酒見賢一のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレBSでアニメが放送されていたので懐かしくなり数十年ぶりに再読。こんなに読みづらかったかな。
後世の人間が歴史資料を読み解きながら書くという体裁なのだが、書き手の存在が頻繁に入り込むので物語に集中できない。
前半は後宮での房中術の勉強が続くのでちょっと飽きてくる。
けれど後半、銀河が正妃になったあたりから物語が一気に動き出すので面白い。
あの混乱期だからこそ銀河のキャラクターが生きてくる。
貴族の出であるセシャーミンは何故後宮を出た後に妓楼のおかみになったのだろう。
実家が没落していたのか、自分の力を発揮できる場所だと思ったのか。
銀河に初潮が訪れたのを本人が言うまでコリューンは知らなかったが、そういうのは周りの者が皇帝に伝えるのではないだろうか。
いろいろとひっかかるところはあるものの、勢いで読み切ることができた。
もっと銀河や他のキャラクターの活躍が見たかった。
あとアニメ版もやはり良い。 -
Posted by ブクログ
授業のネタになるかな~と買ったものの、なかなか機会がなくて…やっと1巻。『論語』の世界が実にファンタジック…つうかおどろおどろしく展開。
古代世界の重要事であっただろう呪術による権謀術数をクローズアップ。孔子も、弟子も卓越した呪術つかい。ピンポンのような呪の応酬。
注目の白川漢字のネタも交えつつ、がつがつ読みました。
いかんせん、中国ネタなので常用漢字だけじゃ読めない(涙)。
中国名前の扱いに慣れてくるとリズムが出てきます。メモ必携で読むべし。ああ、本に地図がついてるともっといいんだけどなあ。
中学生に勧めるつもりだったけど…読めないことはないけど、漢字マニアなのが前提かしら。 -
Posted by ブクログ
アニメ化もされた、中国が舞台と思われる王朝ファンタジー。主人公は銀河という女の子です。
1989年の第一回ファンタジーノベル大賞受賞作。
調べてみると、翌年の1990年3月21日に、確か金曜ロードショーの枠で、
『雲のように風のように』というタイトルでアニメ化されていました。
ということは、小学6年生の終わりに観ていたんだなぁ。
内容はさして覚えていないのに、何故か心にきゅんとしたものが残った作品。
原作が『後宮小説』という名前のものだということを知って、
いつか読んでやろうと思い20年…、
ついに、そのオリジナルの世界に心を投じることに相なった次第であります。
予想以上にえっち。
というか、性に関する記述が多いのです。
そりゃ、「後宮」が舞台ですからね、当然といえば当然なのですが、
ほら、アニメ化されていたでしょう、だから、もっと軽いファンタジー
なんじゃないかと高をくくってイメージしていました。
いやいや、ちゃんとした小説でしたねぇ。
中国を思わせる架空の国が舞台。
よって、漢文の書き下し文っていうのかな、
もう漢文は忘れてしまいましたが、
そういうのが出てきたり、
また語彙も豊富で、調べなきゃわからない言葉もけっこう出てきます。
じゃあ、イメージしていたのとは正反対に、堅い小説だったのかといえば、
そういうことでもなくて、主人公の銀河たちの話しっぷりは砕けているし、
やっていることもその記述も難しくはないです。
つまりは、硬軟織り交ぜたバランスの良い文体といえるでしょうか。
どうしてバランスが良くなるかわかりませんが、
読んでいてくどくないし、かといって質感が希薄なわけでもない。
ということは、現代的だということなのかな。
語り手の洒脱さも感じられます。
内容、とくに登場人物に関していえば、
記憶にある全てのキャラクターに、それが悪役だったとしても
過剰ないやらしさって無かったです。
良い意味で人間臭すぎないのでしょう。
悪く言えば、ちょっとみんな一面的すぎるきらいがあったかもしれません。
そうだとしても、だからこそ、主人公の銀河や脇役達に魅力を
感じるのでしょう。ときめきをもたらす魅力を持っています。
人間臭かったらこうはいくまい。
その場合は、徒労感や疲労感に付随する、ちょっとしたときめきっていう
ものにとどまるんじゃないかなぁって想像しますがどうでしょう。
恋愛でもそうですよね。中学生とか高校生とか、女子に幻想を持っていたり、
持たせらるような人のほうがときめきますよねぇ。
いや、そうでもないかな。何をしても、女子っていうものには、
男子をときめかせるポテンシャルが備わっているような気もします。
どうなんだろ、ごく浅い私見ですが、時代は、ポテンシャル勝負の時期と、
幻想をまとうことでの勝負の時期とを交互に繰り返しませんか。
みんながみんなそうなるってわけじゃないですよ。
そういう強弱がついたりしていないかなぁという気がしただけです。
と、話が脱線気味になってきたので、このへんで。
面白い小説でした。