前田司郎のレビュー一覧
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突然、
空から宇宙人がやってきて、
しかも、
それは圧倒的な恐怖ではなくて
動きもトロいし
なんだかはっきりしない宇宙人たち。
だからこそ曖昧で怖いのかもしれないけど。
宇宙人の支配下に置かれた日本。
そして東京。
事件が起こるのは北区。
宇宙人を殺した地球人。
宇宙人からの報復攻撃はあるのか。
そんな緊迫していそうな、
なんだか如何にもならなそうな状況で、
主人公は
恋愛を解体してみようとする。
愛とか恋とかって何?
憎悪とか衝動とかって何?
うへー、なんか面倒くせぇ。
連鎖ゲームのように
あちらへ、こちらへ、思考は動いていきます。
何がどうとか詳細に描かれている訳ではないけど -
Posted by ブクログ
「群像」掲載時と単行本で読みました。思い出しながらレビューなので正確ではない。
中篇「恋愛の解体と北区の滅亡」と短編「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」収録
「恋愛~」
宇宙人が東京に降り立った世の中、宇宙人殺害事件により外交問題に発展。宇宙人が声明発表を控えた日、だった気がする。そんな日に男は恋愛について考え、その解体のためSM嬢とのプレイを試みる。そんな話。
男のモノローグが自堕落に展開されていく。作風に好き嫌いはかなり分かれるかもしれない。個人的には町田康や舞城王太郎と同じカテゴリにおいてるのだが、両者に比べ視野は狭くスピード感はゆるい。文章自体も両者のような言語に挑戦する気概は -
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これまた三島由紀夫賞最終候補作だそう。
舞城とか金原ひとみとかそっち系でエロいけどグロくない文章の巧さ面白さに拍手!
宇宙人が出てくるんだけどやばいー。
電車のなかで声だして笑いそうになった。
大体うしろについてる短編のタイトルが
「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」
って私友達なくなりそー。
以下のくだりがすき。
僕はオシャレな不細工が男の中で一番哀れだと持っている。
種が埋まってない畑にばかりこつこつと水をやり、肥料を撒き、来る日も来る日もその畑のことを考えている。でも、芽は出ないんだよ。そこには種がないんだよ。あっちへお行き。そして崖の所で雷に打たれ、壮絶な最期を -
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新婚夫婦が盗まれた炊飯器を探すついでに、五反田とうきゅうの屋上から地獄へ新婚旅行に行く話。
映画を観たのち、原作があると知り購入。
映画で「ああ、ここいいな」と思ったところが原作にはない、ということが結構あったけれど、「えー映画の方がよかったー」ではなく、「わー違うバージョンだーなんか得したー」と思わせるだけの魅力がある。
でもまあ、文体も内容もそれぞれ激しく好き嫌いがわかれるタイプであるなあ、と思うので、人には熱心に薦めがたい。
でも薦めたい。
川上弘美「椰子・椰子」「神様」、紺野キリフキ「キリハラキリコ」、バリー・ユアグロー「一人の男が飛行機から飛び降りる」、あと岸本佐知子のエッセイが好 -
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映画版を見て、原作小説に興味がわいたので。
何だか余分な脱線的な描写は多いし、
舞台はなぜか地獄だし、
かといっておどろおどろしくなくゆる~いし、
何とも捉えどころがないのだけれど、
それでいて、日常でいつの間にか変容している感覚とか、
「どうでもよさげなこと」の大事さとか、
旅に出ることの楽しさと効能とか、
いろんなことが浮かび上がってくる物語。不思議です。
文章で読んでしまうと、
やはり映画版はゆるさとコメディ的なところばかりが
引き立ってしまっていたなぁと実感。
やはり、文章の些細なところに紛れ込んでいる機微を
映像で再現するのは難しいですねー。