矢野真千子のレビュー一覧

  • 大英自然史博物館珍鳥標本盗難事件: なぜ美しい羽は狙われたのか (DOJIN文庫22)

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    とてもとても面白い。
    臨場感もあるし、現実を見るという意味でも素晴らしい切り口の本。文章も読みやすく、下手なミステリよりもはるかにミステリっぽい。
    面白いのだが、読むのにすごく時間がかかった。その理由は、すげえ腹が立つから……もうね。この本に出てくる、この博物館の標本を盗んだヤツをね、二重三重にボコりたい。めちゃくちゃにボコりたい。ボッコボコにしたい。もうね。こんな感覚久しぶりですよ。こんなにも腹立たしくて、相手をボコりたくなったのは……
    博物館に収蔵されている標本が、毛針愛好家の手によって盗まれて、良いようにバラバラにされて売りさばかれたっていう事件のルポルタージュなわけだけれど、この本の内

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    2025年10月05日
  • あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた

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    この本を読んでから食生活に対する意識が大きく変わりました。育児をしている方は読むと良いと思います。個人的に糞便移植には全く抵抗を感じないので、体質が変えられるならぜひやりたい。研究が進むのが楽しみです。もし自閉症が治せるようになったら、救われる人はたくさんいると思う。

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    2024年10月09日
  • あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた

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    ネタバレ

    人間は自身の細胞よりも9倍多い微生物と共生してきた。現代病、肥満、アレルギーや精神疾患の増加は、ウィルス、寄生虫、食習慣の変化、特に抗生物質の使用によって腸内の微生物の多様性が損なわれ、バランスが崩れることが要因であることがわかってきている。

    腸内環境の改善には食物繊維豊富な植物中心の食事や、場合によっては糞便移植(!)が効果的。

    これぞポピュラー・サイエンスといえる意外性があり刺激的。説得力もあり一気に読んだ。

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    2024年04月05日
  • あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた

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    深く考えさせられる内容でした。安易に抗生物質を与える医療だけでなく、それを求める患者、双方が今の事態を引き起こしている。

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    2024年03月15日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    超面白い。
    迷信まみれな一八世紀の医学を、ナイフマンことジョン・ハンターが実際的な経験と知見、そして何よりも、その類まれなる好奇心でもって当時の医学的常識に疑問符を突きつけながら、一人純粋に探求を繰り返す彼の生涯を俯瞰できる良著。
    解剖学だけでなく歯科や生物学にも強い興味を示すハンターは、まさに知的好奇心でもって世界の真理に到達しようとするファウストのような人間。

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    2024年01月10日
  • あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた

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    良書。人が人であるには細菌との共存が必要であり、現代病のほとんどが体内に潜む細菌比率であるという内容。筆者が難病に罹り科学の叡智である抗生物質による回復。そして、その後の生活の変化から得た知識が語られている。人の健康、人生、生活から遺伝子まで細菌に委ねられているといっても過言ではない。

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    2023年12月14日
  • 植物はそこまで知っている 感覚に満ちた世界に生きる植物たち

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    植物が好きだから、植物側のことを知りたくて
    読んだ本。科学的根拠に基づいてて、
    たぶん植物さんはこう思ってんだよーじゃない本で
    読んでよかった本。
    植物は見ている。植物は香りを嗅いでる。
    植物は接触を感じている。植物は空間を感じている。
    植物は記憶を憶えている。植物はいろいろ知っている。でも植物は聴いてない。
    植物がもっと愛おしくなった。
    感覚が満ちるってどんな事なのか人間だとどうゆう時に感覚が満ちるって感じるのかとか、波紋のようにいろんな事考えながら読みました。

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    2023年09月03日
  • 植物はそこまで知っている 感覚に満ちた世界に生きる植物たち

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    ネタバレ

    植物にも、視覚、嗅覚、触覚が備わっている。植物は案外、ヒトに近い存在なのかも知れない。

     ヒトには1種の光の明暗を感じる細胞と、3種の光の色を感じる細胞があるのに対し、植物には11種類の視細胞を有している種がいる。青い光で体内時計を調節し、赤い光で活動を休止するなど、生息地を移動できないからこそ、より繊細に光を感じている。
     植物は揮発生ガス(エチレン)に対応する受容体を有している。この他の受容体もあると考えられるが、まだ見つかっていない。エチレン受容体によって、ツル植物は寄生したい植物に優劣をつけ、小麦ではなくトマトの方へツルを伸ばす。
     植物は刺激を感じると成長を止めることがある。これは

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    2023年03月17日
  • ヒトはなぜ「がん」になるのか 進化が生んだ怪物

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    日本人の3人に1人がガンで亡くなっている。ガン以外で死に難くなっているという事でもある。仕方ないもの、漠然とは不安なもの。もっと知っておきたいと思った。本著はそれに対して最適な本だった。理論と実用性のバランスが良い。また、周辺の話も面白い。

    ウイルスや発ガン性物質、慢性炎症や伝染病のように感性するガンもあるらしい。馴染みがあるのは、ストレスによりガンになるという話だろうか。しかし、近親者の死別や離婚といったつよいストレスのかかる出来事ががんの発生率を高めるという関連性は確認されていない。社会的弱者が肥満、喫煙、飲酒、食生活によってガンになると思われがちだが、これで全てを語ることもできない。血

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    2023年02月28日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

    購入済み

    普段伝記は読まないのですが、複数のマンガや小説に名前が挙がっていて気になっていました。
    ダーウィンより早く進化論に辿り着いた男だとか、ジーキル氏とハイド氏、またはドリトル先生のモデルだとか…
    実際、人物がぶっ飛んでて面白い伝記でした。
    常識や慣習に捕らわれずに科学的な手法を取るということは、誰が考えても正しい事です。
    しかし実際行動してみようと思うと難しい事だと思います。自分としてはせいぜいエセ科学に引っかからないように生きていこうと思いました。

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    2023年02月22日
  • 感染地図 歴史を変えた未知の病原体

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    河出文庫さんのフェアでブックカバー目当てで購入した本。予想以上にミステリーで楽しかった!終始眉間に皺寄せて読んだし(笑)最後のスノーとホワイトヘッドとの友情は胸熱。エピローグでは作者の考え方にゾクゾクした。すごい本だわ。

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    2022年04月24日
  • あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた

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    もっと早く読みたかった。必読書認定!
    腸内細菌の組成、抗生物質のこと、食物繊維のこと、帝王切開と粉ミルク。
    目から鱗落ちた。食生活見直そう。

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    2022年03月15日
  • あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた

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    著者 アランナ・コリン、イギリスのサイエンスライター
    熱帯雨林にてコウモリを研究中ダニに噛まれ病原菌性の病に。治療のために用いた抗生物質により生じた身体の異常は腸内細菌の変化ではないかという思いと、研究観察から細菌と人間との関係性を追求する。
    本書英語名は「10%HUMAN」、そのタイトル通り人体を成す90%が1000兆の微生物。微生物と人は共に進化してきたが、人が腸内細菌を見捨て、肥満や糖尿病を代表に21世紀病が蔓延、普通化してしまっていることに警鐘を鳴らす。

    ・虫垂は、人体が用意した微生物の隠れ家
    ・ニキビ、肥満、うつ病、セリアック病、過敏性腸症候群、虫垂炎、癌、、、
    ・糞便の重量の75

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    2022年02月10日
  • あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた

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     私たちの頭は、自分の体が自分だけでできていると考えているが、実は腸管内だけでも100兆個の微生物が存在し、我々と共生している。私たちは一生の間にアフリカゾウ5頭分の微生物の宿主になっているのだ。
     そして私たちは遺伝子のことばかり気にしているが、私たちの9割が微生物でできているとすれば、その微生物が変化すれば、私たちも変化することになる。21世紀の病気は、感染症よりもアレルギーや肥満や糖尿病だが、それも微生物の変化が影響している。
     とても良い本であった。

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    2022年01月31日
  • ヒトはなぜ「がん」になるのか 進化が生んだ怪物

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    勝間和代さんの推薦本です。

    友人のお母様が一昨年の年末にがんがみつかり、年明けにすぐ手術されましたが、既に手遅れで全身に転移されていたそうで、昨年の9月にはご逝去されてしまい、あまりのはやさにショックを受けていました。

    それで、勝間さんの推薦本の中でこの本が気になり読みました。

    はじめにで著者は『がんは、だれの身にもふりかかる病気だ。がんの診断を告げられたとき、「わかりました。がんとのつき合い方なら知っています」とだれもが答えられるようなそんな日が来ることを私は願っている』ー
    とありますが、この本を全部読んでもがんから逃れたり、がんになってもよくなる方法が書いてある訳ではありませんでした

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    2022年01月17日
  • イチョウ 奇跡の2億年史

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    リチャード・パワーズさんのオーバーストーリーを読んでから、植物とくに巨樹が、日々の生活の中で気になるようになりました。
    なかなか興味・関心を満たしてくれる植物関連の本が無い中...自分の中では、ひさびさのスマッシュヒットでした。
    「イチョウ奇跡の2億年史」(GINKGO:The Tree That Time Forgot)ピーター・クレインさん著作、2013年に出版され、矢野真千子さん翻訳の本。
    ゲーテのギンコー・ビロバの詩、6章のシーボルトの話、9章の平瀬作五郎やマリー・ストープスの話は、とくに良かった...

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    2021年11月20日
  • あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた

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    日本では10年くらい前に「もやしもん」という漫画が流行し、わたしたちの体には無数の微生物が存在しするという細菌叢という概念の普及に大きく貢献しました。皮膚には常在菌がいて、普段は外界の細菌を排除している一方で、免疫力低下の際には猛威を振るうという日和見感染という言葉も知られています。しかし、本書のタイトルのように「9割が細菌」といわれたら顔をしかめる人も多いでしょう。この9割というのはもちろん重量ではなく細胞数ということなのでしょうが。
    本書を読めば、多くの生物が微生物と共生関係にあり、場合によっては糞を子に食べさせることで微生物環境を受け渡すこともあるようです。人間も例外ではなく、妊娠時に特

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    2021年11月07日
  • ヒトはなぜ「がん」になるのか 進化が生んだ怪物

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     英国がん研究機関「キャンサー・リサーチ・UK」に勤務経験のあるサイエンス・ライターが、進化論の見地からがんの本質を再検討し、がん治療従事者、製薬会社、そして患者らに対しがん治療に対する観点の抜本的見直しを迫る。奥深い内容ながら、文章にはディストラクティングなところがなく、何より訳が自然で読みやすい。翻訳物のポピュラー・サイエンスとしては最上の部類に属すると思う。

     著者によれば、がんはわれわれ哺乳類などの多細胞生物と同様、体内環境による選択圧を受けながら漸進的に進化し、日々その生態を変化させている。この「動態的ながん」という視座なくては、正しい対処は覚束ないどころか却ってその勢いを増幅する

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    2021年11月07日
  • 植物はそこまで知っている 感覚に満ちた世界に生きる植物たち

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    園芸の本ではないのだが、植物を育てることにもとても役に立つ。
    特に、植物は接触を感じているとか、平衡感覚を持っているとか。
    擬人化したくなるが、決してそうはならずに、科学的に記述が続くのもGOOD。
    とても面白かった。

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    2021年08月14日
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯

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    何事も時代の最先端をいく人物が、世間に理解されることの難しさを思い知らされた。
    教会が権威と結び付き、異なる意見を受け入れない時代に、事実に基づく証拠と実績を積み上げていった人物に感服させられる。
    ユーモアたっぷりのエピソードに彩られ、彼の人物像を垣間見られた気がする。

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    2021年08月14日