あらすじ
うつでは生きているのもつらくなり、躁では気持ちが高ぶるという双極性障害。診断が難しく、発病がうつ状態からの場合は、まずうつ病と診断されます。躁状態のときに間違えられやすいのは統合失調症です。正しい診断に行きつくまで8年というデータがあるほど。発病の戸惑い、診断されたショック、将来への不安、そして家族への思いまで、理解されにくい本人の苦しみと感情の動きをイラストで紹介していきます。※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字だけを拡大することはできませんので、タブレットサイズの端末での閲読を推奨します。また、文字列のハイライトや検索、辞書の参照、引用などの機能も使用できません。
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Posted by ブクログ
2013年初版とのことで、情報やデザインが少し古く、読みづらいのではないかと不安もありましたが、実際に読んでみると、とても読みやすかったです。
双極性障害の当事者である私にとって、思い当たる節がたくさんあり、共感しながら読み進めることができました。特に、「躁状態が本来の性格だと間違われてしまう」「本当の自分が何なのか、分からなくなってしまった」という部分は、直近の自分の悩みと重なり、とても印象に残りました。
また、「発病の原因ではなく、発病のトリガー」という一文には、目から鱗が落ちる思いがしました。私の場合も、発病前の出来事を原因だと思い込んでいたことがありましたが、この考え方で少し気持ちが楽になりました。
さらに、「双極性障害は遺伝病ではない」という一文は、家庭環境に悩んでいた私にとって、とても安心できる内容でした。
妄想や幻覚、イライラについては私には当てはまりませんでしたが、他の当事者の気持ちを想像するきっかけになり、とても勉強になりました。「春~夏は躁、秋~冬はうつ」という季節の波も、私には当てはまりませんでしたが、それぞれのパターンの多様性を知ることができました。
特に共感したのは、「本来の自分がわからなくなった」という部分です。最近、家事を頑張ったり丁寧な生活を送れている自分が、躁状態だからそうなのではないかと悩んでいましたが、この本を読むことで、自分の気持ちや行動の整理に少し役立ちました。
総合的に、双極性障害の当事者にとって共感できる部分が多く、学びもある一冊だと思います。
Posted by ブクログ
躁うつ病のあれこれを患者の周りの人々に分かりやすく伝える。イラストや図が多く、ページ数もほどほどなので、まずは取り急ぎ躁うつ、双極性障害に触れたい人にもってこい。うつの時、躁の時、どんなことが起こりうるのか、知っておくだけでも価値がある。双極性障害を知る手始めにどうぞ。
Posted by ブクログ
双極性障害のことが、とても易しく理解できるように工夫されていて、手っ取り早く病気のことがわかる良書。
躁状態にはなかなか気づけないが、この本に書かれている注意点を観察すれば、医者の受診を勧めるきっかけはつかめると思う。
病気の人への対応方法も書いてあるので、病気じゃない人も読んでほしい。
Posted by ブクログ
「双極性障害の人の気持ちがわかる本」として企画されていたが、それではよくないということでこの本の書名となったようで、双極性障害の著書も多い加藤忠史氏の監修の本。
内容は既刊の双極性障害の内容をまとめなおした本であるが、病気を抱えている本人の周りにいる人が病気を理解し支える視点から読みやすい本だと思う。
5章に分かれており、発病から診断まで、症状、治療方法や治療の流れ、社会生活との関係、人間関係について、まとめている。病気の人に接せる人は図やイラストも多いので理解しやすいと思う。
Posted by ブクログ
家族や周囲の人向けの本ですが、当事者の私が読んでもいいかと購入。
私は転居もあり発症時の対人関係にある程度区切りがついているとはいえ、豊富な事例や表情豊かなイラストを見ると、失ったものもそれなりにあったのだと改めて思い出し…読後少し落ち込みました。うつ状態の時はきついかも。
去年大和出版からやはり加藤先生監修の書籍が出版されています。薬剤や生理面では大和出版の方が詳しいですが、事例が多くより読みやすい印象を受けました。
Posted by ブクログ
丁寧で分かりやすい。加藤先生の本はかなり読んでいます。ただ「お医者さん」なので、当事者として「?」「そうかな」と思わされます。これはどの先生でも感じます。当事者の体験記でもいろんな症状があるから難しいですよね。
Posted by ブクログ
まえがきによると、当初「双極性障害の人の気持ちがわかる本」という書名で企画されていたが、それは誰にも分からないのではないか、でも患者さんの気持ちを知りたいという人のために役立てばーという経緯でこのタイトルになったそうです。
躁のとき、うつのとき、社会生活や人間関係、治療… 具体例が沢山紹介されていて、双極性障害の人の気持ちを考える入門書として平易で分かりやすかったです。
それにしても、精神障害と共に生きるということの大変さは計り知れません。よりよい治療法、薬が開発されることを願います。