杉山登志郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
筆者は小児科医として、脳科学など科学的な見地から発達障がいがある子どもたちへの対応の仕方が詳細に記述されている。
「発達障害とは、子どもの発達の途上において、なんらかの理由により、発達の特定の領域に、社会的な適応上の問題を引き起こす可能性がある凹凸を生じたもの」とし、
自閉症、ADHD、アスペルガー症候群などそれぞれの認知の特徴に応じた働きかけの仕方によって、社会的な適応を向上させることができるとしている。
最悪の対応は「放置」であるとし、どのような療育、教育の選択肢があり、乳幼児から就業者、成人となるまでのスパンで解説されており、子どもの幸せで健康的な生き方のひとつの可能性として、教師や -
Posted by ブクログ
ネタバレ幼児期に保護者から度重なる虐待を受けた場合、子どもの脳に影響が出ると聞いていた。なぜ、どのような影響が出るのか、また、その影響を軽減する、もしくは再生するにはどうしたらよいのかを知りたくて読んだ。
臨床医が書いただけあって説得力がある。事例とデータとで説明もわかりやすい。なるほど、あれはそういう意味だったのかと何度頷いたか知れない。
大人も子供も「自己実現」が中心になったがために、もっとも支援を必要としている幼子が邪魔になる世の中になった、との筆者の指摘には深く納得する。
幼児虐待の負債は計り知れない。
一刻も早く、手を打たねばなるまい。 -
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Posted by ブクログ
前著も目から鱗だったが、本書も本当に知っておくべきことが学べた、という衝撃をもって読み終えた。読むのと読まないのとでは、全く人を見る目が変わってしまう著書だ。今後の精神医学にとって、トラウマと発達障害の扱いがメインテーマという著者の主張に深く首肯した。日本の転換期を作る本だ。
・胎盤の重さに関係が認められるのは、母親の年齢ではなく、父親の年齢。
・男性脳と女性脳の明確な違い。自閉症率の違いが。
・自閉症スペクトラム同士の結婚と自閉症スペクトラムと元被虐待児の結婚例が多い。
・虐待的絆。いくら忌避される記憶でも、子どもたちにはそれこそ生きる基盤になっている。
・虐待の脳への影響は、発達障害より -
Posted by ブクログ
「0歳から3歳くらいまでは子ども主体で子育てする大人が必要」だから「子育て中の両親はともに働く時間を減らす」ことが望ましいと読んで、今のところ、私は腑に落ちている。
在宅勤務の私には、仕事モードと子育てモードの切り替えが難しい。そもそもいつからか、モード選択画面で自分優先ダラダラモードが利用不可になっていた。これじゃあ壊れるよね。
働く時間を減らすことで、両親には自分のための時間ができるかもしれない。しかし現実的には、保育園に預けられる時間も短くなるわけだから、子育ての負荷が増えるだけかも、という点が悩ましい。
ただ、働く時間を減らすことについて、私の場合、子どものためにキャリアを諦めた