新野剛志のレビュー一覧
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本書って・・・タイトルだけ見ると、テロリストとか政治絡みとか思っちゃいますよね〜。ごたくにもれず、私も・・・だから敬遠しておりましたです(苦笑)。内容を知り、な〜んだ!同じマルクスでも・・・とすぐにわかったものの、これがどういう風に絡んでいるのかな?と不思議に思っていました。芸能界の暗部に焦点を集め、世論によって人生を潰された男が身の潔白を晴らすというか、真実に向かって信念を貫き通すのですが、その姿がカッコイイ! ハードボイルドの魅力ですよね。それに先が見えず、どんな展開になるのかワクワクして読めました。やっぱ受賞するだけのモノがあるんですよね〜。
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Posted by ブクログ
新野剛志『空の王』中公文庫。
戦時中の満州を舞台にした600ページ余りの長編航空冒険小説。
余りにも出来過ぎた偶然が重なり過ぎる。飛行士としての腕比べをするでもなく、腕力による闘いが描かれる訳でもない。以上のことから全くつまらない小説だった。
昭和11年夏、新聞社で飛行士を務める鷲尾順之介は、到着したばかりの満州国奉天の町にあるサロンで、銃撃に巻き込まれた謎めいた美女歌手・宋麗林の命を救う。
一方、関東軍参謀本部の梶清剛大尉たちは極秘計画を進めており、順之介は梶に銃を突きつけられ、内蒙古から『荷物』を空輸しろと命令される。
本体価格1,250円
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Posted by ブクログ
ランニングミステリーという紹介文に惹かれて読んでみた本。
主人公が所属するランニングサークルでは賭けレースが行われていて、そのレースの直前に脅迫文が届き、殺人事件が起こる。
てっきり主人公が推理・解決していく話だと思って読み進めていたけれど、予想とは大きく違った展開に物語が走り出して驚きました。
世の中には色んなものに熱中・依存する人は多くいて、ランニングや賭け事もそういう人は多く存在する。私はこの本をミステリーというよりもホラーに近い感覚で読み進めていました。
解説の部分でタイトルの「溺れる月」の意味について考察されていましたが、私には太陽に照らされて輝く月が夜の闇に溺れていくという -
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新野剛志『キングダム』幻冬舎文庫。
中盤までは『罰』『八月のマルクス』時代の新野剛志が帰ってきた感のある作品だと思ったのだが、読み終えると消化不良というか、嫌悪感と喪失感だけの残る物語だった。枝葉のストーリーが交錯していく過程は面白いのだが、その枝葉のストーリーが余りにもありきたり過ぎて物足りなさを感じたのだ。
半グレ集団・武蔵野連合の頂点に君臨する真嶋貴士と元同級生の岸川昇、半グレ集団と暴力団の抗争殺人事件を捜査する刑事の高橋剛宏、モデル事務所にスカウトされる月子の4人を軸にストーリーは展開し、大きく予想を覆すこともないままに虚しい結末を迎える。 -
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あぽやんとは旅行代理店が空港に配置するお客様窓口にして空港エキスパートのことだそうだ。かってはあぽやんは空港業務の花形だったらしいが、いつしか旅行代理店の閑職となり、そこは左遷を意味する配置場所になってしまった。そこに若くして「飛ばされた」若者の職業成長物語。
空港で発生するトラブルにこんなものがあるのかっていう驚きが中心で、そこにどのように対処していくか、それが人間模様なのか、少々不思議な感じがした。軽妙で、多少人間関係にひねりがあり、ふてくされた若者が成長していく姿は読んでいて気持ちがよい。すらすらと読める。シチュエーションも初めてのなので新鮮だ。
しかし、物語としての奥行きのようなも -
Posted by ブクログ
まさか続編があったとは!
前作の文庫化から4年半。
本屋で見つけて嬉しさ以上に驚いた。 『もう覚えていないよ~』と思いながら読み始めたら全然そんなこと無く覚えてた。
登場人物がみんな魅力的だからなんだろうな。
元々職業物の作品が好きだから、贔屓目に見てしまうけれど、数年ぶりに読んでも色褪せないストーリー。
状況的に自分の今と遠藤が重なって、より感情移入したのかも。
気持ち的には最後の遠藤の活躍がもっとあったら嬉しいけれど、それだと嘘臭い話になっちゃうからいいバランスなんだろうな。
大矢博子さんの解説も良かったなぁ。
最初は僕が嫌いなタイプの内容を列挙するだけのものかと思ったら、細かい部分