矢野真千子のレビュー一覧

  • あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた

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    健康と美容に興味がある人は必読の1冊。
    健康と美容については、本によって書いてあることがバラバラなことが多く、混乱していた。けれど、この本は人間の根本的なことに追求しているので、迷うことなく、面白く読めた。

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    2021年05月26日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    皆川博子さんの「開かせていただき光栄です」のダニエル先生のモデルとなった、18世紀イギリスの解剖医ジョン・ハンターの生涯。
    伝記を久々に読みましたがとても面白かったです。
    ハンター先生、かなり破天荒ですが、伝統や慣習にとらわれない柔軟な考え方と、観察や実験をして培った知識で、時代の先をゆく説を立てていたの凄い。
    瀉血と嘔吐、下剤の時代に、ちゃんと治療してたというのも。この時代の作品を読んでいるときにいつも、「なんで瀉血なんてしてるんだろ?」と長年疑問だったのですが、その理由が解りました。しかしギリシャ時代からこれとは……。
    近代外科学への功績がとてつもないですし、ダーウィンより70年も前に進化

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    2021年02月01日
  • 感染地図 歴史を変えた未知の病原体

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    コレラの感染源を突き止め、科学的データとしてまとめた感染地図。
    コレラが1845年に大流行するまでの、ロンドンの都市として成長した理由、当時の下水システムや底辺層の暮らしぶり、菌の側からの生存戦略や遺伝的システムまで、ミクロにもマクロにも取り上げていて、ブロードストリートの悲劇が起きたのが都市成長した末に必然的で、社会学的生物学的背景から、そして人類の発見の端緒に繋がったことが、とてもよくわかり、そしてスノーが何を考え、どのような根拠に基づいて感染源を突き止めていくか、感心しながら面白く、犯人を追い詰めるドキュメンタリーとしてあっという間に読めた。信仰の強さと感染は別物だと信じる。瘴気説。居住

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    2020年10月20日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    「科学的外科の創始者」ジョン・ハンターの伝記。
    とても史実とは思えないような面白さ。伝記の域を越えて面白い。

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    2020年09月14日
  • 感染地図 歴史を変えた未知の病原体

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    150年前にロンドンの一画で起きたコレラ感染について、具体的な事実を追い、原因を突き止めた二人の人間のドキュメンタリー。少数の人間であっても、地道で真摯な行動によって多くの人間を救いうることを示してくれた。当たり前のように生活している都市基盤も、こういう地道で大胆な積み重ねによって成り立ってるのだと知れた。

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    2020年08月02日
  • 感染地図 歴史を変えた未知の病原体

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    これは面白い!
    疫学、科学、社会学、歴史学、どこにカテゴライズすればいいのかわからないけど、知的好奇心を掻き立てられるというのはこういうことか!と思う。
    面白い!!

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    2020年07月13日
  • 感染地図 歴史を変えた未知の病原体

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    新型肺炎のニュースが世間を騒がせているもののこれを読むと、新型肺炎は予防策も分かるし、現代日本は医学や公衆衛生もしっかりしてるから、まだましだと思えてくる……。1850年代のロンドンはなかなかの魔境でした……

    汚い話になりますが、当時のロンドンは水洗トイレが設置され始めていたそうですが、それは特に下水処理されることもなく、排水されていたそう。その水の行き着く先には汚泥のような汚水溜めが……そして本の中でも散々言及されますが、当時のロンドンの川や下水管からの悪臭もひどかったそうです。最初の記述だけで、今の日本に生まれて良かったと心底思います。

    そんな衛生状況の中、ロンドンの都市のある一画で起

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    2020年02月18日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

    購入済み

    2SD超えたところの才能

    徹底的な人物について、呆れ、驚き、感動したいならこの一冊。圧巻!
    どの時代にも「こいつは本物だ!」という人物はいて、その本物感はほとんど常軌を逸していると感じさせるもので、その人の立つ地平線自体、スケール感がちがっていて、自分の卑小さをいや増して感じるために、ずっと追い続けるか、目を背け背中を向けて生きるしかない感覚に襲われてしまいます。
    有能なジャーナリスト(作者)に取材の対象として選ばれ、丹念にこれまた膨大な量の一次資料を辿られ、18世紀に生きた外科医(とは簡単に括れませんが)の生き様が吐く息を感じられる濃度で筆写されています。当時のイギリスの世相ならびに常識、医療水準がとてもよく伝わって

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    2019年07月10日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    ネタバレ

    先日読んだ「こわいもの知らずの病理学講義」で紹介されてたので読んでみたところ、とんでもなく面白い。
    そもそもこんな人がいたのかと驚いた。奇人ではあるが、今の視点から科学的立場としては全く当たり前のことを行っているのだが、当時の常識からは外れていたのだろう。死体の調達や強引な標本採取は現代でも受け入れられないが。

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    2019年05月12日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    【奇人,危人,偉人】実験的な手法を用いて外科を科学の分野に押し上げた男,ジョン・ハンターの生涯を描いた作品。奇人でもあり偉人でもあった近代人の物語です。著者は,本書を通してジョン・ハンターの功績を正しく評価することに成功したともされるムーア・ウェンディ。訳者は,翻訳を通してジョン・ハンターと彼が過ごしたロンドンに更に惹かれたと語る矢野真千子。原題は,『The Knife Man: The Extraordinary Life and Times of John Hunter, Father of Modern Surgery』。

    わずか数百年前の外科手術が現在では考えられないものであったこと

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    2018年09月05日
  • 子どもができて考えた、ワクチンと命のこと。

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    「日本はワクチン後進国」だと医師からはよく聞く。世界から30年近く遅れているという医師もいるほどだ。
    最近「麻疹」の流行がニュースになったことも記憶に新しい。これは2度受けるべき予防接種を、ある年代は1度しか受けていないために免疫が弱いためだとも言われている。
    この書によれば、ワクチン接種に対しては世界的にインテリ層を中心に嫌悪感が強いという。生ワクチンを接種することのリスクと副作用を心配してとのことだが、そんなことを言うならば生薬由来の薬にもリストの副作用はあるのだから服用しないということになってしまう。これはあまりにも理不尽だ。
    海外では混合ワクチンが当たり前だし、ショッピングセンターのド

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    2018年05月09日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    生まれる時代を間違えた感がすごいジョン・ハンター
    でもこの時代に生まれて、その後ハンター流を教え込まれた弟子たちがあちこちで活躍してくれたからこそ今の医学がある。すごい人がいたものだ。

    ハンターがチェルデンに出会わず、柔軟な考えを教えられていなければどう変わっていたんだろう
    それにもしハンターにもっと書く能力があったらもっと早くに名前が広まっていたのかな?

    ヤン・ファン・リムダイクの絵もすごい。
    彼はどうなってしまったんだろう・・

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    2021年12月30日
  • 感染地図 歴史を変えた未知の病原体

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    ネタバレ

    ミステリかSFと思って題名買いしたら、19世紀ロンドンのコレラ感染を描いたノンフィクションだった。
    物語的にも読ませるし、「沈黙の春」のように授業の教材にも良い本じゃないかな

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    2018年02月03日
  • 感染地図 歴史を変えた未知の病原体

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    出ました!2018年初の星5コ本!コレラ感染がまだ解明されていなかったヴィクトリア時代、一晩やら数日やらでバタバタと家族や通りの人々が死んでいく恐怖。何が媒体となっているのかわからない見えない敵に、1人の男が立ち向かう。…いやもうこれだけで映画に出来る!ではありませんか。ロンドンの地図に、感染した死者の数を書き込んでいく図が思い浮かびます。

    歴史資料や医療知識科学知識、現代のビッグデータとの比較など、著者が読み込み分析した科学としてのデータの膨大さもさることながら、物語として充分にダイナミックでスリリング。
    感染症、都市化、温暖化、テロなどにも言及。
    でも、悲観じゃない。
    いやー面白かった。

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    2018年01月11日
  • 植物はそこまで知っている 感覚に満ちた世界に生きる植物たち

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    広義的な意味で言えば、植物は、見る、嗅ぐ、接触を感じる、重力を感じる、憶えている。しかし、巷間言われる「聞く」ことはない。というのが、今の科学的知見。

    専門的な用語も交えているので、安易な啓蒙本とは一線を画するが、その分、一つ一つのトピック、エビデンスの取り上げ方が興味深かった。構成も見事である。

    ・植物は動物よりも、遺伝子が複雑。
    ・植物は色の違いを区別している。青い光りで屈曲する方向を知り、赤い光りで夜の長さを測っている。
    ・開花時期を調節するにはたった一枚の葉に照射するだけでその植物全体に影響が及ぶことが分かる。
    ・鼻の中にある受容体は、脳の辺緑系に直結している。この辺緑系は進化的に

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    2017年06月15日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    貧乏人からは金を取らず、金持ちからはふんだくる。類希なる手術の腕を持つ男でありながらうさん臭さもある、こう書くとまるでブラックジャックだが、愛嬌があり弟子には慕われ、しかし怒りっぽいとかなり人間臭い人でもある。

    1748年二十歳のジョン・ハンターは2ヶ月ほど大工仕事をし手先が器用ですぐに玄人並みの腕を身につけたが仕事場がつぶれたのをきっかけに既に医者として成功している10才年上の兄ウィリアムを頼りロンドンに出てくることにした。ちょうどウィリアムも開設したばかりの解剖教室が好評で信頼できる助手を必要としていた。初めてメスを握ったジョンだったが兄の指示に従い死体の解剖を兄が期待する以上の水準で発

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    2014年01月18日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    すごい人がいたもんだ
    ドリトル先生好きだったのに、見方変わっちゃうじゃないか~
    近所にはいてほしくないなあ

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    2013年09月07日
  • バイオパンク ―DIY科学者たちのDNAハック!

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    ネタバレ

    ガレージが生んだITイノベーションに倣い、バイオをラボで行うものではなくDIYできるものに変えようとしている科学者たちの物語。

    上記のストーリーだけでなく、これまでのバイオを作ってきたメンデルの実験、DNA二重らせんの発見やコーエンボイヤー特許とGenentec、クレーグベンダー、23&Meに関する話など、遺伝子工学や合成生物学、バイオインフォ、スタートアップいずれかに興味のある人なら誰でも面白いと思うはず。

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    2012年06月18日
  • バイオパンク ―DIY科学者たちのDNAハック!

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    かつてスティーブ・ジョブズは「文系と理系の交差点に建てる人にこそ大きな価値がある」という話を聞いて、その道を志すことを決心したそうだ。すなわち人文科学と自然科学の交差するところに、自身の活路を見出したということである。

    その感覚の正しさは、現在の世の中の趨勢を見れば火を見るより明らかなのだが、スティーブ・ジョブズが決心したのは、もう何十年も前のことである。以降、新しい交差点はいくつも出来て、中には消えていったものもある。

    本書で紹介されている内容は、その新しく出来た交差点の中でも最もホットな領域にあたるのではないかと思う。それが生命科学と情報科学の交差点である。発端は2003年のヒトゲノム

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    2012年03月03日
  • 大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件: なぜ美しい羽は狙われたのか (DOJIN文庫22)

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    評判になっただけあって面白かったです。毛針自作界隈という何それ? って趣味ジャンルと人類の自然愛好史との関係から始まり、半分くらいで事件解決しちゃったけど? と思っていたらさらなる深層に話が向かっていくというゴージャスなルポルタージュでした。
    最終的に犯人への同情心は一切わかず、マニア・・・最悪・・・! みたいな気持ちになれるのでいいですね。古墳を発掘するときの話や絵画の修復の話など数百年スパンで未来の人類を信じる話を以前見聞きしていたのでなお最悪でした。人のふり見て我が振り直せで身を正して生きないといけない。

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    2025年11月28日