中村桂子のレビュー一覧

  • やわらかな遺伝子

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    「生まれは育ちを通じて」
    自分を産んだ親とか育った環境は、今の人格にどれだけ影響しているんだろう、ということが知りたくて読んだ一冊。
    自分の理解としては、「遺伝子により決定した素質が胎児期を含めた幼少期の育ちの環境で強化されていく、強化期間は設定されておりそれを過ぎると固定される」ということで、「三つ子の魂百まで」ということわざは間違ってないのだなという感じ。
    変わろうと努力して、変わったように見えても根本は変わることはないのだなあと。
    なんとなく絶望感を感じたと同時にある種の諦めというか、ある意味気が楽になったというのが感想です。

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    2016年06月11日
  • 二重らせん

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    最近読んでいたいくつかの本で、この二重らせんが紹介されており、手に取ってみた。DNAの構造を発見した、科学者のうちの一人である、ワトソンによって、その構造を発見するまでのストーリーが本人主役で語られている。

    自分自身は、化学は全然と言っていいほど知識がないのだが、印象に残ったのは、構造を検討するときに模型を組み立ってて考えたりしていたのだが、ワトソンってこの模型をいじってたか、ぶらぶらしてただけじゃないか?と(実際には違うのだろうが)。
    この手の本って、ある重大な発見に向かって、謎解きのように、更に、科学的知識を少しずつ積み上げて理解できるように書かれたりしている物と思って読み始めると、なん

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    2015年12月23日
  • やわらかな遺伝子

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    生まれか、育ちかというテーマをもとに、遺伝子と環境が行動に及ぼす影響について、生物学史に沿って、理論を展開していく。なかなか頭に入らない部分もあるが、遺伝子を経由として環境の影響を受けるのということが理解できた。

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    2014年11月06日
  • 「生きている」を見つめる医療 ゲノムでよみとく生命誌講座

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    けっこう前に買った本。
    学生時代は理系科目に興味がなく、社会人になって働き出しても
    科学や医学には、環境からも自分からも、まったく関わらない。
    なのになぜか買った本。

    私という人間。その設計図といえる遺伝子。
    そんな人間の遺伝子の大本であり、源といえるゲノム。
    そんなゲノムとはなんぞや? というところから始まる本書は、
    分かっている事実もあれば、分かっていない事実が混在し、
    なかなかに難読した本だった。


    この本は、「生きている」を見つめる医療、というタイトルだが
    内容としては、「生きている」をとことん見つめる、というものだと思う。

    ゲノムは一体なんなのか? どういう働きをしているのか?

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    2014年04月01日
  • 科学者が人間であること

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    自然科学の分野に限らず、社会科学の世界でも同じことが言えるのではないかと思う。
    専門分化が進むと、全貌が見えにくくなり、何のための学問であるのかを「人間学」として振り返り自問する。
    ただ、商業ベースに乗らないこともあり、それが社会に理解されたとしても進歩と捉えられることはないのだろうと思う。

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    2014年01月25日
  • 科学者が人間であること

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    著者もあとがきで記しているが、あたりまえのことしか書いていない。あたらしいことも書いていない。「科学者は科学者である前に人間でなければならない」と繰り返し主張している。
    実際は、研究者の世界も「経済効率優先で科学技術はそれを支えるもの」となっている。現代の世界観は要素還元から成立しているが、要素のみに注力しては全体像を見失ってしまう。
    「木を見て森を見ず」と言うではないか。これからの科学は常に「森」を見ていなくちゃいけないのだ。

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    2014年01月10日
  • 科学者が人間であること

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    科学者ではない自分は、「科学」をどう受け止めるか、という点を中心に読んだ。

    また、科学者の社会的役割についての筆者の見解もよかった。


    前半部は読みやすく、後半部は少し読みにくかった。
    再読・精読したい。

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    2013年10月30日
  • 二重らせん

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    副題の「DNAの構造を発見した科学者の記録」とありますが、科学的競争が本当にリアルで読みやすくおもしろかったです。ただ、科学的知識がもっとあれば、理論的説明の部分の本質も読めておもしろかっただろうなと感じました。

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    2013年08月29日
  • 「生きている」を見つめる医療 ゲノムでよみとく生命誌講座

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     生まれてから死ぬまで、ライフステージを考える医療を、ゲノムがどのようにはたらき、生きていることを支えているか、ゲノムのはたらきをどう助けるかとう立場から見る。
     一人の人間のゲノムは生きものの全てとつながっており、長い間続いていく生命の1つとして自分を感じることにより、視野が広がり心が拡がる。
     最後に紹介されている「蟲愛づる姫君」(「堤中納言物語」の中にある物語)はナウシカのモデルにもなっている。毛虫を小箱に入れて眺めているお姫様に周囲の人々は困り果て、“そんな汚いものを”とう侍女にお姫様はきっぱり「時間をかけてゆっくりごらんなさい。これは美しいチョウになるのよ。チョウになったらいのちは短

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    2013年07月29日
  • 二重らせん

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    門外漢には理解できない部分は多々あるが、科学の世界がどのようなものかがわかって実に面白い。

    印象的なことは、それぞれが競争したり、時に敵対的になったとしても、根っこのところには皆、すばらしい発見に感動する素直な心を持っており、ライバルの発見であっても称賛するというところである。

    ねたみや恨みはどのような世界でもあることだが、純粋に何かを追い求め続けるということの素晴らしさを感じる。

    科学の世界にかかわらない一般人であっても、そのような心を忘れずにいれば、人生がもっと楽しくなるのではなかろうか。

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    2013年07月22日
  • 二重らせん

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    ネタバレ

    とてもノンフィクションとは思えないノリで色々とぶっちゃけていてすごい本。これだけ主観的かつ率直に書かれていると潔いというか、むしろこのくらいでないと自伝なんて出す意味がないのかも。とはいえエピローグで登場人物全員に対してのフォローは入るし、他人だけでなく自分のことも良いこと悪いこと含め書き綴っているので、不快には感じなかった。
    ワトソンとクリックといえば、生物学史でもっとも有名な人名といっても過言ではないくらいの存在だけども、実のところ実験らしい実験はほとんどしていなかったことがわかる。筆者であるワトソンは全編通して結構な頻度で遊びに出かけているし、わりとしょっちゅう女の子のことを考えていて、

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    2013年06月14日
  • 二重らせん

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    ノーベル生理学・医学賞を受賞したワトソン博士による、DNAの構造を解析するに至るまでのドキュメントです。野心がぷんぷん匂ってくるような回想録になっています。あけすけな発言で物議を醸した本でもあります。

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    2013年04月06日
  • 生きもの上陸大作戦 絶滅と進化の5億年

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    ネタバレ

     約5億年から4億年前の間に生物が陸上へと進出した事件が起きた.本書はその事件の主人公たちがどのような進化を経たのかを,化石の記録や現在の生物のDNAに刻まれた情報を読み解きながら解説している.情報がわかりやすく整理されており,また,読みやすい文章である.
     本書は,植物,昆虫,そして脊椎動物と,上陸を果たした順に解説が進む.それぞれの系統でどのような進化が上陸前後に起きたのか,上陸はどうして可能だったのか,に焦点が当てられている.
     文字,行間ともに大きい.驚いたことにフルカラーである.化石の写真はなく,古生物はすべてイラストで描かれている.古生物以外も写真はきわめて少なく,その代わり,イラ

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    2012年09月24日
  • 生きもの上陸大作戦 絶滅と進化の5億年

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     とても装丁がきれいで,生物学・進化史学の面白さを一般に広めてくれるものと大いに期待できる新書.著者から贈られてきた.僕の和文総説から図を引用してくれている(動物の染色体進化の図).

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    2010年10月01日
  • 人類はどこで間違えたのか 土とヒトの生命誌

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     「おわりに」に書かれた以下の一節が強烈だった。
     …人生最後の段階にきて、私が暮らしたい社会、子孫につなげたい社会とはかけ離れた状況になりました。…
     自分はどう考えて生きてきたのか、何をしてきたのか、問われていると感じる。

     『「私たち生きもの」の中の私』とする考え方には共感するものがある。この感覚を大事にしていきたい。
     科学の進歩によって農業が土から見直されている話には、希望を感じた。今後、注目していこうと思う。

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    2025年11月15日
  • 人類はどこで間違えたのか 土とヒトの生命誌

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    農耕は原罪か?土木は破壊か?
    耕す事は英語でカルチャー、農耕は文化
    杜は土木、自然と対話しながら暮らす事
    土の事、思いを馳せながら生きてみよう

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    2025年02月20日
  • 人類はどこで間違えたのか 土とヒトの生命誌

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    ネタバレ

    「ホモサピエンス全史」や他書からの引用が多い。
    人類の間違いは1万年前の農業革命であり、牛や馬を使用した農業によってはしかや天然痘などの感染症が蔓延した。化学物質を用いた現代農業に警鐘を鳴らし、生体系に配慮したアグロエコロジーを目指すべきというのが本書の結論だった。
    7万年前に言葉が生まれ、認知革命が起きた。鳥の歌に代表される音楽と言語には密接な関わりがあるのが興味深い。
    ネアンデルタール人よりも体格に劣るホモサピエンスが生き残ったのは、イヌをはじめとした他の動物との共同生活のおかげであり、人類史のコミュニケーションの大切さがわかった。ただ、それでは農耕を始めたホモ・サピエンスが人類の間違いの

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    2024年12月26日
  • こどもを野に放て! AI時代に活きる知性の育て方

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    (2024/08/19 2h)

    わたしは大きな自然が嫌いです。
    町中にある小さな自然が好きです。

    尊敬できる大人が楽しんでやることに、子どもはついていく。そういう単純なことだと思います。

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    2024年08月19日
  • 人類はどこで間違えたのか 土とヒトの生命誌

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    寄せ集め感が…

    サピエンス全史やジャレドダイアモンドを聞きかじって書いた様な内容です。繰り返しも多くくどい。きちんと編集すればもっと読みやすくなると思います。間違いではないけれど、オリジナリティーがあまり感じられなかったのは残念です。

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    2024年08月13日
  • こどもを野に放て! AI時代に活きる知性の育て方

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    養老孟司さん、中村桂子さんはたくさん語られていて、面白かった。養老孟司さんの恩師の言葉らしいけど、「教養とは人の心がわかること」というのは至言。中村桂子さんの生物絵巻の意図が詳しく知れて良かった。意外にスピリチュアルというか、感覚的な言葉が多かったけど。
    池澤夏樹さんとの対談が、星野道夫さんの話と春山さんの語りが多く、池澤夏樹さん自身の言葉が少な目だったのがちょっと残念。意外に無口な方なのかな?

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    2024年07月31日