村上陽一郎のレビュー一覧

  • 新しい科学論 「事実」は理論をたおせるか

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    この本を読んでいると、理解できてなるほどと思う箇所と、なんのこっちゃって箇所があった。
    サブタイトルの「事実は理論をたおせるか 」に関することも自分の読解力・理解力不足から述べられない。
    そして要点をまとめて感想を書け、と言われても自分の頭では無理なので、
    とりあえず、自分がなるほどと理解できた箇所・そういう考え方もあるのかと意表をつかれた箇所を記録するに
    留めたい。

    ●人間が五感を使って感じている(感じ取れている)ものは自然の中のごく限られた範囲である。
     →つまり人間がいまの人間の姿・特徴であるからこそ感じる世界であって、犬やコウモリや細菌には
      また違った世界がある。人間が知覚(色を

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    2009年10月04日
  • 新しい科学論 「事実」は理論をたおせるか

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    20年くらい前、大学生のときに読んだ本を読み返した。演繹と帰納、科学の進歩とはなにかという根源的な問いに、人間の認知という側面を取り入れて論じている。科学をやる人は読んでみるとよい。

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    2009年10月04日
  • 「専門家」とは誰か

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    専門家とジャーナリズムの比較等があった。討論ではなく大学の研究者がそれぞれの専門において専門家について述べたものである。
     学生にとってはあまり役に立つものではないような気がする。

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    2023年01月10日
  • 「専門家」とは誰か

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    隠岐さやかさん、瀬川至朗さんの論稿が面白かった。
    隠岐さんの論稿は、近代フランスにおけるprofession(法律家・聖職者・医師等の、特定領域での公的判断を行う者)とexpert(個別領域における技術的な助言を行う者)の関係性を取り上げ、expertがどのように地位を確立していったかについて文献に基づいて解説している。
    瀬川さんの論稿は、自らの記者としての失敗経験をもとに、記者としてどのように専門家への取材に臨むべきか、専門家としてどのように記者からの取材に臨むべきかの提案を記載している。

    その他たくさんの著者による論稿があるが、誰がどのような視点で稿を寄せているのかを、冒頭でまとめておい

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    2023年01月05日
  • 科学史・科学哲学入門

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    純粋な科学哲学を語るまでには至っておらず,その前段階の「科学史」と「哲学」についての解説となっている。

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    2022年06月23日
  • 科学史・科学哲学入門

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    2部構成です。

    第Ⅰ部は、科学とキリスト教の関係について。
    例えば、近代合理主義と自然科学はキリスト教を否定して始まったと考えられがちだけれど、カトリックに投獄までされたガリレオ=ガリレイの信仰は確固としたものだった。むしろ彼の科学は神のことばを自然の中に求めるというモチベーションに支えられていた、というような話です。

    第Ⅱ部は、哲学について。
    素粒子は目で見ることができません。素粒子の存在は、あくまで科学的知識・理論のネットワークによって認められたものです。
    他方、目の前にある物(例えばペン)は、人間が直接経験できます。しかし、ペンの存在は、人間の持っている概念や認識枠組みによって認めら

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    2022年04月02日
  • コロナ後の世界を生きる 私たちの提言

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    直前に読んだ『コロナ後の世界』と比較すると、ミクロ視点だったり、誰かを批判したりする意見が多く、前向きになれたり今後に希望が持てたりという感じが少ない。テレワークができない仕事でも無人化などのテクノロジーを使うメリットを見出す機会にはなるかも。そんな事も含めて、未曾有の非常事態であるが故に、今まで惰性で続いてきた、理由など考えたこともなかったような物事を今一度見つめ直す機会になる。そこに目をつぶってやり過ごすこともできるかもしれないけれど、しっかりと不都合に対峙して、勇気を持って変えるべきときなのだと思う。

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    2021年03月07日
  • コロナ後の世界を生きる 私たちの提言

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    ネタバレ

    コロナが見せた、私たちの社会の未来。

    私たちは今、未曾有の事態の真っ只中にいる。ここから私たちは、何を考え、何を変えようとするのだろうか。様々な分野の人からの提言をまとめている。日本だけではなく、イタリアやドイツなど、海外の様子も描かれている。これは記録である。

    緊急事態だからと、本来なら認められない政策に飛び付きたくない。緊急事態であろうとなかろうと、収入を減らした人や、感染症に弱い人に対して、サポートを手厚くしてほしい。緊急事態だからではなく、そろそろ本気で移動や流通のコストだったり、場所の共有だったり、エネルギーの使い方だったりを考えなければ。そして、緊急事態であっても、芸術やスポー

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    2021年02月21日
  • 新しい科学論 「事実」は理論をたおせるか

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    クーンの「パラダイム論」に代表される「新しい科学論」の内容を、中高生向けに解説ている本です。

    著者は、わが国に新科学哲学を紹介することに長く力を注いできた研究者です。本書は二つの章に分かれており、第一章では常識的な科学観にひそむ前提がとりだしされています。第ニ章は、前半で示された科学観をひっくり返す新科学哲学の見かたがわかりやすく解説されています。著者は、現代の啓蒙主義的科学観の来歴を訪ね、キリスト教的世界観に根ざしつつ、そこから脱却する努力のなかで形成されてきたという文化史的な考察がおこなわれています。つづいて、ハンソンが主張した「観察の理論負荷性」にかかわる認識論的考察が展開されます。

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    2020年11月27日
  • コロナ後の世界を生きる 私たちの提言

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    ネタバレ

    岩波らしくいろんな人が書いていて、それが2020年5月くらいのもの。今読むといろいろと面白い。後の話にはなっていないけど。

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    2020年11月13日
  • コロナ後の世界を生きる 私たちの提言

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    しばし、品切れになっていて、きっと多くの人が読んだんだろうな〜。

    いろいろな分野の多様な人たちが「コロナ後」について、語っている。なるほどね〜な多様な意見があって、ハッとする新たな視点がある。

    にもかかわらず、なんだか、そうだろうな〜という気持ちになってしまうのは何でだろう?

    そんなことを思いながら、最後のクロージングにむけて、藻谷浩介さん、内橋克人さんの論考におおっとパワーをうけとる。そして、最後のマーガレット・アトウッドさんのシンプルなメッセージが心に響く。

    「コロナ」本、やっぱたくさんでているな〜。もうちょっと読んでみよう。

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    2020年09月16日
  • コロナ後の世界を生きる 私たちの提言

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    イマココで起きている問題、少し未来のパースペクティブ、大きな円環の中での位置づけ。
    コロナ禍においての雑多なコラムには、頷けるものも眉を顰めたくなるものもある。驚くような視点や、執筆から数カ月しか経過していないのに陳腐化したものもある。
    ここになにか一つの正解があるわけではなく、共感できるできないにも差異がある。だが、近い将来にはわからないがイマココでは読む意義のある一冊だ。

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    2020年08月20日
  • 読書会ブームが来た!

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    読書会の魅力を知ることができる

    書かれた時期が少し前なので、現在は異なっているものもあるかもしれません。
    それでも、読書会というものに関する知識を得ることができ、長所を学ぶことができました。

    印象に残ったものは、江戸時代の「会読」について書かれている項です。

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    2020年02月13日
  • 科学者とは何か(新潮選書)

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    科学が引き起こした問題,社会や科学の変遷により求められる新たな科学者像を通して,自然科学系,社会科学系の区別なく学ぶ必要性を感じさせてくれる本。

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    2019年03月08日
  • 科学の現在を問う

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    研究者やその支援者は、多くの場合、グラントの獲得と交付の維持に日夜関心を持ち続けている。「国家が科学研究の成果を、国家目的のために収奪」(p.26)していることの裏返しなのだが、当然それによるメリット・デメリットの双方を我々は享受している。この意味で科学研究は、社会の一部を構成するシステムともいえよう。

    また意外に、研究を行う場である大学における教員に対する注文が厳しい。この点が他の科学史家、科学社会学者より目立つと思った。

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    2016年08月16日
  • 科学の現在を問う

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    東海村での核燃料製造会社JCOの臨界事故や、クローン羊ドリーの誕生、日本初の脳死者からの臓器移植など、出版当時に話題になったニュースを取り上げながら、社会の中での科学・技術のあり方について論じた本です。幅広い題材を扱っているために、個々の問題点についての掘り下げは足りないようにも思えますが、それぞれの問題について考えるための入口の役割は果たしているのではないでしょうか。

    科学は元来、自然を探求したいという研究者の純粋な知的関心を追及する活動として生まれたと著者は言います。それはいわば、クライアントを前提としない活動であり、そのような科学の性格は、内部倫理だけを考慮すればよいような科学の世界を

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    2015年07月07日
  • 人間にとって科学とは何か(新潮選書)

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    リテラシーの大切さと、文化上意識しなければならない科学の在り方についての初心者本。
    リスクについての、解説が分かりやすい。
    良書ではあるが、好みは分かれると思う。

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    2014年11月03日
  • 人間にとって科学とは何か(新潮選書)

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    つい先日、小飼弾氏が「科学的とはどういう意味か」という本の書評をしていた。

    小飼弾氏による科学の定義とはたったの一行。
    「科学とは、知をもって信をおきかえること」
    つまりは、純粋な真理の探究としての科学研究について語っている。

    しかし本書は、"人間にとって"科学とは何かというタイトルであり
    社会の中における科学のあり方をテーマとしている。

    今日の体系だった科学というものの歴史は、意外にもそれほど古いものではなく
    始まってからまだ200年程度しか経っていない。
    だが、科学から生まれた力は
    良くも悪くも社会を大幅に変革するようになってしまった。

    地球

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    2013年08月28日
  • 新しい科学論 「事実」は理論をたおせるか

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    ネタバレ

    新しい科学論についての本。著者である村上の主張が示されている。
    常識的な科学論の説明も丁寧で、かなり読みやすいと思う。

    著者自身は中高生にと言っているが、読めなくはないが難しいんじゃないかと思う。

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    2014年12月19日
  • 人間にとって科学とは何か(新潮選書)

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    「生命経済学」のテキスト。社会の中の科学の位置づけについて述べている。後半は要点がつかみづらかった。

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    2012年06月08日