新野剛志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1980年代のバブル経済に浮かれる日本を舞台にしたミステリー。江戸川乱歩賞作家が過去の善き時代へのオマージュと、今もなお続く格差に翻弄される若者たちを描く。交通事故の遺児である津田修介と檜山暁夫、橋本希美子の三人の高校生の出会いが前代未聞のカクメイ事件へとつながる。
確かに、あのバブル経済時代にテレビ局はバカな番組を数々生み出し、自分も含め、多くの日本人は何の疑問も抱かずにバカな番組を楽しんでいた。明るい未来が永遠に続くと勘違いしていたあの時代…
少し込み入ったプロットの割りには事件の真相と結末があっさりと見えてくるのが残念。若者たちの怒りのエネルギーがもっと伝わって来ても良かったのだが。 -
Posted by ブクログ
成田空港を舞台に描いた、旅行代理店の社員達「あぽやん」の物語。「あぽやん」の仕事は、発券ミスや予約重複など、空港のカウンター裏で起こるさまざまなトラブルを解決し、お客様を笑顔で無事に送り出すこと。とある三十路手前の男性あぽやん・遠藤の視点で物語は進んで行く。
本社で花形の道を歩んできた遠藤。しかし上に迎合しない性格の彼は、空港勤務に「飛ばされて」しまう。
お客様のために奮闘したり、上司と正面切って戦ったり、また解雇を言い渡すという思い任務を背負ったり、恋をしたり。
遠藤は最初は望まない転勤にくすぶっているのだが、自分なりのやりがいを見出していく。私も遠藤と年が近いので、性別は違えど、共感できる