安萬純一のレビュー一覧

  • 妖ファンタスティカ 書下し伝奇ルネサンス・アンソロジー
    「そうこの会」による妖のアンソロジー。
    色んな作家さんが、ゾクゾク、ゾワゾワさせてくれます。
    どれも面白かったけれど、朝松健さんの『夢切り浅左衛門』、秋山香乃さんの『草薙剣秘匿伝』が特に面白かった。
  • モグリ
    舞台は横浜中華街、モグリの医者がひょんないきさつから知り合った暴力団のボスの一人息子が殺される。そこから、暴力団の抗争に巻き込まれていく。
    始終危なっかしくて、それでも、読み進められずにはいられない。
    面白かった。
  • 星空にパレット
    それぞれに探偵役も作品のタイプも異なる、凝った造りの短編集。どれの作も丁寧に作り込まれた感じで、ミステリ好きなら楽しいと思う。探偵役が使い捨てなのはもったいない気もするが。
  • 御城の事件~〈東日本篇〉~
    贅沢なアンソロジー。
    お城好きにはたまらない。
    特に、冒頭の高橋由太さんの作品が私好み。
    大奥という特殊な世界で繰り広げられるドラマ。
    あのラストはたまらない。
    くぅぅぅ。
    他の作品も、バラエティに富んでいる。
    伝奇的なものあり、アリバイ崩し的なものあり。
    これがアンソロジーの醍醐味。
  • 滅びの掟――密室忍法帖
    伊賀VS甲賀、5対5の忍者同士の殺し合い。
    山田風太郎みたいな設定だが、あそこまで人間離れした能力はなく、頭脳戦なところがしっかりミステリしている。
    忍者同士の殺人トリックの他、精鋭が抜けたあとの里での連続殺人、幕府は何故この殺し合いを命じたのか、など謎が盛りだくさんで面白かった。
  • 星空にパレット
    安萬さんの作品を読むのは初めて。
    やっと辿りついた。
    最初に収められた『黒いアキレス』が学園モノだったこともあってラノベのイメージ。オープニングナンバーは重要だ。
    全体的に殺人現場の描写はあっさり系。それなりの量の血は流れ相応に酷い現場になっていると想像するが血生臭い描写は皆無。
    個人的にはラストの...続きを読む
  • 星空にパレット
    あとがきにもあったが、連作じゃないので誰が探偵かわからない。それはそれで面白いけどわけわからなくもなってくる。
  • 星空にパレット
    連作ではない4つの短編ミステリー。

    高校で連続しておきた強盗事件。警察官や高校生たちが犯人を追い込んだものの、逃げ込んだ先の倉庫で刺殺体となって発見される。

    バンガローハウスが北斗七星の形に並んだ宿泊施設で見付かった死体。宿泊客たちは何故か互いに探りあっているような奇妙な素振りを見せている。

    ...続きを読む
  • 御城の事件~〈西日本篇〉~
    徳川家康は好きではないけど、風変わりなキレ者というイメージを思っていて。その特異さが魅力的に描かれていた「幻術の一夜城」が好き。

    お市の方が出てくる「小谷の火影」も面白かった。
    いつの時代も女は怖い。

    あと、単純に「忍者ってかっこいい」と思ってしまう自分がいる。笑

    東日本編よりはこの西日本編の...続きを読む
  • 御城の事件~〈東日本篇〉~
    時々読みたくなる時代もの。それのミステリーってことで少しワクワクしながら読み始め…面白かった!
    お城に関する知識が楽しく得られて良かった。西日本編も楽しみ。
  • 滅びの掟――密室忍法帖
    忍法帖と密室ミステリのコンビネーションにひかれて読んでみた。が、山田風太郎のような度肝をぬく奇妙奇天烈さがなかったので地味だった。やはりロジックを重んじると現実から離れられなくなって忍法帖の奇抜さが薄れてしまうのか?あと少しで世紀の傑作になりそうな気はするので、何かが惜しい。
  • 御城の事件~〈東日本篇〉~
    【収録作品】「大奥の幽霊」高橋由太/「安土の幻」山田彩人/「紙の舟が運ぶもの」松尾由美/「猿坂城の怪」門前典之/「富士に射す影」霞流一
  • 御城の事件~〈東日本篇〉~
    先日読んだ『御城の事件<西日本編>』がなかなか面白かったのでこちらも読んでみた。

    この<東日本編>はどちらかと言えば時代物という枠を超えた感があるが、『御城の事件』という枠は守っているので良いか。

    高橋由太「大奥の幽霊」
    <もののけ>シリーズで有名な作家さんだが読むのは初めて。
    『大奥で赤子の幽...続きを読む
  • 御城の事件~〈西日本篇〉~
    タイトル通り、城を舞台にした事件の話五編。

    「幻術の一夜城」黒田研二(墨俣城)
    秀吉が一夜で築いたとされる墨俣城の謎を解く家康。さらに彼はそこに一瞬で天守を造りだすと言う。
    秀吉の一夜城の謎は何となく聞いたことのある内容だったが、家康の幻術はさて? ここまで上手く行くのか疑問ではあるが、天下を取る...続きを読む
  • 忍者大戦 黒ノ巻
    本格ミステリー作家の書く忍者小説アンソロジー。霞先生の作品が、いつもの言葉遊び炸裂で良い。他の作品達もそれぞれミステリーの書き手らしくストーリーにどんでん返しが仕込んであり、トンデモ忍術とあわせてエンタメしてて面白かった。
  • ヤオと七つの時空の謎
    【収録作品】「プロローグまたはヤオは旅立つ」 芦辺 拓/「聖徳太子の探偵」 獅子宮 敏彦/「妖笛」 山田 彩人/「鞍馬異聞」 秋梨 惟喬/「天狗火起請」 高井 忍/「色里探偵控」 安萬 純一/「天地の魔鏡」 柄刀 一/「ヤオ最後の冒険またはエピローグ」 芦辺 拓
  • 滅びの掟――密室忍法帖
    服部半蔵の命令に寄り、伊賀忍者5人と甲賀忍者5人が忍法とトリックを駆使して殺し合いをする物語。それだけだと山田風太郎の忍法帖のリライトに成り兼ねないが、この作品ではそれと並行して、5人が抜けた伊賀の里で次々と村人が殺される事件が描かれ、そのフーダニットとホワイダニットも楽しめる凝った構成になっている...続きを読む
  • 妖ファンタスティカ 書下し伝奇ルネサンス・アンソロジー
    歴史小説界に風穴をあけんとする作家集団「操觚(そうこ)の会」による
    伝奇時代小説アンソロジー登場!
    ■朝松健「夢斬り浅右衛門 ――小伝馬町牢屋敷死罪場」
    ■秋山香乃「草薙剣秘匿伝 ――葛城皇子の章」
    ■芦辺拓「浅茅が学問吟味を受けた顚末 ――江戸少女奇譚の内――」
    ■彩戸ゆめ「神楽狐堂のうせもの探...続きを読む
  • 王国は誰のもの
    大金持ちが山の中に築いた中世ヨーロッパのような王国。
    ふとしたことからそこを訪れた女子高生が、不可解な殺人事件に巻き込まれる。容疑者は吸血鬼、狼男、ミイラにゾンビ…
    序盤は普通の女子高生の学校や家庭の悩みだったのに、いつのまにか中世ヨーロッパ風のファンタジーになっているという変な話。どこまでがファン...続きを読む
  • ポケットに地球儀 探偵作家アマンと謎の密室魔
    雑誌で募集した「謎」を探偵作家アマンに解かせようという企画をたてた編集者。しかし応募者の話をきいて不思議な出来事を調査しに出かけると、なぜか二人はいつも密室に閉じ込められてしまう…
    思いっきりリアリティ無視の連作短編集。毎回、謎は持ち込んだ人が自分で解決し、アマンたちは知恵をしぼって密室から脱出する...続きを読む