石田衣良のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子どもの語り口調で物語が進んでいくので、
さほど重苦しさを感じませんでしたが、
大量の問題提起をしてますよね、これ。
報道のあり方とか、少年法とか、
いじめの問題にしても、
自分には関係ないとどこかで思っているから、
真剣に考えることもないし、
その裏側まで考えることもしないし。
でもホントはいつ自分に降りかかってもおかしくないし、
息苦しくて生き辛いって思うのもホント。
あ~なんかわかるわ~、
と14歳の子供の目線ではありえないけれど、
ちょっぴり共感。
でも、黒幕を死亡させてケリをつけるのはちょっと・・・。
綺麗にまとめようというか、
丸くおさめようとしたらそうするしかないのかもしれ -
Posted by ブクログ
小学生女児が殺害されて平穏な町は騒然となる。
その女児は中学3年生の主人公の妹と同級生。
そして犯人は中学1年生の主人公の弟だった。
ってことを軸に物語が展開される。
もちろん犯人はすでに分かっている。
タイトルの「うつくしい子ども」っていうのは、単純に言えば主人公の弟と妹は非常にかわいらしくて子役モデルなどもしていて母親から溺愛される。
でも一方の主人公の容姿は決してそうではない。だからと言って母親から嫌われるとかも全然ないけど。
主人公は「どうして弟がこんなことをやってしまったのか」という疑問を持ち、それを調べていく。
弟はいつまでたっても弟で、だから分かってあげなきゃいけないんだ。
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Posted by ブクログ
石田衣良本人の垢抜けた印象から、軟派でライトな小説を予想していたが、意外と硬派な犯罪小説だった。女の子は妖艶というよりは健気で献身的。お色気シーンはほとんどなく、男臭い話だ。伝説のギャンブラーの唐突な登場とか、安易なハッピーエンドとか、多少ご都合主義はあるものの、イケブクロのアンダーグラウンドを舞台に二転三転するストーリーはテンポがよく、文章も素晴らしくうまい。脇役たちのキャラクターもいちいち個性的で面白く、最後まで楽しく読めた。
主人公は映像ディレクターという職業柄、目に映った映像を記憶する特殊な能力がある。昔、子供向けの翻訳童話で「名探偵カメラちゃん」というシリーズを読み漁っていたことを思