを楽しみにするよりも神経活動を活発にするようだ。
・きっと気に入ると思っていれば、本当に好きになる可能性が高い
・人の評価は願望から生まれる。自分ってこうなんだ、というのを示すために、「ホテルルワンダ」に星5つ、キャプテンアメリカに星2つをつけておいても、見るのはキャプテンアメリカだったりする
・私たちは肯定的な意見に追従し、否定的な意見には懐疑的でいる傾向にある
・やや否定的なレビューは役に立ったかどうかの評価において、やや肯定的なレビューに比べて結果が悪かった。不確かな場合には、私たちは肯定的な方へ傾くのである。
・否定的なレビューに好意を持てるか、つまり信用するかどうかを決定づける非常に重要な変数が一つある。系建材(本や映画など、経験しないと良しあしが判断できないもの)か探索財「カメラや交換用ワイパーなど、品質や性能を購入前にある程度把握できるもの」かという変数だ。多くの経験材では好みが大きくものをいううえ、消費者が自分の趣味や主観的評価に非常に自信を持っている場合が多く、他の人々の極端な意見に懐疑的になるため、否定的なレビューへの評価は厳しくなる。本や映画の場合は、車のワイパーとは違って、レビューに目を通すときにすでに態度が決まっていて、他人の星一つの批評は一種の認知的不協和として除去される。探索財の場合、消費者は製品の性能や仕様、欠陥、ユーザへのお役立ち情報などをレビューから知ろうとしている。バイアスや趣味は介入しないので、否定的なレビューは欠陥があることを示す間違いのないシグナルだろう
・消費の仕方は消費するものと同じくらい趣味を表している
・すきになることは学習すること、学習することは好きになることだ。
・美術品を見て心が動くのは、自分の周囲の世界だけでなく、自分自身についても何かを学べるひらめきの瞬間を経験している
・愛好家は、よいものについてのバイアスがありすぎて、そもそも何に心が躍るのかということを忘れてしまっている
・人は分類できるものを好む -
Posted by ブクログ
人間のよろこびはみんな砂糖からくる。全員味覚顔面反応が起きる。嫌いな人はいない。好きの程度が違うだけ。
フランス料理のアミューズブーシュは口を愉しませるもの。
何か一口おなかに入れるとインスリンが分泌される。空腹の合図。空腹を感じる。アペタイザー効果。
料理がバラエティーに富んでいると食欲も刺激する。感覚特異性満腹=進化にとって有益なメカニズム。
最後にデザートを食べるのは、満腹であっても絶対的に美味しいものだから。
Googleのads/preferemses で、好みがわかる。
若いころの音楽がいちばんいいと思う=焼き印を押された。
接触効果=接する頻度の高いものを好む。
知覚的流暢性=知覚情報の処理が容易になり好きになる。
ローレンツの刷り込み効果 -
Posted by ブクログ
「行動科学の最大の謎」とタイトルされているように、「人の好き嫌いは説明できない」というのが常識のようだ。
そのテーマにあえて挑戦した著者の中間報告的な書ととらえた。全体的に著者の調査や研究の過程で得られた情報が羅列的に書かれているように感じるが、客観的な分析結果が述べられているものではない(と思う)。
しかし、その「好き・嫌い」というものの特徴をおぼろげながら掴んでおり、それを表現した一つの言葉が、以下のものではないだろうか。
「好みにはさまざまな無意識のバイアスがつきまとい、そのときの状況や社会からの影響であっけなく揺れ動く。」
「今日好きなものを明日も好きでいる可能性は思いがけないほど低く、以前に好きだったものを何が好きにさせたのかを覚えている可能性は低い。」
「好き・嫌い」というのは絶対的なものではなく、なんらかの影響により存在し、変化するものなのだということを知ることができた。
自分がなぜ本書を手に取ったのかのそもそもを考えてみると、「好きとか嫌いとかがどうして発生するのか?」とか、特に「嫌いなものが好きに変わることはあるのか?」というようなことが知りたかったからだと思う。
「野菜嫌いの子供が毎日食べることで好きになる」というようなことから接触回数が嫌いを好きにさせるというような話もあったが、それだけでは世の中で離婚する人がいることと矛盾するようにも感じた。
やはり、接触効果により嫌いが好きに転じるには、他に別のバイアスがからんでいるようにも思われる。
今後そのへんの仕組みまで明かしてもらえれば、嫌いを好きに転じることができ、ハッピーライフをもっと拡張できるのではないかと感じた。