加藤忠史のレビュー一覧
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うつ病研究の最先端が分かり、知的好奇心を満たすとともに新しい治療法への希望がわいてくる。
分からないことは分からない、研究課題だとしており誠実な態度。
東大闘争が大学病院の精神病研究に30年の停滞を招いたとある。サヨクの黒歴史がここにひとつ。精神病は存在しない。精神病は弱者を抑圧するために社会が作り出したシステムだというトンデモ理論がかつて横行していたことは記録しておくべき。
うつ病研究の発展には研究者の努力もさることながら、社会の要求も高まる必要があると著者は訴える。自殺者の多くが罹患しており、少なくない割合の勤労者が休職や失職に追い込まれるこの病気は、もっと世間から注目され、対策や救済の機 -
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「もっと、もーっと、おねがい❤️」
と言ったのはマイメロアニメ版シリーズ2だが、本書も前著に続く2冊目であることを、読み始めてから知った。
連続ものではないので本書から読み始めてもまったく問題はない。
理解されづらい双極性障害の症状や日常での困りごと、家族や周囲の抱える悩み、さらには薬物療法のことや最新(本書刊行当時)の研究動向まで、非常に広くカバーされており、本書を読むと概略が掴めると思う。過不足なく、寮もちょうどよく、そして何よりレイアウトが読みやすい。かわいいイラストや図表もあり、痒いところに手が届く一冊。
セルフケアの仕方、注意点、寛解後の再発予防についても触れられており、双極性 -
Posted by ブクログ
なかなか読み通すのは大変ではある。
でも、精神疾患についての研究の現在の、一角は見えてくる。
パーキンソン病やアルツハイマー、ALSなど、脳細胞が大量死する「神経変性疾患」は、脳そのものの変化から診断される。
けれども、精神疾患は、従来確認できる脳の異常がなく、症状から判断するしかなかった。
そのため、ある症状が主症状なのか、他の障害から来る二次的なものなのかの判別も難しく、投薬その他の治療がうまくいかないこともあったという。
本書は、そういった精神医療の困難に対処するため、さまざまなアプローチの研究が発展したことを紹介していく。
脳の神経細胞のはたらきを解明して、神経の情報伝達回路の変 -
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12の先端研究が「こころの病気」もなんらかの物理的異常に由来することを可視化する
国内の12の先端研究を研究者自らが解説する形式なので「かなり高度」。医師や医学生、あるいは生物学の研究者向けの本と考えたほうがいいくらいのレベル。しかし、かなりバラバラな研究の寄せ集めでもある。入口としてはいい。この先、診療をやりながらこの本に書かれていることが実用化されていくのを実感するときが来ると面白い。
第1部は病因論の総論3題
第1章 シナプスから見た精神疾患(研究者リンク)
第2章 ゲノムから見た精神疾患(研究者リンク)
第3章 脳回路と認知の仕組みから見た精神疾患(研究者リンク)
シナプスにお -
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レビューが追いつかない…
新生活が始まってすぐにゴールデンウィークに入って、そのまままた新しい一週間が始まった。
仕事も、楽になったはずの通勤にもあんまり慣れなくて、なかなか読書の時間がとれない。当然、レビューを描く時間なんてもっととれない。
先月読み終わった作品のレビューを、今さらながらに描いてみることにする。
これだけ医学が進歩しても、未だに解明されていない、うつ病、統合失調症、発達障害などの精神疾患の謎に迫った作品。
無事精神保健福祉士の資格を取得したわたしとしては、とても興味深い作品として手に取った。
(みなさん本当に応援してくださりありがとうございました!)
細胞学、遺伝学、神