【感想・ネタバレ】科学者が人間であることのレビュー

あらすじ

「人間は生きものであり、自然の中にある」。大震災以後の社会は、この「当たり前」の原点からしか再生できない。まず誰よりも、科学者が一個の人間であることによって、出来ることがあるのではないか。人間も含んだ生きもの全体の歴史として「生命誌」を提示し続けてきた著者が、私たちの未来への熱い思いをこめて語る。

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Posted by ブクログ

2013年8月に発行された本です。
「人間は生きものであり、自然の中にいる」という視点が現在の科学文明には欠けているのではないか?という問題意識を書いた本です。
科学が自然を見るのは密画の世界であるが、これだけでなく、自然そのままを見る略画の世界も必要で、密画と略画の重ね描きが必要だと書いてあります
筆者の勤務先の生命誌研究館に行ってみたくなりました。

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2026年01月19日

Posted by ブクログ

分と自然に境目はない、だって自分は自然の一部。科学者だけでなく、会社人でも特に政治家もぜひ読んで忘れないでほしい、あなたもわたしも、人間であることを。元来の人間の生活を中心に置いたその向こうに見える未来は輝いている。

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2025年12月23日

Posted by ブクログ

上品で淡々とした筆致だが、考え抜かれた言葉と表現。そして、根底にある信念。見事な本であった。個人的には、宮沢賢治についての、本当の幸せ、本当の賢さ論が発見であった。

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2020年04月03日

Posted by ブクログ

科学の問題
人間を自然から切り離してしまった

科学が成立するのは数値化 数値化が切り落とすものを忘れて死物化することが問題の本質 生きている命を機械論的科学からは抜け落としてきた

科学が密画だとすれば、感覚、主観としての自然という略画も合わせて必要。重ね描きこそが今後大切になる。

科学(特に自然科学)者も哲学等の社会科学、つまり教養を学ぶ必要がある。

引用されている本はおそらくその道の人以外決して読みやすい本ではないと思われるため、この本からこの議論に入るることはとても有用だと思った。

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

この本を読むと、著者のライフワークである「生命誌」の根底となる考え方がよくわかる。

僕は中村桂子先生の本は文庫、新書であれば全部読みたいと思っており、本書は2013年の出版ながらその存在をお粗末ながら、書店で偶然見つけて知った。当然、さっそく手に取る。

著者は、2011年の東日本大震災後、科学科学技術が自然と向き合っていないとこを問題視する。それは、科学技術者が漏らした「想定外」とうい言葉にある。
自然が全て解明されていないのに、特定の数字をきめて計算するうちに、人間がすべてを設定できるという気分になり、その数字の中で考えるようになる。その結果、傲慢になる。科学者が日常的な生活者としての感覚をもっていないということだ。
「人間は生きものであり、自然の中にある」ことを繰り返し主張する。「活きた自然のと一体感」が重要。
この問題の解決方法を大森荘蔵を引用し、「密画的世界」(科学による理解)と「略画的世界」(日常的感覚での世界)との「重ね描き」と説く。

最終章で、日常感覚や思想性を求められるのは研究者に限らない。政治家、官僚、企業人などすべての人が、その専門からだけでものを見るのではなく、生活者、思想家であることが求められると説く。
企業人である僕は、思わずドキリとし、この本を読む価値に改めて気づかされた。

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2024年09月01日

Posted by ブクログ

自然科学の分野に限らず、社会科学の世界でも同じことが言えるのではないかと思う。
専門分化が進むと、全貌が見えにくくなり、何のための学問であるのかを「人間学」として振り返り自問する。
ただ、商業ベースに乗らないこともあり、それが社会に理解されたとしても進歩と捉えられることはないのだろうと思う。

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2014年01月25日

Posted by ブクログ

著者もあとがきで記しているが、あたりまえのことしか書いていない。あたらしいことも書いていない。「科学者は科学者である前に人間でなければならない」と繰り返し主張している。
実際は、研究者の世界も「経済効率優先で科学技術はそれを支えるもの」となっている。現代の世界観は要素還元から成立しているが、要素のみに注力しては全体像を見失ってしまう。
「木を見て森を見ず」と言うではないか。これからの科学は常に「森」を見ていなくちゃいけないのだ。

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2014年01月10日

Posted by ブクログ

科学者ではない自分は、「科学」をどう受け止めるか、という点を中心に読んだ。

また、科学者の社会的役割についての筆者の見解もよかった。


前半部は読みやすく、後半部は少し読みにくかった。
再読・精読したい。

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2013年10月30日

Posted by ブクログ

今まで読んだ本とは異なる雰囲気でとても楽しめた。具体的な例で中村桂子さんの主張がより明確に伝わり、納得できる部分も多くあり、共感できた。普段は便利な世の中で生き、なかなか気づかない「生きものとしての感覚」についても改めて自分の五感を用いて判断し、責任を持つことが大切と分かった。最新の科学や数字に頼りがちな世の中で、「生きものとして生きる、『自律的な生き方』」ができればなと思う。

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2024年03月29日

Posted by ブクログ

言葉は優しいが、厳しい問いかけである。「役に立つ」研究への「選択と集中」が、何をもたらしているのか。研究者が本来持つべき資質とは。

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2021年08月29日

Posted by ブクログ

科学は数値化し、そして死物化する。数値化を否定すると科学のいろんなところが問題になるが、そうではなくて死物化を問題にする。
研究者であっても人間であり、人間はまた生きものである、という、当たり前ではあるのに何か忘れられたようなことを、もう一度取り戻せ、ということを再三訴える本。キーワードは「重ね描き」「日常感覚と思想性」「環世界」あたり。言われなくてもわかっている、つもりだけれども…

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2013年11月26日

Posted by ブクログ

最初の方は、あまり印象に残らず一般的なことになってしまっている。中盤から具体的な記載で面白くなってくる。ただ、和辻の「風土」の引用など、現在の多様化の世界ではどうかな?というような引用もある。
 卒論に使うのは難しく、随筆として読むのがいいであろう。

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2013年11月12日

Posted by ブクログ

大風呂敷を広げておられるので、最初は何が言いたいのかよくわからなかった。
最後まで読み進むことで、また、生命誌科学館の試みを読むに至ったところで、ようやく著者の意図しているところ、著者の活動がぼんやりと理解できる。
音楽家が演奏という形で我々に身近なものになるように、科学もまた奏でることで、誰にとっても魅力あるものになればいいなと思います。
ただ、すべての科学者が死物を扱っているようにも思わない。
iPs細胞の山中教授はむしろ著者の語られるような「人間らしさ」を持ち合わせた科学者であるような印象があります。

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2013年09月25日

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