中竹竜二のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ『人の器の磨き方』自分用まとめ
この本が伝えたいこと
人の器とは、知識量や能力の高さではない。
どれだけ多様な現実を受け止め、矛盾や不確実性を抱えながら意味づけできるか。
つまり、
「物事を見るメガネの数と、そのメガネを自由に掛け替えられる柔軟性」
こそが器である。
器は才能ではなく、
* 経験
* 葛藤
* 逆境
* 内省
* 他者との対話
によって一生を通じて成長していく。
⸻
① 器が大きい人とは何か
器が大きい人は、
* 自分の考えを絶対視しない
* 他者視点を持てる
* 矛盾を抱えられる
* 答えがない状況に耐えられる
* 自分の感情を客観視できる
人である。
重要なのは、
知識が増えることではなく、意味づけの仕方が変わること。
成長とは、
「私はこういう人間だ」
から
「それは自分の一部に過ぎない」
へ移行すること。
つまり、
主体だったものを客体化できるようになることが発達である。
⸻
② 器は逆境で広がる
器が広がる瞬間は、
能力の範囲内で成功している時ではない。
むしろ、
* 失敗
* 挫折
* 越境
* 葛藤
* 自分の限界との遭遇
によって起こる。
なぜなら、
逆境は今までの価値観や前提を壊すから。
そして発達とは、
壊れた価値観を再構築するプロセスだから。
⸻
③ 器は壊れてもいい
本書で一番印象的だったテーマ。
器は、
壊れないことに価値があるのではない。
壊れたあと、
金継ぎのように再生することに価値がある。
だから、
失敗しない人生ではなく、
壊れても再構築できる人生の方が器は育つ。
⸻
④ 本当にできる人の条件
本当にできる人は、
能力が高い人ではなく、
転移力
成功の本質を見抜き、
新しい環境に翻訳できる力
受容力
相手の価値観を理解し受け入れる力
を持っている。
特に転移力では、
過去の成功体験を手放せるかが重要。
成長を止める最大の敵は、
過去の成功である。
⸻
⑤ メタ認知は器を磨く最重要スキル
器を広げるために必要なのは、
単に視野を広げることではない。
重要なのは、
* 何を見るか
* どこを見るか
* どの距離で見るか
を選択すること。
メタ認知とは、
思考の司令塔である。
感情を振り返り、
言語化し、
リフレーミングすることで、
感情に振り回されるのではなく感情を活用できるようになる。
⸻
⑥ 成長は「私」から「私たち」への変化
器が大きくなる人には共通点がある。
語る主語が変わる。
「私が」
から
「私たちが」
へ。
成長とは、
自己実現の拡大ではなく、
他者や組織を含んだ視点の獲得でもある。
⸻
⑦ リーダーの器とは何か
成熟したリーダーは、
答えを持っている人ではない。
人々と共に問い続ける人である。
リーダーの役割は、
問題を解決することではなく、
成長の空間をつくること。
だから、
* 問いを投げる
* 対話を促す
* コンフリクトを活かす
* 心理的安全性をつくる
ことが重要になる。
⸻
⑧ AI時代に価値を持つ器
AIが強いのは、
知識
情報処理
分析
である。
一方で人間に残る価値は、
* 共感
* 意味づけ
* 問いを立てる力
* 曖昧さを抱える力
である。
AI時代の器とは、
不確実性と共に生きる力。
答えのない状況でも、
問い続けながら前へ進める力である。
⸻
この本を一文で表すなら
器とは、世界を理解するレンズの柔軟さであり、そのレンズは逆境・対話・内省によって一生を通じて磨かれ続ける。 -
Posted by ブクログ
本書を通じて最も印象に残ったのは、「自己認識とは内省の深さではなく、現実を正確に見る力である」という点でした。
私たちは自分のことをよく分かっているつもりでいますが、実際には感情や思い込みによって、都合の良い解釈をしてしまいがち…本書はその危うさを、多くの研究や具体例を通して明らかにしています。
特に心に残ったフレーズが、「フィードバックはギフトだ」という言葉でした。
フィードバックは不快なもの、避けたいものとして捉えがちですが、それは自分では気づけない盲点を教えてくれる貴重な情報でもあります。重要なのは、評価として受け取るのではなく、成長のための材料として扱うことだと感じました。
また、「ミスはしたけれど、それで世界が終わるわけじゃないし、二度と同じミスを犯さなければいい」という考え方にも救われました。
失敗を自分の価値と結びつけてしまうと、行動そのものが萎縮してしまいます。しかし本書は、ミスをデータとして扱い、次にどう改善するかに意識を向けることの大切さを教えてくれています。
読後、私は日々の行動を感情ではなく事実として確認するようになりました。
コツコツ貯蓄できているか、運動ができているか、ひとり時間を過ごしているかを淡々とチェックし、できなかった日も自分を責めるのではなく、「何が邪魔をしたのか」を見るようにしています。
本書を通して学んだのは、自己認識が高い人ほど「気合」より「仕組み」を重視するということです。
意志の強さに頼るのではなく、行動が自然に積み重なる環境を整えます。その姿勢こそが、仕事や人生を安定して前に進める力になるのだと思いました。
『insight』は、自己理解を深めたい人だけでなく、成長を続けたいすべての人にとって、実践的な気づきを与えてくれる一冊でした。 -
Posted by ブクログ
同業の若いキャリアコンサルタントに、「何か読むべき本があったら教えて欲しい」と言われた。
瞬間、頭の中を何冊もの本がワサワサと駆け巡ったけど、照準が合ったのが、とりあえずこの一冊だった。
今流行りの「自己理解」が叫ばれる、ちょっと前の本。
自分を理解するために、ということが書かれているが、面談を仕事にしている私たちが、クライエントのために理解しておくとよい言葉が多く書かれていると思う。
あらゆる悩み事に必要な対処は、基本が、現状把握と自己理解であると私は思っている。
あのコンサルタントはこの本をどう読むか、どんな感想でも楽しみにしている。 -
Posted by ブクログ
1.
自己認識とは自分自身と他人からどう見られているかを理解しようとする意志とスキル
パターン…あらゆる状況で見られる思考や感情、行動の一貫した傾向
アラームクロックイベント(自分にとって、重要な真実に目を開かせてくれる出来事)
①新しい役割ルール
②激震
③日々のインサイト
ダニングクルーガー効果
自分は平均以上だと思うこと
過去の予測と実際の結果を比較検証する習慣
既によく知っている分野を学び続ける
自分の能力や行動のフィードバックをもらう
2
なぜではなく、何をすれば
日記をつけるのが正しいのではなく、正しく日記を付けることが重要
・ネガティブは検証、ポジティブは考えすぎない
学びと成長の機会と捉える
うまく学ぶというマインドセット、パフォーマンスではなく学びに焦点を合わせること
・マインドフルネス
新しい物事に気づき、既存の考えを手放し、新たな知見をもとに行動していくプロセス
単に心に目を向けるのではなく、新しい気づきを得るように時間を費やすべき
比較や対比
問題ではなく、解決策(どう成長期に繋げるかが重要)
・真実を他人の善意の手に委ねるのではなく、主体的に(フィードバッグを)求める
フィードバッグ者を絞ろう
残酷なまでに正直なる意志と能力
・自分が大切にしている価値観を書き出すことが重要
フィードバッグ前に、過去の回想も良い
自分の欠点を認めること
自己認識チーム
…力を尽くして同様の理解を集団レベルで得ること
・目的…何を達成しようとしているか
・進捗…目的に向けた進捗
・プロセス…目標を達成するための
・前提…自分達の事業や環境に対する前提
個々人の貢献
フィードバッグ
…相手が言ったこと、言い方、やったこと
自分が絶対と思うタイプ
→
わかってるけど、気にしないタイプ
→ラフトラック(自分自身のリアクションをコントロールすることで、状況をコントロールする) -
Posted by ブクログ
・システム思考の法則
今日の問題は昨日の「解決策」に由来する
強く押せば押すほど、システムはより強く押し返してくる
誰のせいでもない
・問題を抱えたときの思考と同じ発想では問題は解けない(アインシュタイン)
・戦略転換点とは、企業の障害に根本的な変化が訪れる時点だ。この変化によって、企業は新たにより高いレベルに達することができるかもしれない。しかしこれはまた、終焉に向かう第一歩でもあり得る
・行動→視点→マインドセット
・あなたが問題に取り組み、単に解決するばかりでなく、問題自体を永遠になきものにしてしまったら、あなたやチームや顧客はどんな行動をとるだろうか?何がより速く、より安く、より良い品質になるのか。課題をすでに解いたか、克服したかのように考えて成功を定義する
・再学習は、新しい行動を試し、新しいデータや情報や視点を取り込む実験プロセスだ、こうした新しいインプットをすべて考慮することで、世界をどうとらえているかというメンタルモデルを作り替え、並外れた成果を出せる考え方と行動を身につけるのだ
・行動は3つの要素が同時にある場合に起きる。それはモチベーション、能力、きっかけだ。
・成功のカギは「行動がその人にぴったり合っていること」
・「作業量」を測定するだけでは意味がない。本当に問うべきは「結果」なのだ。どれだけ作業をしたかではなく、どんな結果を出したかに応じて業務を組み立てれば、成功するためのブレークスルーと選択肢の用意ができたことになる
・他人の前で失敗しても大丈夫だと感じる人は、より「大胆に」なり、より「良い」ブレークスルーができる
・レオナルドダヴィンチは「やることリスト」ではなく「発見することリスト」を作っていた。達成すべき願望や結果について、答えるべき疑問をいくつも書き留めた。こうすることで彼は不確実なこと、わからないことを探求し、常に好奇心を燃やし続けた
・リーダーシップの役割とは、なにを達成すべきか、なぜそれが重要なのかというコンテクストを提供し、チームが自分でコントロールできる最善の行動を起こし、望ましい結果を達成する方法を見出すことができるような仕事のシステムを作ることだ。
・意図を明確にすることがリーダーの使命
・何をするかを人に命じるのではなく、チームが達成しようとしている結果や、いかにそこに向けて前進しているか、その途上で何を学ぶかを評価できるように、仕事のシステムにフィードバックループを組み込むことによって管理を行う
・賢い人間は学ばない・・・自分たちがモノを知っているということを証明し、知らないことがあるなどとは思われないために、あまりに多くの投資をしてきたからだ
・大惨事が起きないためには、訓練を怠らず、結果を振り返り、まずい状況になった時にどんなことが起こるかを、みんなが思い出すように話し合わなければならない。好奇心をもっていつものルーティンに新しい行動を加えなければならない。われわれは変わり続けなければならないし、常にシステムを刺激して、より良い新たな行動を見出し、実践しなければならない。それこそがアンラーンのサイクルを意図的に行うことの目的だ
・安全性を確保するために、実験を行い、新しいスキルや能力や考え方をテストして開発するための砂場が必要なのだ。取り返しのつかないダメージを受けることなく、ミスを犯しても修復できる環境を作らなければならない
・学習する組織の7つの特徴
1)継続学習:仕事で学ぶことができるように学習が仕事に組み込まれている
2)質問と対話:自分の意見を言うために建設的な推理力と、他人の意見を聞いて質問する能力を身に着ける。質問し、フィードバックし、実験することを奨励するように組織の文化が変わる
3)チーム学習:グループで様々な思考様式にアクセスするように仕事が設計されている
4)埋め込みシステム:学習を共有するためのハイテクとローテク両方のシステムが作られ仕事に組み込まれる
5)権限の付与:どんなビジョンを共有するかを決めて、実行することにみんなが関与する
6)システムのつながり:自分の仕事が組織全体に及ぼす影響がみられるような支援がある
7)戦略的リーダーシップ:リーダーは学習の手本を示し、学習を擁護し支援する
・脱学習は言葉から始まるのではない。行動から始まるものなのだ。大きく考え、望む結果に向けて小さな一歩を踏み出すのだ、それはまた、まずは自分が脱学習をはじめ、チームや組織のメンバーが行動を変えるための手本を示すということだ -
Posted by ブクログ
大変応援された本となった。読んでよかった。まさに「明日始めるのだ、いや、いますぐにだ!」と行動を後押ししてくれる本となった。 帯にも「アンラーンの全貌がついにつかめる!」と記載あり、なるほどなるほどと思った。
「教えないスキル」でもアンラーンの話は触れられており、そこでは「学びほぐし」と訳されていた。しかしながらアンラーンの重要性は強く説明されていたし、気になっていたキーワードとなっていた。そんな中、(僕にとってはあの)中竹竜二氏が監訳されていたこともあって、気になって調達したのだけれど時間に追われて読めない状態となっていたが本当に読んでよかったと思う。多くの方に読んでいただきたい。
本書が示すアンラーンには、3つのステップがある。原書では、Unlearning = unlearn + relearn + breakthrough と書かれているところを、本邦訳では、 アンラーン=脱学習+再学習+ブレイクスルー とした。
いきなり引用抜粋だが、ここの概念が非常にわかりやすく、腹落ちした。人は成功体験を手放せないからブレイクスルーへ至れない、と。先行きの見えない不確実な時代に、その変化を受け入れ、楽しみ、と東海支店のビジョンにも盛り込んだ。Try&Manabi大量に試してうまくいったものを残そう 失敗恐れず高速チャレンジ 変化を受け入れ自ら成長、と行動指針にも盛り込んだ。会社の理念信条を検討する際にも、大きく考え小さく始める、失敗を繰り返してブレイクスルーへ導く、まずやってみよう、自ら始める、というキーワードも盛り込んだ。 そうだ今年度の部門のキーワードは「守破離」の『離』だ、これもアンラーンとのご縁を感じる。
ちょうど輪読会で「行動を変えるデザイン」を読んでおり、B・J・フォッグによる行動変容デザインについて事前に学んでいたことも本書への理解を深める土台となっていた。ありがたい。
中竹さんの解説動画に 「思い入れの強い方」 というキーワードもあったが、僕もこの本には相当思い入れが強くなった。
思い入れが強くなってしまったので、引用抜粋が多くなってしまったのでコメントをつけると、さらに長くなるのでコメントなしでの投稿としたい。 ざっと読んでいただくだけでも良書であることが伝わると思う。
===============
監訳者まえがき より
日本のビジネス界においても、この「アンラーン」という言葉の出現頻度は高まっている。ただし、概念としては広がりつつあるものの、多くの人にとってはまだ、つかめるようでつかめない、とても抽象度の高い概念であることは確かだ。
本書は、このモヤモヤを一気に晴らしてくれる。アンラーンの威力から始まり、必要性、心構えや方法論、構造について、馴染みのある組織や個人の事例とともに丁寧に説明してくれている。
本書が示すアンラーンには、3つのステップがある。原書では、Unlearning = unlearn + relearn + breakthrough と書かれているところを、本邦訳では、 アンラーン=脱学習+再学習+ブレイクスルー とした。
Unlearning を本書のテーマである広義のアンラーンとして据え置き、unlearn はそれを実現するための一つのステップ、狭義のアンラーンとして「脱学習」と表した。このステップ1は、これまで培ってきた成功体験や信念、慣れ親しんだ習慣を捨て去ること。ステップ2では己をスポンジ状態にして再学習し、ステップ3では新たな学びを実践に変え、突破口を開いて飛び立つこと。これら3つのステップを繰り返し回していくことが「アンラーンのサイクル」だ。
P5
アンラーンとは、かつては役立ったが、今は成功を阻害するようになった考え方や行動を手放し、新しい考えや行動に改めるプロセスのことだ。これまでに得た知識や経験を忘れたり、捨て去ったりすることではない。時代遅れになった情報や行動を意識的に棄却し、効果のある意思決定や行動をするための新しい情報を取り入れるのだ。
P29
<アンラーンのサイクル> の最初のステップでは、自分自身の信念や考え方や行動が、自分の可能性と現在のパフォーマンスを制限していることを、そして意識的にそこから離れるべきだと認める勇気、自己認識、謙虚さが必要だ。それによって、新しいアプローチに心を開き、行動できるようになる。身の回りの環境に常に適応し働きかける力、個人として成長する力を解き放つ鍵は、あなた自身から始まる。自分が何を成し遂げたいか、それを数値化し、説明できるようにすることで、自分の望む状態に向かって動き始め、並外れた成果を達成することができる。
P35
たいがいの人は、大きな結果を出すためには、大きく始め、思い切り高いレベルでやり、大きく賭けるしかないと思い込んでいる。しかし、それは間違いだ。そうではなく、高い目標を掲げながら、小さな一歩から始めることが重要なのだ。異なる可能性を手当たり次第に試してみよう。大博打に出るのではなく、小さな賭けをたくさんして、自分にとっていちばんインパクトのある突破口を探そう。
P51
アンラーンは、すでに知っている確かなものを手放し、心を開いて不確かなものを受け入れるという、自分の弱さを認める行為だ。成長し、影響力を持つためには、自分が知っていることは十分ではなく、新しい情報や考え方、行動が必要であると認めることが必要なのだ。
P88
失うことによって小さな勝利を受け入れるところに、本当の成功がある。大きく考え、しかし小さな歩みから始めることで、望むことや求める結果を達成するために、失敗しても大丈夫な状況をつくり出し、新しいやり方や行動を安全に試す。そして再学習するのだ。失敗しても大丈夫な実験をすることは、不確実性を受け入れて進歩し、前進するためには最良の方法だ。
P127
これまで見てきたように、<アンラーンのサイクル>の3つのステップは、それぞれ行動のために必要な一連の特定条件に分解できる。ブレークスルーの場合、必要な条件は4つある。すなわち、①内省すること、②フィードフォワードすること(未来に向けて建設的な態度をとること)、③ブレークスルーを見積もること、④脱学習の程度を増すことだ。
P132
ほとんどの組織では、人はただ忙しいというだけで立ち往生してしまう。どれほど忙しいか、いくつタスクを完了したかだけを尺度に評価される―忙しく働くほど、より多く貢献している、あるいはそう思われる。だが、それよりも何を達成しようとしているのか、「目標に向けて、もっとも努力せずに、もっとも大きな影響を与えられる方法は何だろう?」と自問するほうがはるかに良い。仕事の方法を最適にしようとしすぎると、計画や実施することだけで立ち往生してしまい、結果を「内省」することができなくなる。
P200
身構えずに、顧客から直接フィードバックを受け取ることにオープンであり、そうしたフィードバックに対して素早く、優れた答えを返す。その見返りに手に入れるのは、自社の製品やサービスがいかに受け入れられているかについての、フィルターや編集を経ない本音の生情報だ。そうした情報を<アンラーンのサイクル>にインプットすることで、彼らは過去の成功体験を手放し、並外れた成果を出すことができる。
P224
・組織が自己満足したり、知的なおごりを持つことがないように、常に学習システムに刺激を与えること。システム障害をシミュレーションしたり、演習(生存不安をあおる)を行ったりと、あらかじめデザインされた安全な手段で、障害が発生するとどんなことが起きるかを、思い起こす機会を持たせる。
・やがて、組織では新しいシステムが広く受け入れられ、組織も、そこで働く人々も、何を学ばなければならないか、何を脱学習しなければならないかを理解し始める。
P241
これまでとは違った行動規範を身につけるような革新を起こすためには、それを培養するためのシャーレも必要だ。安全で守られた場所がなければ、古いスキルを脱学習し、新しいスキルを再学習することはできない。心理的にも物理的にも、経済面まで含めて、多くのレベルで安全性が確保されていなければならない。実験を行い、新しいスキルや能力や考え方をテストして開発するための砂場が必要なのだ。取り返しのつかないダメージを受けることなく、ミスを犯しても修復できる環境をつくらなければならない。
P242
トヨタ生産方式の生みの親である大野耐一は「さまざまな思い込みを日々破壊していかなければ、必ず失敗する」という名言を残している。トヨタが成功するためには、従業員が日々脱学習し、過去を手放し、新たに革新的で強力な改善を求めなければならないということが、大野にはわかっていた。未来を築くには、変化し続ける世界に合わせて、脱学習して適応し、新しい方法を学ばなければならないことをトヨタは知っている。
B・J・フォッグの「小さな習慣」が教えるように、新たな行動を始めることは、思ったほど複雑なことではない。さらに言えば、それはシステムなのだ。脱学習がさらなる脱学習につながり、組織全体に波及効果とネットワーク効果をもたらし、浸透する。
P308
中国の思想家である老子が言ったように、「学問を修めるには日々知識を増やさなければならない。道を修めるには、日々削ぎ落としていかねばならない」。1500年前と同様、これは今でも真実だ。
P308
脱学習は言葉から始めるのではない。行動から始まるものなのだ。大きく考え、望む結果に向けて小さな一歩を踏み出すのだ。それはまた、まずは自分が脱学習を始め、チームや組織のメンバーが行動を変えるための手本を示すということだ。(中略)
脱学習することは、過去には効果があったが今では成功を阻むようになった考え方や、身につけた行動を手放し、再構成し、そこから離れるプロセスだということを忘れないでほしい。知識や経験を忘れたり、捨てたりすることではない。脱学習とは、古くて役に立たなくなった情報を手放し、新しい情報を積極的に取り入れて、効果的な意思決定と行動を起こすという、きわめて意識的な行為なのだ。
=============== -
Posted by ブクログ
自分を客観視する力が弱いと感じていて
自己分析で検索して見つけた本
自己認識という概念自体、本作で初めての出会いで読めば読むほど耳が痛いことがたくさん書いてあり、求めていたのはこれだと確信を得た。
またこの実践においては正直、信頼のおける他者を必要とすることや継続が必須であることから自信がないが、本気で自分を変えたいのであれば、行動に移すためのヒントは十分な本である。一度で頭に入らないので繰り返し読むこととしたい。
全てにおいて事例が付いているので、ページ数も多く(巻末の原注が50ページくらいもある)なかなか読み進めるのには時間がかかるが、序盤で各章の要約が記載されているので、一章ごとにそれに沿って自分の中でまとめると頭が混乱しない。また、紹介される事例自体が面白く感じられる人には向いていると思う。
全体的に長いので、要するに何をすればいいかを端的に知りたい人にはお勧めしない。何か行動を起こすにあたって、疑問があると躓く人や十分納得感を得た上で実践に移りたいタイプに向くものと感じた。ただ納得感は行動ありきで感じるものであるので、行動した後に読み返す作業が必要なようにも思う。
ひとまず読み切ったことで達成感を得てしまわないよう、自分を律しつつ七日間チャレンジに着手したい。 -
Posted by ブクログ
1.フォロワーシップについて自分なりに答えを見つけ出し、スタイルを確立しようと思っている中で本書に出会いました。
2.リーダーシップと反対の概念となるフォローワーシップを唱えてきた著者が書き上げた待望の1冊です。
今まではカリスマ的なトップがいて、そこからトップダウンの指示が下ることで組織を統率していましたが、現代ではそれが崩れ始めています。大切なのはフォロワーを育て、組織全体を成長させていていくことです。本書では著者自身が経験してきたことをフォロワーシップの概念に落とし込み、実践するための方法論を述べております。
3.読みながら「なぜ強力なリーダーシップが衰退し始めたのだろう」と疑問に思いました。フォロワーとしてはリーダーについていく方が楽ですし、気に入られるのでマイナスなことは何もないはず。そんなことを思いながら読んでいましたが、1つの答えが出ました。
それは「リーダーの答えが絶対的な正解ではなくなった」ことです。今までは明確な答えがあり、それにめがけていけば自ずと出世と昇給が約束されていた時代です。しかし、現代では「出したものの反応を見て正解を作っていく時代」です。つまり、自分が出した答えは自分で検証してくしかありません。そのため、リーダーの間違いが浮き彫りになりやすくなったと思います。
だからこそ、フォロワーは不安を抱え、成長したいという欲求が高まり、カリスマ的リーダーについていくという思いが薄まったのだと思いました。 -
購入済み
チームのあり方
メンバーからのフォロワーシップについての本はなかなかなかったので読みました。
チームの中でリーダーとメンバーのかかわりがわかり易く書いてありました。
自分の職場でも、相手の考えを受け入れ、考えてもらうことを試します。
ありがとうございました。 -
Posted by ブクログ
自分がずっと目指していた指導スタイルはこれだと心から思った。
著書も書かれていた、「短所こそ光を」という言葉はまさに納得で、短所を克服するには長所を伸ばすよりも3倍かかるとも言われており、得意を生かす方がよっぽど効果的。
よく、〇〇なリーダー像を目指しているとか、〇〇という人になりたいという言葉を聞くけれど、その多くは周りに作られた〇〇像でしかなく、作られた〇〇像を目指していても自分とは全くあっていないことが多い。
それよりも、自分らしさを分析して、長所・短所両方とも受け入れ、それらを生かした〇〇像を作っていくことが大切だと感じた。
つまり、べき思考を抜いて自分らしさを構築していく作業が大切なのだ。
また、本書で一番伝えたかったであろう、考えるフォロワーを作るということは、なかなか結果が出ないかもしれない。カリスマ的リーダーシップをもった人が上位下達式に物事を決めていけば短期的には結果が出るかもしれないけれど、世代交代を考えたり、長期的に自分たちで考えられる組織、チームを作らなければ長期的には成長はない。
そのためにも、一人一人が考える経験。特に失敗する体験を積ませてあげられなければ、組織全体での成長は見られないのだ。
昨今、ミスを指摘されて萎縮する人が多いが、その原因は上司が事細かくミスを指摘したりマウントを取ったりするせいな気がしている。もっと寛大に接してあげてほしい。失敗する経験を奪わないであげてほしいなと思った。
最後に、大切な考えとして
組織は意義を持って集まった2人以上の集団と定義されていたが、
この意義が本当に大切だと思った。
チームの目的を考えることの重要性を改めて感じた。 -
Posted by ブクログ
「なぜ」ではなく「何」。
ビジネスの世界で物事を掘り下げる時は、「なぜ」を繰り返しますが、人、特に自分を掘り下げる時は、「何」を追求すべしと著者は語る。
自分の人生や仕事を豊かに実りあるものにする為には、自己認識力が大切。
自己認識力とは、自分自身を理解する力と外の視点から自分を理解する事。
多くの場合、外の視点が、欠けていたり弱かったりして独りよがりの自己認識をされているケースが多い。著者はその様々な事例を用意し、本書で説いている。
自己認識とは、自分自身と他人からどう見られているかを理解しようとする意志とスキルの事。
これが出来る人は7つの柱を持っていると著者は語る。
その7つの柱を理解し、自分を正しく知る事で、仕事と人生を変え、豊かなものにしていきたいと思いました。
自分を振り返るきっかけを与えてくれた良質な一冊でした。