矢野真千子のレビュー一覧

  • 大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件―なぜ美しい羽は狙われたのか
    タイトルに惹かれたが、ノンフィクションとは買った時には思っていなかった(無知)

    ある標本盗難事件(解決済み)の真相、というよりは、解決の際に消えた標本を著者がインターネットを駆使して追っていく話。純粋に読み物として面白い。
    ミステリっぽさもあって、和訳も読みやすい。

    博物館での標本盗難が意外と多...続きを読む
  • 感染地図 歴史を変えた未知の病原体
    仲野徹さんの帯を見て購入。面白かった。
    疫学の走りといっていいんだろうな。病原菌がまだ検鏡で理解できなかった時代に、丹念な調査で病原を特定、解明し、被害を抑えていく。
    8割おじさんが欧州時代に、疫学が何万人もの命を左右するものだと教えられたとテレビでみたけど、こういう歴史の上に学問があることを感じて...続きを読む
  • 大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件―なぜ美しい羽は狙われたのか
     原題を訳すと。ただの「羽根泥棒」となる。邦題の付けかたは、漢字16文字で推理小説を連想させるもので、購買意欲をそそらせる。もちろん推理小説ではない。学術的に貴重な鳥類の標本が、博物館から盗まれる。その羽根を、フライフィッシングで使う毛針の材料にするためだ。本事件の犯人は本の中盤で逮捕される。その後...続きを読む
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯
    2世紀以上前の一個人の伝記が、よくぞここまで再現されているものだと思う。好奇心の塊だけに、その生涯はアンビリバボーな刺激でいっぱい。外科医としての業績はもちろんのこと、実験対象はあらゆる動植物に及び、次々登場する意外な標的に、ただ唖然とさせられる。ジェンナーとの交流とかも興味深いけど、有名税みたいな...続きを読む
  • 感染地図 歴史を変えた未知の病原体
    ところどころ同意できなかったり、よくわからない部分もあったけど、だいたいは面白かった。医学、疫学プラス社会学の勝利。都市論。現在のソーホーを歩いて過去を想像する最後のくだりも好き。
  • 植物はそこまで知っている 感覚に満ちた世界に生きる植物たち
    人のように見て聞いて嗅いで感じるわけではない。それでも同種の認識とか知覚はあるんだね。面白い。植物の知覚を感覚的に体験できる時が来るだろうか‥‥
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯
    18世紀イギリスの外科医療に携わるジョン・ハンターは大工出身だと。夜な夜な墓泥棒から死体を手に入れ、解剖にいそしみ、さらには博物学の知識ももち、自宅に様々なコレクションを有しているというからドリトル先生のモデルだといわれ、その家はジキル博士とハイド氏もモデルになったといわれるのもなるほど納得。

    ...続きを読む
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯
    労作であることがよくわかる。じっくり読まないと申し訳ない気になるくらい。
    単に偉業をたたえるだけでなくて、ジョン・ハンターのエキセントリックさもきっちり伝えている所がいいよね。この人、相当な変人だなあ。

    山形さんの解説も考えさせられる。なるほど。
  • バイオパンク ―DIY科学者たちのDNAハック!
    明らかにメイカーズを意識した内容だけど、その技術の凄さよりも人物紹介に重きを置いているので、とても頭の良い人たちなんだなとは思うが、どれだけ凄いことをしているのかはよく理解できなかった
    とはいえ必読な書籍であることには変わりありませんが
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯
    いいよ、と言われつつもなんだかイロモノっぽくて読む気になれなかった、奇人近代医学の父の話。読みだしたらこれが私好みで、確かに変人で実際に身近にいたらドン引きだろうけれども、解剖はしなくても別のところでこういう奇人て割といるのじゃなかろうか。と、思ったらもう、この人柄にほれ込んでしまったと言っていい。...続きを読む
  • バイオパンク ―DIY科学者たちのDNAハック!
    DNAを利用するようなバイオ技術は既に大規模な研究機関や大学で行うものではなくなりつつあり,キッチンやガレージで趣味で行うことができるレベルに達しつつある.このような現状において,黎明期の草の根のコンピュータソフトウェアの開発と,その相似性を指摘するのが本書である.

    本当に誰でも自由にDIYでDN...続きを読む
  • 解剖医ジョン・ハンターの数奇な生涯
    読み始めは(今の眼で見れば)残酷なシーンの連続でぞっとしたが、読み進めるうち、ジョン・ハンターという人物に魅了される。
    確かに死体を泥棒して解剖したり、動物を生きたまま解剖したり、貧しい子どもの歯をぬいて金持ちの歯茎に植え込んだりしていて、現代の倫理観からすれば許されないことだが、当時は仕方なかった...続きを読む
  • バイオパンク ―DIY科学者たちのDNAハック!
    アップルのコンピューターはガレージから生まれ、リナックスはオープンソースと言う新しい取り組みでプログラムを進化させた。バイオテクノロジーと言うと閉ざされた世界というイメージだが、バイオハッカーはコンピューターとバイオテクノロジーは似ているという。DNA検査はガレージで出来るし、ヒトゲノムのような遺伝...続きを読む
  • バイオパンク ―DIY科学者たちのDNAハック!
    アメリカの話だけど、バイオの世界にオープンソースみたいな動きがあるというのが面白い。一番縁遠い様な気がするのだが。品川。
  • バイオパンク ―DIY科学者たちのDNAハック!
    目次
    PARTⅠハック/オープン
    第1章シンプルな遺伝子検査
    第2章アウトサイダーのイノベーション
    第3章バイオハッカーの源流
    第4章自分で科学する
    第5章途上国のためのバイオテクノロジー
    第6章価格を下げてハードルを下げる
    第7章遺伝子組み換え作物はだれのため?
    第8章遺伝子操作の所有権はだれのも...続きを読む
  • バイオパンク ―DIY科学者たちのDNAハック!
    近年アメリカで勃興しつつある、新しいタイプの"分子生物学者"たちの活動を描いた本。ただし、"分子生物学者"という表現は正確でないかもしれない。というのは、彼(女)らは「学者」と聞いて一般的にイメージされるような大学の教員でもなければ、企業で研究開発に従事する研究者でもない*1。キッチンで培養した細胞...続きを読む
  • バイオパンク ―DIY科学者たちのDNAハック!
    <キッチンからバイオを! 「日曜大工」研究の裾野を広げよう!>

    タイトルも副題も余り親切ではないと思うのだが、つまりは、公的機関や企業などの大きな組織に属さないアウトサイダー科学者としてバイオ研究を実践している人々についてのレポートである。自由な発想で新しいバイオ研究を行っている多くの「DIY」研...続きを読む
  • バイオパンク ―DIY科学者たちのDNAハック!
    全体の率直な感想としては、こんなに進んでいるのか!と驚く場面よりもまだまだ入り口にうろうろしているだけなんだな…、と感じる場面の方が多かった。
    また、バイオパンクの思想の根底にはソフトウェアの分野で起こったオープン、シェアと同じことが遺伝子でも可能である、という考えがあるという指摘が(良い意味で)頭...続きを読む
  • あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた
    事実と著者の仮定が混ざった感じで展開されていくので、読み辛さはあったが面白かった

    微生物の影響
     腸内の微生物の影響
      肥満などの成人病
       肥満のラットに痩せ型のラットの腸内細菌を移植すると太る
        肥満は摂取カロリーだけでなくカロリー消費、貯蔵の影響も受ける
      心の疾患
       腸内バ...続きを読む
  • 大英自然史博物館 珍鳥標本盗難事件―なぜ美しい羽は狙われたのか
    死んだ鳥を大量に盗む?いったいぜんたい、だれがそんなことを?大英自然史博物館から忽然と姿を消した鳥標本。
    色鮮やかな羽を持つ鳥はなぜ盗まれたのか