矢野真千子のレビュー一覧
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この人物に興味を持った契機は皆川博子さんの作品から。
改めて数奇の意味を調べてみると、
「不幸・不遇・境遇の変化が激しい」とあった。
「運命の巡り会わせが悪い」という意味もあって、
それはいちばん近いかな、という印象だけれど、
悪い、というよりは時代の進行に較べて早すぎた人、という感じがした。
過去において、命にかかる枕詞は「うつせみの」だった。
現代での枕詞はおそらく、「かけがいのない」になると思う。
命がかけがいのないものである、という風潮は今となっては揺るがない常識のように扱われる。
とすると、ジョン・ハンターという人物は今の常識の基礎を築いた人物、ということになるかと思う。 -
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今まで全く意識してこなかった体内の細菌や微生物の役割についてまとめられていました
細菌というとなんかイメージ悪い感じですが、全てが悪いわけではなくて、いいやつと悪いやつがいて、体内で縄張り争いをしている、ということでした
縄張り争いには、日頃の食生活が絡んでいることがわかりました。日頃食しているあらゆる食べ物は、全て腸内で栄養としてダイレクトに取り込んでいるわけではなくて、細菌や微生物が餌として取り込んでエネルギーに変えてくれたり、血中へ送り込む量を調整してくれていたり、さまざまな役割をこなして貢献してくれていることがわかりました
20世紀後半から、先進国を中心に増えて来ている糖尿病やアレルギー、精神疾患などについても体内の細菌や微生物の組成の変化が関与している可能性があるという話はとても興味深く、信憑性の高い内容で勉強になりました
出産時に、母親から無菌の赤ちゃんに対して、生きるための細菌の「苗」を託す話、それを母乳で育てていく話はとても神秘的で母親の偉大さを痛感しました。
体内の細菌、微生物を意識する機会はヨーグルトやヤクルトくらいしか無かった自分がいかに無知だったか、とても痛感させられる内容でした、
体内の細菌や微生物の役割、効果については発展途上の学問のようで、ヒトゲノムの解析技術が発達したことで急激に研究が進んでいる分野のようですので、今後に期待したいと思いました -
Posted by ブクログ
ネタバレ副題、微生物の生態系が崩れ始めた。微生物研究の成果は、人の生活の何を変えていくのか。10% Human. How Your Body’s Microbes hold the key to Health and happiness.という原題なので、訳し方が全く逆になっているというのがポイントで、おそらく訳を見るかぎり、やや誤訳なのかもしれない。原書の方を読んでみたくなった。おそらく原書の作者は、(まだ原書を読んでいないけれど)、微生物こそが、10%しかない我々が認識している体、にとって最も大事な存在であって、性格や健康を左右する存在であるということなんだと思う。
100兆以上の微生物が暮らす人の体内。ダイエットも、代謝がいいとか、そんなことは関係なく、また摂取カロリー引く使用カロリーという単純な話でもない。その間に、微生物の役割が多く関与している。太りやすいというのは現代病であり、すでに普通ではない。ではなぜ、こうした普通ではない状態になるのか。抗生物質が、それかもしれないと。世紀を跨げば、致死に恐怖する伝染病などが人口を減らしてきたが、現代はまさにこうした微生物の役割がまた新たにあるということなのかもしれない。コロナがまさにそうなんだろうと思わされた。筆者から言わせれば、キスという行為さえも、将来生まれるかもしれない子供のための事前の微生物チェックの役割だと。微生物を交換するのは非常に危険だからだ。トキソプラズマがうつを併発するとか、微生物が性格まで決めていくというのも非常に面白い着眼点に感じた。マイクロバイオータが、人から人へ移るとすると、ハピネス系の微生物を移せる。または逆もだ。国を滅ぼすこともできるかもしれない。ただ、注意しないといけないのは、微生物も生存のために、繁栄のために人間に住まうだけであって、その戦略は決して親人間であるとは限らないことだ。
抗生物質の過剰な処方を止める、焦らずゆっくりと食物繊維をしっかり摂れる加工食品を減らした食生活に変更する、そして子供のことを微生物の観点からも考える。 -
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はじめに、にあるように、本書には、致死的な細菌と、超成長する都市、そして天賦の才をもった2人の男という四つの主役が登場する。
舞台となるのは、1854年8月末から一週間のロンドンはブロードストリート、このエリアをコレラが襲う。と言っても、コレラ菌が発見される30年も前のことであり、原因も治療法も分からない中、人がバタバタと死んでいく。
原因を探り当てていく過程は大変スリリングであり、特に井戸水のポンプを外させる場面などドラマチックで、読み応え抜群である。
ところでということになるが、主役の一人、ジョン・スノーは、1854年以前においてもコレラ禍の被害について様々な調査分析、考察を行っており、原因は飲料水の汚染を媒介としているのであろうとの結論に至る。しかしながら、当時はほとんどの専門家が瘴気説を採っていた。においのせいで人が死んでいるわけではないことを示す科学、統計、逸話が十分あったにもかかわらず、瘴気説が専門家の通説となっていたことについて、著者はその理由、背景等を説明する。
特定のドグマに囚われてしまうと、その中でモノを見てしまいがちであることの怖さを、歴史的事実として教えられた。
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18世紀イギリスの外科医療に携わるジョン・ハンターは大工出身だと。夜な夜な墓泥棒から死体を手に入れ、解剖にいそしみ、さらには博物学の知識ももち、自宅に様々なコレクションを有しているというからドリトル先生のモデルだといわれ、その家はジキル博士とハイド氏もモデルになったといわれるのもなるほど納得。
医療が宗教と密接に結びついていた当時、宗教観を覆すような意見を発表し、医療を科学に押し上げたジョン・ハンターは相当な変わり者だったようだ。梅毒患者の膿をつけたメスで自分のペニスにキズをつけて経過観察した記録も残っているというから、推して知るべし(対象が本人かどうかは記述が無いそうだが、状況から推理してまあ本人だろうという見解だそうだ)。
それにしても麻酔もない時代の外科手術は、かなりおぞましかっただろう。
こんな数奇な人物の物語は、医療や進化論などにも精通していたと思われる手塚治虫によってマンガ化されたらどんなに面白いだろうか、思わず想像してしまう。
ジョン・ハンターのコレクションを見ることができる博物館:ハンテリアン博物館
その他関連施設:
ジョンソン博士の家
オールド・オペレーティングシアター博物館
クリンク博物館