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「本の雑誌が選ぶ2019年度ベスト10」第2位選出をはじめ、
各紙誌で絶賛された犯罪ルポルタージュの傑作、待望の文庫化!
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死んだ鳥を大量に盗む?
いったいぜんたい、だれがそんなことを?
2009年6月。
ロスチャイルド家がヴィクトリア時代に創設した博物館から、約300羽の鳥の標本が消えた。
世にも美しい鳥が行きついた先は、希少な羽で毛針を制作する愛好家たちの世界だった!
この突拍子もない盗難事件を偶然知った著者は、最初は好奇心から、やがては正義感から、
事件の調査に乗り出す。
羽毛をめぐる科学史と文化史、毛針愛好家のモラルのなさと違法取引、絶滅危惧種の保護問題、
そして未来へのタイムマシンとなりうる標本と、それを収集・保存する博物館の存在意義。
スピーディーに展開される犯罪ルポルタージュ。
◆本書に寄せられた賛辞
博物館侵入事件、進化論の発見、絶滅の危機に瀕した鳥たち、
そして毛針作りにとりつかれた者たちが巣くう地下世界
――無関係に見える話題を見事にまとめあげた犯罪実話だ。
マーク・アダムス(『マチュピチュ探検記』著者)
一見すると地味で埋もれてしまいそうな事件を題材に、
つぎからつぎへと繰り出される洞察と驚き。
最初から最後まで魅力に満ちた一冊。
マイケル・フィンケル(『ある世捨て人の物語』著者)
犯罪そのものだけでなく、文化遺産の重要性について多くのことを教えてくれる。
エリザベス・マーシャル・トーマス(『犬たちの隠された生活』著者)
魅了される……この犯罪をめぐって著者が取り上げた何もかもがストーリーテリングの極みだ。
カーカス
科学、歴史、犯罪ドキュメンタリー好きの読者にアピールするページターナー。
パブリッシャーズ・ウィークリー
◆目次
第1部 捕われる鳥、裕福な人
1章 アルフレッド・ラッセル・ウォレスの試練
2章 ロスチャイルドの博物館
3章 羽飾りファッションの大流行
4章 自然保護運動の誕生
5章 ヴィクトリア時代の高貴なたしなみ
6章 毛針界の希望の星
第2部 トリング窃盗事件
7章 ロンドンでの日々
8章 博物館侵入計画
9章 窓破り事件
10章 突拍子もない犯罪
11章 捜査
12章 ネットオークション
13章 逮捕
14章 審理
15章 診断
16章 判決
17章 消えた仮剝製の行方は?
第3部 真相究明
18章 国際毛針制作シンポジウム
19章 自然史標本はなぜ重要か
20章 タイムマシンに出合う
21章 鳥類学者プラムのUSBドライブ
22章 エドウィンとの対面
23章 ノルウェーでの三日間
24章 ミケランジェロが消えた
25章 鳥の魔法
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
この本に書かれているのは事実であり史実である。人類の動物への大量虐殺の。
ワシントン条約の成り立ちと必要性も知ることができる。
進化論を全く信じない人々がいることや、自分の趣味のためにと絶滅危惧種の動物にこだわる人々がいることを知ることができる。
標本と、”いつ・どこで採取したという情報の”重要性も。
膨大な過去の紙の資料と、インターネットの渦から目的の書き込みや、窃盗品のスクリーンショットからによる記録。それらぼ裏付けによるノン・フィクションであり、ルポルタージュ。
前半は、一晩で約300もの鳥の剥製を盗んだ事件の話しと、なぜ標本が重要なのかの話し。楽しい読み物だ。
後半は、著者が、盗まれて未回収な剥製の行方を調査に動き出す。事件関係者への取材へ。ここからスリリングで俄然面白くなる。
自分の欲のために、きれいな鳥を執拗に巧妙に追い求めるヒトの生きざまは、他人ごとではなく、もしかしたら自分の中にもあるのかもしれない。
Posted by ブクログ
ドキュメンタリー小説としても面白いし、博物館がなぜ存在するのか・どんな意義があるのかという点に言及してくれているという意味でも読む意味があると思った。
目先の利益を追い求めたくなる欲求と、長期的な目で利益度外視で真実を追い求めていく学問との対立は、どこの国でも起こっていることなんだと感じた。この本では個人レベルの問題から切り込んでいるけれど、最近の博物館に利益を求める文化庁の要求を思い出してしまった。
あくまで博物館などの研究機関は”いつか”芽が出る”かもしれない”という可能性にかけて研究をしているし、そうやって薄い可能性に対して莫大なお金を注ぎ込まないと学問や技術は発展しようがない。社会の基盤のはずなのに、こんなにも現代社会と折り合いが悪い。
Posted by ブクログ
私の全く知らない世界のお話でした。毛針作成者が引き起こした事件です。釣りはしないけど毛針を作ることを趣味にする人がたくさんいるんですね。驚いた。
犯人は罪悪感がありません。彼は、米国のホームスクールなる制度で大学に入るまでは家庭で教育を受けた人だそうです。音楽や毛針作成のような好きなことだけをしてきたので、道徳観やら倫理観のようなものを身に付けずに大人になってしまったのでしょう。恐ろしいことです。
著者は盗難された珍鳥を探す旅に出ますが、結局は見つからず。今回の犯人に限らず、毛針作成を趣味にする人たちの中には、絶滅危惧種を憂うよりも自分の趣味を優先する人がいるのですね。撮り鉄のような世界です。
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