岡田淳のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子どもの頃に読んでいたら、もっと評価は高かったと思う。大人になってから読むと、先が読めてしまう…。
岡田淳の「選ばなかった冒険」と大筋は同じで、異世界に引き込まれた子どもが冒険を通して成長する物語である。本書も面白かったけど、私には「選ばなかった冒険」の方が印象に残った。
※以下「選ばなかった冒険」のネタバレを若干含む
「選ばなかった冒険」では主人公が男女2人いて、どちらの心情も描かれている。脇役も、取るに足らない存在であることに劣等感を持っていたり、現状を何とかしたいと努力をしていたりする。また、主人公自身も実は作中ゲームの中で「脇役」の1人だったりする。
視点が固定されておらず、色々 -
Posted by ブクログ
ネタバレ岡田さんの本で、一番タイトルが気になっていた本。
相変わらず無駄のない文で、話がさくさく進む。
ゆうきが女の子だというところ、すごくいい仕掛けだと思った。
岡田さんの他の本と違って、関西弁が全開だ、と驚いたけど、ジェラルド登場で納得。名乗りのシーンで本当に笑ってしまった。そしてトイレのスリッパでまた笑った。
高学年になるにつれて、変化していく子供の心を本人たちがうまく飲み込んでいく様子に優しい気持ちになれる。
劇団の人だった、胡椒のビンという仕組みも面白い。
ラスト、大人になってからの話は蛇足な気もする。私が大人だからそう感じるのかもしれないけど。 -
Posted by ブクログ
去年からハマっている、岡田さんの本。
その中でも人気が高いらしい本書をワクワクしながら読んだ。
一編ごとには無関係な小学校の1日をテーマにした短編集。
時間が下がるに連れて、登場人物の学年も上がり、最後はベテランの女性教師ともっと年上の警備員さんまで登場する。
学校は子供たちと先生だけではない。給食のおばさんもいれば、警備員さんもいる。
学校のなかでも、教室以外に、運動場の人気のない百葉箱とか、階段(岡田さん、階段好きだなー)、理科室、いろんな場所が存在する。
学校ってこんな場所だ、というのが満遍なく描かれていて、どんな人が読んでもどこかに自分の居場所を感じられるような巧い作品だった。
読ん -
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ネタバレたいていの小学校には魔女や魔法使いがいるらしい。・・・とは、ぼくがある魔女に聞いた話だ。
これは20年以上前、ぼくが小学生だった時に出会った魔女に聞いた、魔女と魔法使いの6つの話だ。
小学五年生の1学期、ぼくは魔女に出会った。忘れ物を取りに帰って、一人急いで図工室に向かっている時だ。つばが広くて先が尖った黒い帽子、黒っぽい服、真っ赤な口紅、青いアイシャドウ・・・のどう見ても魔女の格好をしている年配の人が、両手のひらをぼくに見せるようにしてうなずいた。
「わかっている。あんたはいそいでる。でもいそがなくてもだいじょうぶ。わたしといっしょにいる間、[学校の時間]はとまっているから。」
しゃべるク -
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ネタバレ信じてなかった子がだんだん本当って分かってくるのが面白かった。
騎士の自己紹介がスゲえ面白いんだよ。
これさ、読んでると僕の近くにもいるんじゃないかって考えちゃって、ちょっとこわい。S10
Sが「こそあどの森」を読破したのに気をよくして、岡田淳パンデミック。
この長さならMに読み聞かせてもよいかも。
家族で語れる本になりそう。
保育園から一緒に育った優樹といつの間にか話すこともなくなったある日、バッタリ出会ったことで学校に二人で忍び込むことになる。そんな教室で二人がであったのはドラゴンと戦う騎士だった。
竜に騎士ときたらどこかに旅立つのでは、と思っていたら全くちがってビックリ。
でも、私 -
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Posted by ブクログ
クラスがだんだんまとまっていく過程が面白かった。
「びりになる」と言っても、テストを白紙のままで出すのではなく、
だんだん点数が上がっていく方法を考えられたのが凄い。
テスト中は、答えではなく問題の解き方を教える。
勉強が苦手な子には、授業中や休み時間に教えてあげる。
子供同士の会話なら声に出せばいいものを
びりっかすさんも会話に入れるように心の声で話す。
ちゃんと良い方を選択できる“賢い”子たちです。
順位じゃない、頑張ることが大切。
私の場合、言い訳や自分への甘えとしてこの言葉を使ってしまいがちだったことに気付いて
ハッとさせられました…。 -
Posted by ブクログ
小学生の頃大好きだった岡田淳先生の小説。
俺は普段作家のことを先生付けで呼ぶことはないけど、岡田淳先生だけは別。ってのも、岡田淳先生は、西宮市の小学校で図工の教員をやっているのだ。岡田淳先生の本を読み漁っていた小学低学年の俺は、母親を利用して実際に岡田淳先生に会いサインをもらうなどしていた(自慢)。
でまぁ、この『選ばなかった冒険』ですよ。
ひさしぶりに読んだけど、面白い。
小学六年生のあかりと学は、ひょんなことから異世界へと入り込んでしまう。そこは、RPGを模したゲームの世界だった。
小学校の廊下がそのままRPG(おそらくウィザードリィをモチーフにしている)のダンジョンになり、銃を持っ