中村桂子のレビュー一覧
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白髪を染めていたけれど、染めるのをやめようと思った。
女性なら悩むのも当然だ。
染めれば伸びてくる白髪が気になり、マスカラタイプで凌いだり、帽子を被ったり、髪型を変えたり
色々試しても老けて見える自分のこと姿に納得が行かない。
著者はそんな自分に潔く染めない選択をさせたのに、美容師が許してくれないとある。
これは白髪染に限らず、日本人の悪い癖◯◯らしくとの考えを押し付ける癖の代表だ。
子供だからとか若者だから、色々決めつけてしまう。
一節を取り上げて感想を記したけれど、老いていくからこそ言える未来への想いや
老いていく自分との折り合いの付け方
著者の穏やかな語り口調が優しく説いてくれた。 -
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「ふつうのおんなの子」とは。
取り立てて、ものすごい能力や才能がなくても、日々の暮らしを生きることと、誠実に向き合っている人のこと、なのかなと思う。
「『ふつうのおんなの子』は、権力•経済力•武力で動く社会を求めていません。こういったもので動く社会は望みません。現実はそのような力で動くようにできていることはわかっていても、大事なことは別のところにあるということを忘れず、少しでも変えていきたいのです。ところが、最近、そのような価値観で動くことが難しくなってきました」
「ふつうのおんなの子」は、必ずしも女の子であることを意味しない。男の子の中にも、それはあるものだという。
ただ。2018年にこれを書こうと思ったのは?
その憂鬱さとは、何がもたらしたのだろう?
私たちは多様性を尊重する社会に生きている。
色んなマイノリティが、それでいい、むしろ私たちはそれぞれ何らかのマイノリティだと思える時代になっている。
なのに、一方で、何かが憂鬱をもたらしている。
それは、何だろう?
本書を読んでいて、私はクシャナ型の女性を目指してきたことに気付いた。
男性に負けない力で統率する女性。
でも、ナウシカはそれとは違う。
「相手を違うものとして拒否せずに受け容れる」。
ぶつけ合うことから、受け容れ合うことへ。
けれど、それは、先へ先へと進む社会では、難しいことなのだと思う。
相手の声を聞き、自分の声を知り、その上で受け容れるということが成り立つから。
そこには、積極的な時間の静止、余白が必要なように思う。
あとがきの村上春樹の引用にも、あらためて、頷いた。
我々はシステムという強固な壁を前にした、卵だという、あの有名なスピーチ。
「もし我々に勝ち目のようなものがあるとしたら、それは我々が自らの、そしてお互いの魂のかけがえのなさを信じ、その温かみを寄せ合わせることから生まれてくるものでしかありません」
人工知能が人間を超えると言うが、人間というものを分かってもいないのに、何故そんな風に言えるのか?と問う中村さんの眼差しは、強くて温かい。
その目が、さまざまな児童文学の「ふつうのおんなの子」に向けられていく、楽しい本だった。 -
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以前ケンブリッジに住んでいたこと、そしてホリエモンの本で本書が紹介されていたということで、読んでみました。
クリックとワトソンがDNAの二重らせん構造を思いついた場所が居酒屋イーグルとガイドブックなんかには書かれていたので(そして店内にはプレートも飾られている)、てっきり二人がここで議論をしていてピカッと思いついたのかと思っていましたが、そんなことはなかった(笑)そうですよね・・・
どのように二重らせん構造にたどり着いたかワトソン目線で書かれており、興味深いのですが、主観的なのでその他当事者の意見も聞いてみたいと思ったり・・・
昔の話のようで、今もそんな感じなケンブリッジ。歴史の息吹が感じられるあの街並みや大学が懐かしく感じられました。 -
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最近読んでいたいくつかの本で、この二重らせんが紹介されており、手に取ってみた。DNAの構造を発見した、科学者のうちの一人である、ワトソンによって、その構造を発見するまでのストーリーが本人主役で語られている。
自分自身は、化学は全然と言っていいほど知識がないのだが、印象に残ったのは、構造を検討するときに模型を組み立ってて考えたりしていたのだが、ワトソンってこの模型をいじってたか、ぶらぶらしてただけじゃないか?と(実際には違うのだろうが)。
この手の本って、ある重大な発見に向かって、謎解きのように、更に、科学的知識を少しずつ積み上げて理解できるように書かれたりしている物と思って読み始めると、なんじゃこりゃ?って思う読後感。
この本を予備知識なく読んで、DNAの構造解明についての化学的な知識を得られる感じはしない。
DNAの構造発見までの人間模様が描かれていて、当時の研究者の生活感みたいなものを感じることはできるので、その筋に行こうとしている人にとっては、役に立つと思う。 周りの研究者について、あれこれ描いてるが、ライナス・ポーリングは、本書に出てくるほかの科学者とは別格として認識されていた感じを受けた。 -
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けっこう前に買った本。
学生時代は理系科目に興味がなく、社会人になって働き出しても
科学や医学には、環境からも自分からも、まったく関わらない。
なのになぜか買った本。
私という人間。その設計図といえる遺伝子。
そんな人間の遺伝子の大本であり、源といえるゲノム。
そんなゲノムとはなんぞや? というところから始まる本書は、
分かっている事実もあれば、分かっていない事実が混在し、
なかなかに難読した本だった。
この本は、「生きている」を見つめる医療、というタイトルだが
内容としては、「生きている」をとことん見つめる、というものだと思う。
ゲノムは一体なんなのか? どういう働きをしているのか?
いつからいつまで存在するのか? どこからどこまでがゲノムの働きなのか?
私達人間は、ゲノムとどうやって付き合って、生きているのか?
人間という存在を、ゲノムという存在を切り口にして、
あれこれと見つめている。分かることも分からないことも、
そのさまざまな事実を読み進めたと思う。
そして、その事実をもとに、多少の倫理も記されている。
ゲノムは命に宿り、命には魂が宿る。それらが一体となって
宿り生まれ、生き続ける人間には、尊厳と倫理が宿っていく。
ゲノムは受け継いだ遺伝子をもとに、命となって発揮する。
その命を全うする人間には、ゲノムと遺伝子から成り立っている。
もしかしたら、生まれつきの不遇や天賦が、ゲノムと遺伝子によって
発揮されてしまうかもしれない。しかし、ゲノムと遺伝子は、
それらを覆す仕組みさえあるかもしれない。
人は、その抱えるゲノムと遺伝子を切り離すことは、
出来なくはないが、おそらく難しい。
そして、縛られているかのごとく、かれらと共存するしかない。
けれど、かれらはかれらなりの創意工夫のようなものを
私達に施し、どうにか命を保たせようとしている。
ゲノムに縛られ、あるいは縛りながらも、人間は生きている。
かれらから、逃げるも逃げないも自由だが、
あくまでも、かれらは自分自身でもある。
そんなことを学んだ本でした。
人間を考えるにあたって、科学や医学をもって
とらえてみたり、知ってみたい、という人におすすめの本。
哲学や思想とは違った出発点で、人間を見つめられますよ。 -
Posted by ブクログ
生まれてから死ぬまで、ライフステージを考える医療を、ゲノムがどのようにはたらき、生きていることを支えているか、ゲノムのはたらきをどう助けるかとう立場から見る。
一人の人間のゲノムは生きものの全てとつながっており、長い間続いていく生命の1つとして自分を感じることにより、視野が広がり心が拡がる。
最後に紹介されている「蟲愛づる姫君」(「堤中納言物語」の中にある物語)はナウシカのモデルにもなっている。毛虫を小箱に入れて眺めているお姫様に周囲の人々は困り果て、“そんな汚いものを”とう侍女にお姫様はきっぱり「時間をかけてゆっくりごらんなさい。これは美しいチョウになるのよ。チョウになったらいのちは短い、はかないものです。生きている本質はこの毛虫の中にある。そう思ってみると本当に可愛い。」この“時間をかけてじっと見つめていると可愛くなる”という気持ちが「愛づる」。そういった目で、命や生きものを眺める目が必要だろう。 -
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ネタバレとてもノンフィクションとは思えないノリで色々とぶっちゃけていてすごい本。これだけ主観的かつ率直に書かれていると潔いというか、むしろこのくらいでないと自伝なんて出す意味がないのかも。とはいえエピローグで登場人物全員に対してのフォローは入るし、他人だけでなく自分のことも良いこと悪いこと含め書き綴っているので、不快には感じなかった。
ワトソンとクリックといえば、生物学史でもっとも有名な人名といっても過言ではないくらいの存在だけども、実のところ実験らしい実験はほとんどしていなかったことがわかる。筆者であるワトソンは全編通して結構な頻度で遊びに出かけているし、わりとしょっちゅう女の子のことを考えていて、一見余裕でこの発見を成し遂げているように見えるけれど、DNAに目をつけた着眼点、各方面の知見を積極的に入手して、それらを25という若さで繋ぎあわせた能力は、やっぱり並外れていたんだなと感じた。科学者というと職人気質なイメージがあるけども、政治力大事。ワトソンはそっち方面の才能が突出していたんだと感じた。後年は研究所の所長に落ち着いたというのも頷ける。
それにしても、ワトソンを取り巻く環境のすごさといったらない。ノーベル賞受賞者のオンパレード。ハックスレイに鍵開けて貰ってたとか、ポーリングの息子と同じところで研究してたとか、面白すぎる。
ロザリンドは本当に不憫。彼女がいなかったらワトソン達3人の受賞はありえなかったのに。生きていたら一緒に受賞できたんだろうか。