酒見賢一のレビュー一覧
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授業のネタになるかな~と買ったものの、なかなか機会がなくて…やっと1巻。『論語』の世界が実にファンタジック…つうかおどろおどろしく展開。
古代世界の重要事であっただろう呪術による権謀術数をクローズアップ。孔子も、弟子も卓越した呪術つかい。ピンポンのような呪の応酬。
注目の白川漢字のネタも交えつつ、がつがつ読みました。
いかんせん、中国ネタなので常用漢字だけじゃ読めない(涙)。
中国名前の扱いに慣れてくるとリズムが出てきます。メモ必携で読むべし。ああ、本に地図がついてるともっといいんだけどなあ。
中学生に勧めるつもりだったけど…読めないことはないけど、漢字マニアなのが前提かしら。 -
Posted by ブクログ
アニメ化もされた、中国が舞台と思われる王朝ファンタジー。主人公は銀河という女の子です。
1989年の第一回ファンタジーノベル大賞受賞作。
調べてみると、翌年の1990年3月21日に、確か金曜ロードショーの枠で、
『雲のように風のように』というタイトルでアニメ化されていました。
ということは、小学6年生の終わりに観ていたんだなぁ。
内容はさして覚えていないのに、何故か心にきゅんとしたものが残った作品。
原作が『後宮小説』という名前のものだということを知って、
いつか読んでやろうと思い20年…、
ついに、そのオリジナルの世界に心を投じることに相なった次第であります。
予想以上にえっち。
という -
Posted by ブクログ
酒見氏の特有な物語進行が面白いです。
孔子とシャーマニズムの話は大変深く興味を持ちました。
巻末に記載されてる参考文献に、漢字学の巨匠・白川静氏の著書が列記されていました。
一時、白川静氏の著書を少しだけ齧ったことがあり、漢字のシャーマニズム世界に感心したのですが、浅学ながら白川氏に孔子についての著書があるとは知らなかったです。改めて白川静氏の著書も(酒見賢一作品と共に)読みなおしてみたいと思います。とはいえ、白川静氏の著書は学者の出した本だから読進めるのにも一苦労なんだけども。
ところで、古い版のハードカバーでこのシリーズを読んでます。電車とかで読んでると、年齢的にはファンタジーな此の表 -
Posted by ブクログ
ネタバレ井上ひさしが「シンデレラと三国志と金瓶梅とラストエンペラー」と賞したチャイニーズ・ファンタジー。個人的には、一部の煽情的な記述が著者の妄想のあらわれとしか思えず、『家畜人ヤプー』を想起した。
この手のファンタジー作品は、作者がどれだけ異世界に没頭しているか、また、いかにして読者をその作者と同じ境地に引き擦り込むかが魅力だ。本当に優れたファンタジーは(例えばトールキンのように)情景の描写だけで、世界を形作る。突然、異世界に放り込まれた主人公の一人称で物語ることで、主人公の経験を通して世界を構築していく手法もある(『十二国記』とか)。本書は、(架空の)史書からの起こし書きという設定であるため、こ