前田司郎のレビュー一覧

  • 濡れた太陽 高校演劇の話 下

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    一体感が増してきた演劇部員。その中で起きる摩擦。舞台は上手くいくのか。太陽を含め、すべての登場人物に感情移入しやすく、最後まで面白く読み進めることが出来た。

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    2012年09月30日
  • 濡れた太陽 高校演劇の話 上

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    相原太陽を中心とした高校演劇の話。理屈っぽく、自己中心的、人との関わりが複雑、そんな高校生の毎日がテンポ良く描かれている。

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    2012年09月30日
  • 濡れた太陽 高校演劇の話 下

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    自伝的青春小説×演劇論
    演劇、ってそもそも恥ずかしいという著者の持論と思春期の過剰なまでの自意識と『モテ』への執着が、論理的にリアルに表現されている傑作。
    演劇が苦手な人にこそお薦めの一冊。

    記念すべき初戯曲『犬は去ぬ』が読めるのも楽しみ。

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    2012年09月15日
  • 恋愛の解体と北区の滅亡

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    突然、
    空から宇宙人がやってきて、
    しかも、
    それは圧倒的な恐怖ではなくて
    動きもトロいし
    なんだかはっきりしない宇宙人たち。

    だからこそ曖昧で怖いのかもしれないけど。

    宇宙人の支配下に置かれた日本。
    そして東京。
    事件が起こるのは北区。

    宇宙人を殺した地球人。
    宇宙人からの報復攻撃はあるのか。

    そんな緊迫していそうな、
    なんだか如何にもならなそうな状況で、
    主人公は
    恋愛を解体してみようとする。

    愛とか恋とかって何?
    憎悪とか衝動とかって何?
    うへー、なんか面倒くせぇ。

    連鎖ゲームのように
    あちらへ、こちらへ、思考は動いていきます。

    何がどうとか詳細に描かれている訳ではないけど

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    2012年08月21日
  • 誰かが手を、握っているような気がしてならない

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    でんぐりがえしで光速に達しようとする神様がすてき。
    異常なまでになだらかな放物線を描いて、とんだボールがはねてゆくようなリズムを感じた。
    どうにかこうにか、とにかく前に進まなきゃと頭をフル回転させて、なおかつマイペースに思考する人々のリズム感だろうか。

    人物の切れ間がない。
    わたしたちは時間や空間を言葉的なもので区切ってどうにか生活しているけれど、本当はひとつの存在かもしれない?

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    2012年08月04日
  • 濡れた太陽 高校演劇の話 下

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    この書き方に上巻で慣れたら、下巻は最初から快調に読み進むことができて、おもしろかった。舞台を作り上げるうえでのキモとか、演出家と役者の心の揺れとか、演じるうえで大切なこととか、興味深かった。
    ただ、作者が高校時代に書いたという戯曲(作中、みんなが演じる)は、いまひとつおもしろさが分からなかった。実際に動いてこそ…なのかな。

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    2012年07月27日
  • 濡れた太陽 高校演劇の話 上

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    人物に対する客観的評価がまさに著者が語っているようで面白い。
    演劇論もきっと著者の持ち物。面白い。
    個人的には太陽を応援してますが、どうなるやら。
    下巻へ続く。

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    2012年07月21日
  • 誰かが手を、握っているような気がしてならない

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    気づいたら話し手が変わってるけど、それすらたのしくて読み進めるうちに、そのスピード感にもだんだん慣れる。
    ナオの言葉が少ない気がする。
    結局ナオの言うように、お父さんは瀕死状態で、病院かどこかのベッドで寝てて、この話はお父さんが創ったお父さんが神の世界なのかな。続きそうな終わり方

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    2012年06月03日
  • 愛でもない青春でもない旅立たない

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    前田司郎のデビュー作。現実と夢が入り交じった圧倒的な世界観の中で、くだらなくも切ない青春が繰り広げられる。最初から最後まで衝撃でした。

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    2012年03月11日
  • 恋愛の解体と北区の滅亡

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    「群像」掲載時と単行本で読みました。思い出しながらレビューなので正確ではない。

    中篇「恋愛の解体と北区の滅亡」と短編「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」収録

    「恋愛~」
    宇宙人が東京に降り立った世の中、宇宙人殺害事件により外交問題に発展。宇宙人が声明発表を控えた日、だった気がする。そんな日に男は恋愛について考え、その解体のためSM嬢とのプレイを試みる。そんな話。

    男のモノローグが自堕落に展開されていく。作風に好き嫌いはかなり分かれるかもしれない。個人的には町田康や舞城王太郎と同じカテゴリにおいてるのだが、両者に比べ視野は狭くスピード感はゆるい。文章自体も両者のような言語に挑戦する気概は

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    2011年12月17日
  • 恋愛の解体と北区の滅亡

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    これまた三島由紀夫賞最終候補作だそう。
    舞城とか金原ひとみとかそっち系でエロいけどグロくない文章の巧さ面白さに拍手!
    宇宙人が出てくるんだけどやばいー。
    電車のなかで声だして笑いそうになった。
    大体うしろについてる短編のタイトルが
    「ウンコに代わる次世代排泄物ファナモ」
    って私友達なくなりそー。

    以下のくだりがすき。

    僕はオシャレな不細工が男の中で一番哀れだと持っている。
    種が埋まってない畑にばかりこつこつと水をやり、肥料を撒き、来る日も来る日もその畑のことを考えている。でも、芽は出ないんだよ。そこには種がないんだよ。あっちへお行き。そして崖の所で雷に打たれ、壮絶な最期を

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    2011年10月18日
  • 恋愛の解体と北区の滅亡

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    ネタバレ

    ちょっと変わった男の頭んなか覗いてるようでおもしろかった。

    個人的に好きなのは、
    宇宙人が池袋に降り立ったときUFOから降りてくる描写と、
    電車内で見かけたおしゃれなブサイク(男)に対する主人公の感想。

    種をまいてないところに一生懸命水をかけているようなもの、
    というのにはすごく同意笑。

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    2011年08月14日
  • 誰かが手を、握っているような気がしてならない

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    自分と他人と世界の境目が曖昧になる。スライドしてゆく思考。もはや神が誰なのかわからない。めくるめく、閉じた世界。いつまでも読んでいたい。

    「私は言葉に囚われた時点で、すでにもう神ではないのではないか。」
    言葉の限界。

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    2011年08月08日
  • 大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇

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    新婚夫婦が盗まれた炊飯器を探すついでに、五反田とうきゅうの屋上から地獄へ新婚旅行に行く話。

    映画を観たのち、原作があると知り購入。
    映画で「ああ、ここいいな」と思ったところが原作にはない、ということが結構あったけれど、「えー映画の方がよかったー」ではなく、「わー違うバージョンだーなんか得したー」と思わせるだけの魅力がある。
    でもまあ、文体も内容もそれぞれ激しく好き嫌いがわかれるタイプであるなあ、と思うので、人には熱心に薦めがたい。
    でも薦めたい。
    川上弘美「椰子・椰子」「神様」、紺野キリフキ「キリハラキリコ」、バリー・ユアグロー「一人の男が飛行機から飛び降りる」、あと岸本佐知子のエッセイが好

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    2011年06月26日
  • 大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇

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    映画版を見て、原作小説に興味がわいたので。

    何だか余分な脱線的な描写は多いし、
    舞台はなぜか地獄だし、
    かといっておどろおどろしくなくゆる~いし、
    何とも捉えどころがないのだけれど、
    それでいて、日常でいつの間にか変容している感覚とか、
    「どうでもよさげなこと」の大事さとか、
    旅に出ることの楽しさと効能とか、
    いろんなことが浮かび上がってくる物語。不思議です。

    文章で読んでしまうと、
    やはり映画版はゆるさとコメディ的なところばかりが
    引き立ってしまっていたなぁと実感。
    やはり、文章の些細なところに紛れ込んでいる機微を
    映像で再現するのは難しいですねー。

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    2011年05月28日
  • 愛でもない青春でもない旅立たない

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    意味はよく分からんけど嫌いじゃない。
    大学生のうちに読んどいて良かったかなと思う。
    学内の様子とか和光生にとってはほんともう眼に浮かぶようなので不思議な気分です。

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    2011年04月06日
  • 大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇

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    読み始めての方は、登場人物の思考の移り変わり(の表現)に慣れず読み進めるのにちょっと苦労したけど、でも人の思考なんてこんな風にまとまってないよな、と思ってからなじんですらすら進められた。

    地獄だけど「何が起こるか全くわからない!」ではなくて、普段自分たちの日常にある部分(温泉とか特に)がちょっと変で、そういうところを頭で想像しながら読むのが楽しかった。

    最後は思いがけずほっこりした。

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    2012年04月19日
  • 大木家のたのしい旅行 新婚地獄篇

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    著者が劇作家という予備知識があるからそう思ってしまうのかも知れないが、読んでいると暗転があるような感じで、リズムがついて読みよい。
    地獄についてからは短い1章の中でオチがついていたりしてこれが笑わす。前田司郎なので、普通の小説ではないとは思っていたが、本当に地獄に旅行させちゃうとは。それだけで笑かす。
    「恋愛の解体と北区の滅亡」の文庫化求む。

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    2011年03月28日
  • 愛でもない青春でもない旅立たない

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    小説なんかによく出てくる、どこにも行き場のないような閉塞感のある学生生活を描いた作品。文体は結構好き。何でもかんでもエロに紐づけて考えてしまう主人公にも結構共感が持てたりして。もうちょっとボリュームがあればなぁ。

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    2011年03月22日
  • 愛でもない青春でもない旅立たない

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    青春が永遠に去らない、話。

    男女の微妙なもつれとか
    桃太郎の描写にあわせた男女の情事とか
    みんなに知られず絵を描いていた元彼女の個展で見たアレとか
    ソレが誰のアレで俺のじゃないとか
    青くさい話。

    五反田団という劇団の主宰がはじめて書いた小説らしいです。
    わりと好き。

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    2011年03月05日