杉山登志郎のレビュー一覧
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著者の杉山登志郎氏は発達障碍者を幼少期から成人期まで長期間診てきた人で、データが豊富なので、他の発達障碍関係の本とは説得力が違います。よく一緒にされる精神遅滞と自閉症を合併している知的障碍、高機能自閉症とADHDの違いを解説しています。「第4章 自閉症という文化」「第5章 アスペルガー問題」は、自分では言葉で表現出来なかった自閉症の特性が解説されていて、目から鱗が落ちましたし、自閉症者の心情を代弁して下さっているように感じられて、とても感銘を受けました。自閉症者は一人一人症状は違いますが、このような世界に住んでいるんです。「専門家による治療より、家庭での教育が大切」「特別支援教育の重要性」「
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購入済み
わかりやすかった
杉山登志郎先生の本は、どの本も一般の人に理解しやすいように、平易な言葉でわかりやすく書かれた本ばかりです。発達障害を持つ方やご家族はじめ、支援をされている方など関わる全ての人への優しさや、実際に起きている問題(この本に関しては特に子どもへの虐待)を社会へ広く伝えたいという想いが伝わってきます。親は深く考えずに子供に関わってしまう部分がありますが、幼い頃の親の関わり方は子供の一生に関わるほど大切なのだと、この本を読んで改めて学びました。親の暴力や心理的虐待で、子供は人生のどのステージのどの場面でも、様々な問題を抱えて生きづらくなってしまいます。
どんな立場の人でも絶対に学びがある一冊です。 -
Posted by ブクログ
易変性 適応障害 愛着行動 定位行動 信号行動 接近行動 飛行場現象 離散的行動モデル 依存抑うつ 転換ヒステリー 自動化現象 水密区画化 過覚醒 蟄居(ちっ居)既往 自我状態 病理 ポリサージャリー 代償機能 世代間連鎖
子ども虐待の通告件数は年々増加している。……今はもっと多い。
「子どもや弱者を保護するための文化装置が働かなくなってきていることを、象徴的に表している」p12
p26「乳幼児は瞬間を生きている」
愛着の中核は官能的な記憶にあるp27
人が持つ様々な感情は、愛着抜きでは成立しない。p28
パースペクティブ(空間的、時間的、対人的な視点の移動を行うこと)……この機能の -
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Posted by ブクログ
ネタバレ「子育てに大切なことをわかりやすく普通の読者に伝えるにはどうしたらいいのか」、すべてを対話式にして物語と展開している著者の工夫に感激。面白いし、また読みたい。
■メモ:
・生物学的に適した妊娠出産年齢と、安定した子育てができる時期が一致しない。ヒトとしての生物的には、高校生くらいに産むのがベスト。しかし、育児に専念できる安定した環境がないたとだめ。
・男性も女性も高齢妊娠・出産のリスクを意識すること。
・愛着形成期である3歳くらいまでは、子どもに振り回される大人の存在が欠かせない。
・子育てに重要なキーワードは「安心」。妊娠中から母親が安心していること、出産授乳期を通して安心して赤ちゃ -
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優先生推薦
いい本だった。
いろんな育児書があるが、「で、何をしたらいいの?しない方がいいの?」が対話式で知れる。乳幼児期から学童期まで書かれているので、極論もあるが、幅広い子どもたちの教育に対応している。
・子どもが3歳になるまでは夫婦共に労働時間を減らす
・睡眠は大切
睡眠不足はイライラのもとで、安心とは真逆
お父さんも含めて家族みんなで早寝親起きを
・社会全体が経済成長優先ではなく、子育て優先と言うコンセンサスを作ると良い
・体罰は脳の萎縮につながる
・トークン・エコノミー◎(褒め伸ばし、良いことをしたらシールなど。減点はなし)
・これからの学校は全体主義ではなく、個 -
Posted by ブクログ
杉山先生が臨床を長くやられている中で感じていたこと、願っていること、伝えたいことなど様々なメッセージが盛り込まれている本です。
一人の子育てをする母としては、
・3歳までは子供に振り回される(=子供中心の)生活を続けようと決意しました。
・規則正しい生活、特に早寝早起きはまず大人がやらないとな…私が早起きをしよう…
・情報制限もやはり大事なこと。youtube、テレビとの付き合い方はしばらくは大人がイニシアチブを取り、ルールを守らせていこう。
…あたりを肝に命じました。
子供を見守る社会人としては、不適切な養育が子に及ぼす影響を改めて感じ、里親などの社会的養護が整っていない現状をみると苦しく -
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とにかく物凄い情報量で、読むのが大変でした。
ですが、それほど読む価値があるということ。
しっかりと理解しておきたい話が多かったのでじっくりと読みました。
発達障害に関しては研修も受けて自分なりに学んでいるつもりだったのですが、この本で語られる生の発達障害者の姿、事例、処置は、本当に貴重で、自分の理解の足りなかったこともスッキリとわかった。
発達障害と児童虐待の関わりは盲点でした。
たしかに虐待された子どもは、脳が萎縮すると聞いたことがありましたが、自閉症やADHDと似た症状が出るとは。
この本では被虐待児についても、事例を交えて詳しく語られています。
自閉症の話が個人的に興味深い。
感 -
Posted by ブクログ
ネタバレ発達障害=発達凸凹+適応障害と言われているが、注意していると周りにも非常に多くの発達凸凹の人がいることに気づき、最近興味を惹かれ読むことになった。かく言う僕自身もかなりの発達凸凹があると自覚してはいたが、本を読むうちに自分のこともより理解できるようになった。
発達凸凹は一般の人との感覚とは少しずれていることが多いが、そのずれは悪い点だけではなく良い点もかなりある。自分の凸凹を知ることで、周りとの関係性を築いていく中でのトラブルを減らすことができる。
自分は普通で他の人と同じだと思っていては衝突することが多く、そう言う意味では発達凸凹のあるなしに関わらず、自分のことを知って相手との違いを理解する -
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