新野剛志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
新野剛志著:「美しい家」
「煮詰まる」が「行き詰まる」のような意味に使われることはもはや誤用ではないのだろうか?
謎めいた書き出しに引き込まれて読み始めながら、わずか3ページで
「散歩は煮詰まったときにもちいる手軽な最終手段。」という文章にであってしまった。これは明らかに「アイデアが出ずにどうしようもなくなった状態」の意味で「煮詰まった」を使用していると考えられます。
さらに終盤に
「岩田は、錆びついた鋏の片割れを握りしめて佇む、若者を見上げた。」
という文章があるのだけれどこの場合2つの読点「、」は要るのだろうか??
読む時のリズムも壊す上にもしかすると意味も不明確になるのではないか?
子 -
Posted by ブクログ
まぁ、普通に面白かったけど。
マルクスって、表紙の絵と相まって、経済小説かなんかかと思って(アンダーグラウンド市場とかさ)、ちょっと仕事マインドが高まっていた時に買ったんだけど。
いや、お笑いって(笑)。
って感じでした。
別に、小説だから、面白けりゃいいんですけどね。
でも、なんていうか、いきなり、レイプに仕立て上げられたスキャンダル始まるし、なんか、そういうのあるよね、っていう負の部分ばかりすごい強調されて、ちょっと、辛かったかな。全体的に。
最後には、少しポジティブな話も出てくるんだけど、それも、ネガティブな中での再起、という感じだから、現実まぁそんなもんとは言え、そこまで晴れ晴れもし -
Posted by ブクログ
本書のタイトル、あぽやん。
何のこっちゃ?と思って読み勧めると一章の中で説明があった。
あぽとは空港のことだ。航空業界、旅行業界では、かつてテレックスを使っていた名残で、アルファベット三文字で事物を表すことが多い。旅客はPAX、航空券はTKT、ホテルはHTL、そして空港はAPO。それをそのままローマ字読みにしたアポは、普段の会話の中でもよく使われる業界用語だ。
本書は、空港勤務のエキスパート「あぽやん」を目指す青年の物語である。
いわゆる「お仕事」小説である。
「お仕事」小説......心ならずも「その仕事」に就くことになった主人公が、様々なトラブルに立ち向かいながら、その仕事の面白さ・やり -
Posted by ブクログ
第45回江戸川乱歩賞受賞作(1999年)
冒頭───
猫は眼だけを動かし、視線をよこした。
白目もないくせに小癪なまねをする。私は猫がいすわるドアのステップに片足をかけた。ここのところ三回に一回は見かける。斜めから射すスポットライトが温いのだろう。師走ももう間近だった。
会話文のぎこちなさがどうも気になって仕方ない。
ですます調で話していたかと思えば、急にため口になったりする。
特に何の理由もなくだ。
若いお笑い芸人とのやりとり。
事情聴取にきた刑事とのやりとり。
などなどで、そういう会話が多々見られる。
敢えて意図的にやる理由もないはずだから、違和感を覚えることこの上ない。
デビュー