加藤忠史のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
過去にうつ病や適応障害、複雑性PTSDの併発病があるため、自分の症状が本当に双極性障害なのか、愛着障害や境界性パーソナリティ障害なのではと疑う日々に終止符が打たれた本でした。
「軽躁状態を本来の自分だと錯覚する」が思い当たる節がありすぎる(笑)
ただ、いかんせんわたしは思春期から発病しており病歴が長すぎるため、診断がでる前から躁鬱エピソードに思い当たる節があるため、逆にゴールが見えなくなった部分もあります。
過去に飲んだ薬の効果や、症状の経過によって何故医者があんな風に薬を変えたかも納得することができました。
脳の病気であること、主な治療は薬物療法と認知行動療法の両輪であることはわかったので -
購入済み
わかりやすい
病気の基礎についてわかりやすかったです。初めてこの病気について知るにはいい本だと感じました。
自分で病院のことなどいろいろ調べてから、自分に合う治療法を探すことが大切だと思いました。 -
Posted by ブクログ
タイトルに偽りあり、といえば偽りありではあります。動物に「うつ」があるのか、ということが主問題ではなく、動物研究から人間の「うつ」を理解することはできるのか。そもそも「うつ」のち療法をどうやって確立していけば良いのかってのがメインテーマ。その過程において「動物に”うつ”はあるのか」という問題を解決しないと前に進めないよねって、ことであり。
著者の加藤先生はSTAP論文で揺れている理研のチームリーダーです。一度だけお会いしたことがありますが、研究内容も、人柄も素晴らしい方でした。本書にもその人柄が現れています。もちろんたった一度会っただけでその人の本質なんかわからないだろうし、そもそも「その人 -
Posted by ブクログ
名前こそ出さないものの、サイエントロジーの反精神医学が批判されている。
動物実験を中心とした基礎研究の紹介が主で、一方で臨床研究も紹介し、精神病の解明と治療法の確立のためには両者の協調が必要だと説く。
その過程で、精神病研究の実際についてかなり詳しく知ることができる。
このこと自体が、安易な薬物療法否定論に対する、説得力のある反論の材料になっている。
精神病は脳の病気であるというのが著者の見方。「心の病」というのは不適切で、「病」は脳の器質的な病変に原因がある。現在その病変が明らかにされていないため、「心の悩み」と「病」が混同されることがあるのだという。
「うつ病など気合が足りないか -
Posted by ブクログ
ネタバレ[ 内容 ]
日本のうつ病等の気分障害患者が90万人を超えた。
だが、病因が解明されていないため、今のところ処方薬も治療法も手探りの状態にならざるを得ない。
一方、最新の脳科学で、うつには脳の病変や遺伝子が関係することがわかった。
うつの原因さえ特定できれば、治療法が確立できる。
今こそ、最先端脳科学と精神医学を結びつける研究環境が必要だ。
うつ研究と脳科学の世界最新情報から、今後、日本がとるべき道までを示した、うつ病診療の未来を照らす希望の書。
[ 目次 ]
第1章 現代の社会問題としてのうつ病
第2章 うつの現在、過去、未来
第3章 脳科学の到達点
第4章 うつ病の脳科学1―うつ病の危険 -
Posted by ブクログ
「国というものがなんだかよくわからない」といった首相がいたようですが、うつ病の原因は究明されているとは言いがたく、手探りの状況であることをこの本を読んではじめて知りました。
診療内科医に対する患者や家族の不安や不満は、こういった現状を知らないことにも一因がありそうです。
とはいえ、日本における脳科学の研究が世界の先端をいっており、解明が進めば原因がつかめそうなところまで迫っているというのは希望が持てました。
うつ100万人時代ともいわれる現代だからこそ、病気の治療を医者任せにするのではなく、ひとりひとりが十分な知識を持つことが大切なんだろうと思った次第です。