藤井誠二のレビュー一覧
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人を殺した罪は償うことができるのか。本書はそれをテーマにした内容だ。「贖罪」という言葉で直ぐに思い浮かぶのは、人類が犯した罪をあがなうために自らが犠牲となったイエス・キリストの姿だ。私はキリスト教徒ではないが、誰もが十字架にかけられたキリストの姿を教会などで見たことはあるだろう。また凶悪犯罪を犯した者が服役中や出所後に綴った手紙や書籍を見たことのある方もいるだろう。罪を償うとは、善行を行ったり、金銭的に(特に被害者に対して)賠償したり、法によって服役し労働する、その対価を弁護士などを経由して寄付するなど、やり方は様々である。だが本質的に他人を傷つけたり、命を奪ってしまった事自体が赦される事があ
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沖縄の歴史と今を知りたくて現沖縄県知事デニー氏のことも知りたいと思って手にした本。沖縄について佐野眞一氏のルポに心揺さぶられたけれど、この著者も客観的にでも優しい視点で沖縄についてデニー氏について書いている。沖縄アンダーグラウンドは読んでいたがこの著者の他の本も読みたい。
政治的なことについては置いといて、沖縄タレントから県知事になった人の幼少期や青春期。デニーさん愛情深く育てられたんだなと思いました。
それとは別に、ずっと前の知事西銘順治が沖縄の心とは?の問いにヤマトンチューになりたくて、なり切れない心だろうと言ったということにハッとしました。 -
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藤井誠二『沖縄アンダーグラウンド 売春街を生きた者たち』集英社文庫。
2010年代の始めに浄化運動により消滅した沖縄県の売春街の記憶に迫ったノンフィクション。
戦後の長き間、米軍により支配され続けた沖縄県。米軍によるレイプなどの性犯罪や性病の蔓延を緩和するために造られた色街。当時は、稼ぐ手立てが無かったり、借金のために売春に手を染めざるを得なかった女性も多く居たようだ。支配されながら生きるために身を削った女性たち。
やがて、時代は変わり、それでも色街はスタイルを変えながら生き残るが、時代の要請により消滅を余儀無くされた。色街が消えた今もなお米軍が沖縄県に留まり、米軍による性犯罪は無くなら -
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現代社会の闇
クソ親や無関心な世間、保身しか考えない若者。この日本の現代社会をどう変えていったらいいのか。落ちるとこまで落ちた人間の方が国はたすけてくれる。一方で被害者達はいつまで経っても報われない。日本は残念な国になってしまった。
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「日本は沖縄を犠牲に発展してきた」
沖縄が日本に返還されてから、あと数年で50年が経過します。
僕が生まれる少し前にはまだアメリカに属していたという事がとても不思議です。
関東地方で生まれ育ってきた僕から見ると、沖縄はとてもおおらかで楽しそうで羨ましいなあと単純に思っていました。青い空青い海、皆踊って歌って・・・。子供頃はそんな風に思っていたし、今でも頭の中にぼんやりそういうイメージが有ります。
本書は沖縄が第二次世界大戦終結から、産業も無い中でどれだけ女性の稼ぐドルに依存して発展してきたのか。米軍兵からどれだけの性暴力や殺人行為を受けてきたのか。色町という場所の存在から沖縄の戦後75年を見 -
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ネタバレ沖縄に降り立てば灼熱の太陽と南国特有の熱気そして「なんくるないさ」と大らかな人々が出迎えてくれる。しかしそこは約19万人もの命が奪われた太平洋戦争唯一の国内戦地であり、1972年まではヴィザとパスポートを必要としたアメリカであった。構造的矛盾が生み出した歪と闇の緩衝機関が「真栄原新街」を代表とする特飲街であった。
本作品はその沖縄の特飲街を取材対象としたルポタージュであるがとにかく内容が濃い。「売春」がテーマだけに負のオーラが強く読んでる側の体力が削られるが、しかしそれに対価する内容だ。特飲街の歴史的生い立ちから従事した人々の生活と今昔、当時のメディアの捉え方など、あらゆる角度から「売春街と -
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論点が明確だからか、対談本にしては筋ははっきりしている。ただし、というかだからこそ二人の主張は交わらない。
藤井は、自ら行った多くの被害者遺族とのインタビューの後に、死刑存置に自らの意見を傾けることになったという。それは非常にアクチュアルな判断なのだと思う。しかしながら、死刑の存続の主張を、被害者遺族の応報によって立つ限り、被害者遺族がいなかった場合に死刑は必要なのかという根本的な問いに答えることができない。この点については森からも強く指摘されながらも藤井は答えを返すことができていないでいる(と少なくとも私には見える)。
死刑が統計的に犯罪抑止に貢献していない以上(これについては両者とも同意