あらすじ
気候変動、パンデミック、格差、戦争……20万年におよぶ人類史が岐路に立つ今、あらためて我々の生き方が問われている。独自の生命誌研究のパイオニアが科学の知見をもとに、古今東西の思想や文化芸術、実践活動などの成果をも取り入れて「本来の道」を探る。
そのために本書はまず40億年にわたる生命の歩みを振り返り、生きものとしてのヒトの原点を確認。次に自然を、生きものを、そして我々自身をも手なずけようとしてきたサピエンス史を検証。そこから環境を破壊し、格差を生み出した農耕の“原罪”が浮かび上がり、身近な「土」の重要性が明らかになる。これがレジェンド研究者の結論。
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Posted by ブクログ
ふと本屋で目に入って何となく買った一冊。
ダンバー数、集団の数が、生き物の脳の大きさと比例する指標である。
(現代人は、最大100人〜150人?それ以上になると、年賀状も義務的になる?。30人くらいがちょうどよい?自分の日頃関わる人とのやりとりを大切に思いやりを持って、生きたいと思った。原始からのヒトの進化の過程やDNAに、合っているんだろうなと。)
ヒトは二足歩行になって、脳の重さを支えられるようになって、脳が大きく成長していった。
大型動物が食べた、動物の死体や屍肉から、栄養価の高い骨髄を摂取できて、脳が成長していったという説もある。
二足歩行になったのは、環境変化で、食べ物が減り、犬歯が小さく、他の生き物との争いに弱い人間が、分担して、協力して、遠くまで食料を探しに行って、住みかにいる子供や仲間に、持って帰ることができるように変化していったということが一説。(弱さが進化に繋がったというのは温まる話)
だから、ヒトは平等に食料を分け与える。(マタギとかもそう)
火の活用による、細菌などからの食の安全性の活用や、生肉食などと比較した、消化スピードの向上とそれに伴う、生活の豊かさの向上、食べることの楽しみの進化。
人が持ってきてくれた食べ物が本当に食べて有毒でないかを判別するのは難しい。だから、人への信頼が大事。
親しい人、大事な人と、共に食事を摂ることは、大事なことだし、人間のDNA、進化の過程で、培われてきたことなのだなと、一緒にご飯を食べることを大事にしようと思えた。
(一人暮らしやコロナもあり、毎日惰性で食事をとりがちなので。)
何となく読み始めたのに、日頃の日常が、壮大なヒトの生命史と繋がっていることに気付かせてくれた、大切な一冊。
Posted by ブクログ
今の世界、人は金融の奴隷、社会は支配欲への執着という構造で回っているのかなと思っていた矢先にこの本を読み、共感できる内容に一種の安堵感のような心地よさを感じました。
ただ、世界を動かしている(と思っている)人たちの中には、自然は人間が征服すべき対象と考える人も多いとも聞くので、現状からの転換の難しさも感じます。
土についての話はこれまであまり関心を持ったことがなかった分野ですが本書を読んで興味が出てきました。個人的には地表の舗装率について気になっていたこともあったので、今後、土のことにもすこし気にしながら、幸せに暮らすために何ができるのかを考えていきたいと思います。
Posted by ブクログ
人類は間違ってなんかない
その時々で最善の選択をしてきた
そして、これからも最善の選択をして行くはず
その時に大事なのは共感であり、思いやりだと思う
人間は平等であることを望むけれども、完全なる平等は不可能なのであるし
不平等の中で、相手を尊重して、お互いに協力しあって生きることが大事なのだと思う
相手は人間だけでなく、虫を始めとする自然の中に暮らす生き物たちすべてを指している
謙虚に生きていきたいと改めて思った
Posted by ブクログ
「おわりに」に書かれた以下の一節が強烈だった。
…人生最後の段階にきて、私が暮らしたい社会、子孫につなげたい社会とはかけ離れた状況になりました。…
自分はどう考えて生きてきたのか、何をしてきたのか、問われていると感じる。
『「私たち生きもの」の中の私』とする考え方には共感するものがある。この感覚を大事にしていきたい。
科学の進歩によって農業が土から見直されている話には、希望を感じた。今後、注目していこうと思う。
Posted by ブクログ
農耕は原罪か?土木は破壊か?
耕す事は英語でカルチャー、農耕は文化
杜は土木、自然と対話しながら暮らす事
土の事、思いを馳せながら生きてみよう
Posted by ブクログ
「ホモサピエンス全史」や他書からの引用が多い。
人類の間違いは1万年前の農業革命であり、牛や馬を使用した農業によってはしかや天然痘などの感染症が蔓延した。化学物質を用いた現代農業に警鐘を鳴らし、生体系に配慮したアグロエコロジーを目指すべきというのが本書の結論だった。
7万年前に言葉が生まれ、認知革命が起きた。鳥の歌に代表される音楽と言語には密接な関わりがあるのが興味深い。
ネアンデルタール人よりも体格に劣るホモサピエンスが生き残ったのは、イヌをはじめとした他の動物との共同生活のおかげであり、人類史のコミュニケーションの大切さがわかった。ただ、それでは農耕を始めたホモ・サピエンスが人類の間違いの原点になってしまい、表題に矛盾が生じるのでは?と思った。
寄せ集め感が…
サピエンス全史やジャレドダイアモンドを聞きかじって書いた様な内容です。繰り返しも多くくどい。きちんと編集すればもっと読みやすくなると思います。間違いではないけれど、オリジナリティーがあまり感じられなかったのは残念です。