前田司郎のレビュー一覧

  • 恋愛の解体と北区の滅亡

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    「恋愛の解体と北区の滅亡」「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」の2編。特に「恋愛~」は面白い。たった数時間の出来事と主人公の思考を密度濃く書いている。ラストに向けた求心力というか真中へぐいぐい引き込んでいく書き方は著者の「グレート生活アドベンチャー」にも共通しているが、本作のほうがより統合的な結び方をしている。

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    2010年04月01日
  • 生きてるものはいないのか

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    まさに「生きてるものはいないのか!」と叫びたくなるような作品。
    しかしそれは二重の意味をもっている。ううむ。

    何かが起こっているのだけれど、その正体がわからない、
    もしかすると何も意味はないのかもしれない、
    そんな“無気力”なかんじが面白い。

    舞台で観てみたかったなー

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    2009年10月07日
  • 愛でもない青春でもない旅立たない

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    ネタバレ

    主人公の大学生の「僕」は、特に大きな悩みもなく健康な日々を送っている。しかし、理由の分からない得体の知れない恐怖や焦燥感、寂しさに襲われる。愛や青春とは何か、旅立つべき場所はどこかといった問いを抱えながら、なんということもない日常と複雑な心理が描かれる。

    ・・・
    上記のあらすじ、geminiに作ってもらいましたが、ちょっと印象が違います。

    主人公の男性(大学生)、日常の意識は、エロいこと50%+何も考えていない50%、それくらいの勢いみたいに見えます。

    折角かわいい彼女がいるのに、クラスメートに欲情しちゃって、結局手を出しちゃう。

    駄目だと分かっているのに流されるのは人の常とは言えます

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    2025年11月22日
  • ジ、エクストリーム、スキヤキ

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    ネタバレ

    若者4人が、究極?のすき焼きを食べる場所を求めての小旅行物語。

    著者が脚本家でもあるからかもしれないが、会話の多い文章でテンポよく読み続けることが出来た。

    物語の中で、女性主人公が「好きな映画は?」と聞かれて答えに窮する場面があったけれど、確かにその気持ちは分かるなと。。

    私は学生時代に本棚に並べていた本には全てカバーを付けていた。これは、本を愛して汚れ防止とかじゃなく、知人が本棚に並んだ本の題名を見て、「私のことをこの程度の人間なんだ」と値踏みされるのが嫌だったから。
    三太郎の日記とかがあればいいんだろうけど、赤毛のアンとかさらにアンの青春まであったりするのが知れるとね~

    青春時代へ

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    2025年09月23日
  • 恋愛の解体と北区の滅亡

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    「恋愛の解体と北区の滅亡」(『群像』2006年3月)
    「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」(『群像』2006年5月)

     前者は2000年代の「戦争」をモチーフとした小説の一つ。語った言葉自体が自己展開していくような饒舌な文体で、「宇宙人」の反撃で「この世界」が終わってしまうかもしれない夜に、五反田のSMクラブに出かけていく男の意識に焦点化されていく。「北区」への「宇宙人」の攻撃は、どこかH・G・ウェルズの『宇宙戦争』のようでもある。
     語った言葉が自己展開するということは、主体の連続性・意識の一貫性が担保されないことを意味している。この男は、目の前の他者との間に開かれる場の空気に流されてい

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    2025年05月31日
  • 愛が挟み撃ち

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    途中まではおもしろく読んだ
    過去の部分は若さ故の感じがリアルだった~
    最後はなんか気分悪くなってしまった、、、

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    2024年09月13日
  • 誰かが手を、握っているような気がしてならない

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    サクサクとテンポよく読める文体だが、その作品内世界は不条理である。それなのに描かれているのは平凡な日常なのだから何をやろうとしているのか、全く分からない。結末まで読んでみたもののよくわからない人々が喋っているだけで何やら変な世界に放り込まれたような気分である。

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    2024年07月04日
  • 大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇

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    夫婦って長く一緒にいたりすると愛情がただの情になるとか空気みたいに存在になるとかってよく言うけど、それは確かにそうなんだけど以前は同じだと思ってた価値観がなんとなくずれてきてるって違和感を感じることも多々あったりして、一心同体のようでもやっぱり別々の人間なんだよな。夫婦って。
    ってことを改めて思ったりして。

    咲の思考が私とすごく似てて、変なとこにすごくこだわるとこ(例えば炊飯ジャー)とかちょっと冷めた目で物事を見る感じ(例えば野球のユニホーム)とかが面白かったな。

    不真面目なようで割と真面目なそんなお話でした。

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    2022年02月17日
  • 異常探偵  苺さん殺人事件

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    江戸川乱歩の明智探偵とか、少年探偵団好きの人が読んだらものすごい憤慨するか、アハハと笑って楽しむかに分かれそう(笑)。自分はそれほど明智探偵モノは読んでいなかったので、怪人とか懐かしいなぁとか思いながら読みました。

    小林少年の正反対の立場に居る、心は少年、身体は大人な彼が一番イラァっとするキャラでしたが、まぁ彼はそういう役どころなんでしょうね。不覚にも最後の辺りの、僕は死にますって所は笑ってしまいました(笑)

    なんとなくですが、殺人犯って統計的に男性の方が多いような気がするので、女性の、しかも性犯罪者って珍しいかも。しかも何したんだ、運動靴さんだか、ナントカさん…。確かに自分の子供が被害に

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    2021年04月22日
  • 園児の血

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    舞台は小学校だったり幼稚園だったりしますが、そこで繰り広げられるのは「こうして冤罪は生まれ、常に正しくあれと教えられた無垢な衆生は道標を失い、無限の荒浪へとその身をさらわれて行く」悲劇の物語でした。

    前者は気弱な娘の小さな嘘に、後者は大人の女の手管を弄した涙の武器に、男はあえなく社会から爪弾きされる立場に追い込まれるのであった。

    哀れなり、優等生男児、北村宗也君(小5)、ハードボイルド幼稚園児、タカシ君(年少)。

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    2021年01月27日
  • 園児の血

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    ネタバレ

    生臭いイヤミスを予想したのが間違いでした。いったい何を読まされたのか。

    ひとつめの話には浣腸だけで最後までひっぱられる。あれですよ、指を肛門に突き立てるやつ。あまりにカンチョーしまくるから、読んでいるだけでお尻の穴から血が出そう。卑猥な空気が見え隠れして、ちょっと不愉快。

    表題作であるふたつめの話は『ボス・ベイビー』的。「画竜点睛を欠く」などとのたまう四歳児。チビたちのヤクザみたいな会話にたまにふく。

    しかしどちらの話の男子も大差なし。そんなことでしか女子の気を引けないキミたち、大人になってもモテへんて(笑)。

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    2021年01月07日
  • 愛が挟み撃ち

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    2019.11.22

    タイトルは最後まで読むとぞっとする言葉
    表紙の写真の意図がよくわからない。
    不妊の夫婦が昔の友人の精子で妊娠する計画を(夫が独断で)する。
    酷く狂っている男。普通なはずがない
    結局道具みたいな扱いでできた子供2名付ける名前も名前でひどい
    ひどい暴力暴走の末路を見た
    三角関係の、「過去、現在、未来」それぞれに復讐を施しているようであった。
    なんとも後味の悪い小説か…。

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    2019年12月03日
  • 愛が挟み撃ち

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    ネタバレ

    似た設定?の、江國香織「きらきらひかる」と秋里和国「BBB」の両作のラストが不満だったので、このオチのつけ方はアリかな、と。
    BLかガチのゲイ向け官能小説なら水口ハッピーエンドになりそう。それがどういう形かは分からんけど。

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    2019年03月05日
  • 愛が挟み撃ち

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    先が気になって最後まで一気に読んじゃいましたけれども…まあ、著者の文章力のおかげなのか分かりませんけれども面白く読めたには読めましたけれども、果たしてこの話を受け入れられるか?? と問われれば答えは微妙ですねぇ…。

    なんか予めプロット?を作って書いたお話のように思いましたねぇ…さようなら。

    ヽ(・ω・)/ズコー

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    2018年09月15日
  • 愛が挟み撃ち

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    第158回芥川賞候補作。36歳の京子ともうすぐ40歳になる俊介夫婦は、子供ができない。俊介、俊介の友・水口、京子の三人の出会いより始まり、その関係が語られる。そして、俊介が提案した解決策は…。三角関係でしたね。それぞれがその人なりの愛を持っていた。三人は個性的なでもありがちな風で。それぞれの恋、愛の狭間で「愛」が生まれた。「愛」は大丈夫かなあと私は思うのだけれど。最後は特に喜劇風。三人の性格、思い、うまいように書き上げたけれど、好き嫌い別れる作品ですかね。

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    2018年06月04日
  • 生きてるものはいないのか

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    あれ?あれ?
    ある程度距離を置く他人同士
    寂しい気がするのは
    わたしだけでしょうか
    もういなくなるのだから
    その時のお願いくらい
    聞いてやってはいかがでしょう

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    2018年05月18日
  • 愛が挟み撃ち

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    種無しと言われた夫婦の妊活。種は同窓生に頼むことに。

    気味悪のような、根源的な、普通な、どう思えばいいのか

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    2018年05月10日
  • 恋愛の解体と北区の滅亡

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    「恋愛の解体と北区の滅亡」4…宇宙人の侵略中にSMクラブに行く主人公。そのやりとりがリアルなほどおかしみが増していく。

    「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」3…美意識最優先のタクヤのいきざま。着想とタイトルだけで成立。

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    2017年05月06日
  • ジ、エクストリーム、スキヤキ

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    今回も僕的には傑作! と思うんですけれども、案の定、特にこれといったイベントの起こらない小説でして、万人には勧めがたい…といった感じなので☆三つに…。

    まあ、僕的には気に入っているんですけれどもね! タイトルにスキヤキとありますから、当然のことながら登場人物たちはスキヤキを頬張りますわな…(!)

    まあ、あとは学生の頃の友人たちが集って何だか昔を懐かしんだり、昔と今の元カノ? を比べたりして時が経っていきます…。

    著者はもう四十前だと思うんですけれども、よくぞここまで学生の頃の何とも言えないモヤモヤとした感情…を忠実に再現できますねぇ…と感心ばかりの読後感でした。さようなら…。

    ヽ(・ω

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    2016年05月20日
  • 大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇

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    結構時間がかかったけれど、後半に地獄の青い人たちがふと寂しいことをいうのが胸にきた。
    炊飯器ほしいなぁ、五号炊きか、一升炊きかどっち買おう

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    2015年09月13日