【感想・ネタバレ】子どもができて考えた、ワクチンと命のこと。のレビュー

あらすじ

ビル・ゲイツ、マーク・ザッカーバーグが「読むべき本」に選出!

ワクチン賛成派と否定派の声、医師たちの意見、ママ友や家族のアドバイス……。予防接種を巡る情報の洪水と初めての子育てに翻弄されながらも、母は息子のワクチン接種を決断する! 一児の母の視点から、歴史、医療、文学など多様な視点からワクチンの重要性と現状を検証したベストセラーエッセイ。

「この本は私たちに、個人の自立が幻想であること、だれもがみな相互依存のネットワークに組みこまれていることに気付かせる。これは単に、コミュニティを大事にしましょうという甘ったるい話ではない。輸血や臓器移植が現に稼働しているという厳然たる事実に基づいている。私たちは他者のおかげで生かされ、他者の命に責任を負っている」(ニューヨーク・タイムズより)


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《著者紹介》
ユーラ・ビス Eula Biss

ノンフィクション作家、エッセイスト、批評家。既刊書に、『The Balloonists』および『Notes from No Man’s Land』がある。後者は全米批評家協会賞を受賞。「ビリーバー」「ハーパーズ・マガジン」などにエッセイを寄稿した。ノースウェスタン大学でライティングを指導する。イリノイ州シカゴ在住。


《訳者紹介》
矢野真千子(やの・まちこ)

おもな訳書に『感染地図』『植物はそこまで知っている』『あなたの体は9割が細菌』『解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯』『イチョウ 奇跡の2億年史』『アートで見る医学の歴史』(いずれも河出書房新社)『迷惑な進化』『大腸菌』(いずれもNHK出版)など多数。

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Posted by ブクログ

「日本はワクチン後進国」だと医師からはよく聞く。世界から30年近く遅れているという医師もいるほどだ。
最近「麻疹」の流行がニュースになったことも記憶に新しい。これは2度受けるべき予防接種を、ある年代は1度しか受けていないために免疫が弱いためだとも言われている。
この書によれば、ワクチン接種に対しては世界的にインテリ層を中心に嫌悪感が強いという。生ワクチンを接種することのリスクと副作用を心配してとのことだが、そんなことを言うならば生薬由来の薬にもリストの副作用はあるのだから服用しないということになってしまう。これはあまりにも理不尽だ。
海外では混合ワクチンが当たり前だし、ショッピングセンターのドラッグストアーでも簡単に打てる上に価格も安価。日本では混合ワクチンが嫌がられているうえに、接種の間隔も空けなければならないし、接種の回数が多く忘れがちでもある。しかも任意の予防接種はそこそこ高い。
またこの本によると、清潔な環境で育った人は純粋培養な分、ウィルスに弱いとのこと。そんな人にウィルスがアタックしてくれば、たちまちのうちに感染してしまう。集団免疫のしっかりした社会で生きているならば感染リスクも低いが、そうとばかりも言っていられないのが現実。このことも「あなたの健康はコミュニティの健康が決める」の章に書かれている。
一方不潔な環境で育った人で発症していない人は、感染しながらも幸運にも発症していないだけで保菌者であり、菌を撒き散らしているも同様とのこと。
そういえば、子供が高校に入学する時、いくつかの予防接種について確認をされた。公衆衛生に対する意識が高いとちょっと安心したことを覚えている。
日本にいるとあまり予防接種やワクチンのことは考えない。しかし海外ではそうではないようだ。この本もアメリカではベストセラーになったらしい。
ワクチンに興味があったので、個人的にものすごく勉強になった本だった。

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2018年05月09日

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