村上陽一郎のレビュー一覧

  • エリートと教養 ポストコロナの日本考

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    教養の本質を問う。皆が欲望のまま好き勝手に行動すれば他者と共存できなくなるため、教養あることは無分別な行動を戒める理性に繋がる。理性的に行動しようと思えば、視野広く物事を考えなくてはならず、自然と知識も増えていきそう。言葉や習慣など、現代の感覚で安易に取捨選択するのではなく、それが持つ意味や背景を熟知し、慎みを持って他者のために尽力できる人こそ真のエリートなのだろう。本書を読んでそう感じた。

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    2022年04月07日
  • コロナ後の世界を生きる 私たちの提言

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    本が出された時から状況は変化していますが、各分野の方が提言する内容には参考になる事が沢山ありました。コロナ後を前向きに考えるためにはやはり国民一人一人が客観的・多角的な知識を得ていかないといけないと、強く思います。問題は沢山あります。簡単に変化もしないでしょう。でも多くの第一人者がヒントを沢山与えてくれています。それをどんどん吸収して、市民として国民として出来ることをやろう、そんな気持ちになりました。また時を経て同じ著者の方々の提言が読みたいと思いました。

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    2022年02月04日
  • コロナ後の世界を生きる 私たちの提言

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    コロナ禍での主に人文系の専門家たちによる論考。状況は刻々と変わってきているとはいえ、医学や経済以外の観点は忘れてはいけない。

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    2022年01月16日
  • コロナ後の世界を生きる 私たちの提言

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    様々な分野の専門家がコロナ禍の社会について論じて、未来についても語っている本だった。コロナは社会の問題を明るみにしたり、国のシステムやリーダーの能力を見える化する効果があった。今後コロナ後の世界をどうしたいのかをしっかり考えて今を生きていくのは、いまが社会を再構築するいい機会でもあるので大事だと思った。ヨーロッパはグリーンリカバリーを掲げて取り組みを進めていることはすごいと思ったし、ドイツもコロナの前から感染症に対して対策を考えていたこともすごいと思った。日本も先を見据えた政策や行動が求められると思った。

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    2022年01月05日
  • コロナ後の世界を生きる 私たちの提言

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    ネタバレ

    この本も大学の推薦入試用課題に向けての一冊として読みました。

    この中で根本美作子はパンデミックという悲劇は国境を越え人々が共有する人間にとってかけがえのない経験となると語っています。この現状を「かけがえのない経験であった」と言えるようにするためには国際協調は避けて通れない道だと考えました。

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    2021年12月11日
  • 科学史・科学哲学入門

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    ネタバレ

    宗教と科学の連続性を説いた本。2章に分かれており、
    一章ではキリスト教がどう科学の発展に寄与してきたのか、科学とキリスト教の密接さについて。
    2章では「ものを見る」という観点から、演繹的に哲学、科学の裏にある絶対存在の可能性を明らかにしていく。

    私たちは自然科学学教の信仰者なのかな。それが他の宗教に比べて論理性が高く、かつ功利的であるから信奉しやすいのかもしれない。

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    2021年06月24日
  • 死ねない時代の哲学

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    日本の死生観の歴史、「遠い親戚症候群」、安楽死の法制化、医療リソース、新生児医療、やまゆり園事件、著者自身の体験などさまざまなことを取り上げ、死や生について書かれている。

    国内外のさまざまな安楽死に関連する事件や事柄が取り上げられている。幅広い話題が拾われており、死をめぐる社会全体の今までの流れをわかりやすく捉えられそうだと思った。
    技術が進歩し、分かることや出来ることが増えるたびに本人の決断が求められることとなる。一度決めたら変わらないということではないし、常に予想外はつきまとうと思うが、自分はどう生きてどう死にたいのか、家族はどう思っているのかをタブー視せず、向き合うことが大切だと思った

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    2021年03月17日
  • コロナ後の世界を生きる 私たちの提言

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    ネタバレ

    村上陽一郎さん編ということで思わず手に取った本。

    各界で活躍する人々がそれぞれの立場で、コロナ禍とコロナ後の世界をどうとらえていらっしゃるのか、が書かれている。

    やはり、村上陽一郎さんの部分が印象的に残った。
    「covid19から学べること」と題して、いろんな角度から巨視的に社会で起こっていることを論じている。うまく表現できないが、スケールが大きいなぁと感じる。

    以下、私なりに理解したこと。
    ****
    非常時という先が不透明で、確たる対策、選択肢もない現状で、唯一、人との接触を断つことがcovid19にとり得る我々の対策である。

    しかしがながら、人との接触を断つことを徹底的に実行するに

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    2021年02月07日
  • コロナ後の世界を生きる 私たちの提言

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    各界の第一人者が、コロナウィルスについて書いた論考をまとめたもの。
    書名は「コロナ後の世界を生きる」であるが、パンデミックの比較的初期に書かれたものが多いため、むしろ、その時点での事実の整理や状況の分析を書いたものも多い。だからといってつまらないというわけではなく、考えさせられる、あるいは、面白い論考も多い。
    個人的には、多和田葉子さんのものが好きだった。

    多和田葉子
    ■新型コロナウィルス感染が広がり始めてから毎日入ってくる新しいニュースを追うだけで必死で、いつの間にか遠い未来を考えることができなくなっている。これは危険な精神状態だと思う。ニュースは現代を毎日薄切りにして投げつけてくるだけで

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    2020年09月30日
  • コロナ後の世界を生きる 私たちの提言

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    コロナ後の世界が不安でたまらない。世界的な知識人の本も刊行されているが、私の住んでいる日本の未来について考えたくて本書を紐解いた。

    まとまりのない、日本らしい雑多な文書集である。24名もの人たちが、5月末ぐらいの情勢を鑑みて感想を述べている。

    意外だったのは、あまり悲観的な意見がなかったことである。私は、権力に国民を制限する力を与えたのだから、これをきっかけにそれを大きくすることはあっても元に戻すことはないのではないか?と思っていた。しかし、私はひとつのことを忘れていた。私たちは、「感染症を収束させるために一時的に自ら主体的に制限を受けた」のである。その過程は公開されていた。この目的と期間

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    2020年09月06日
  • コロナ後の世界を生きる 私たちの提言

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    各界の著名人によるコロナに関する論評。様々な考え、思いがあることがよくわかり、自分自身の考えの整理につながった。
    政治のダメさ加減に関する論評が多かったのも印象的。
    藻谷浩介さんの、「コロナで日本は変わらない」の意見は斬新。

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    2020年08月17日
  • 人間にとって科学とは何か(新潮選書)

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    語りかけるような形式で、科学とはなにか、社会とどう関わってきたか、そしてこれからの社会との関わり方はどのようにあるべきかといったことをわかりやすく説いている。いまの科学あり方を考えるときにはやっぱり成立から現在に至るまでの歴史を追うのは大事なんだなぁと再認識した。技術との違いとかね。たいへん読みやすいので科学論、科学技術社会論的な領域への入り口としてはよいと思う。もうちょいヘビーなのを読んでいい段階かなと思えた。

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    2017年07月18日
  • 科学者とは何か(新潮選書)

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    科学者の自由主義。研究を進めることだけが彼らに課された課題。
    大学出身のインテリ技術者が社会の中に送り出され科学と技術の接近が加速。次第に一体化してそこに社会的価値が生じるとともに反社会的価値も生じた。一般の倫理的価値と行動規範を持ち込むべきでない?没価値的、価値中立的。

    医師集団。ヒポクラテス。
    致死量は誰に頼まれても投与しない。医師の立場を利用して異性と関係を結ばない。患者や家族について治療の機会を通じて知ったことは決して人に漏らさない。

    苦しんでいる人のためにその才能をつかう。救いの手、助けの手を差し伸べる。そこには神の召命という意味がある。ここが医師、法曹、聖職者に異なるところ。

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    2015年12月27日
  • 科学の現在を問う

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    科学者としての倫理。科学とは何か。我々は様々な情報を得る以上、使うこともできるが責任も生じる。情報とは何か。

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    2013年03月29日
  • 人間にとって科学とは何か(新潮選書)

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    冒頭で1999年「世界科学会議」で宣言された「科学と科学的知識の使用」について、以下の主旨が紹介されている。
    1知識の進歩のための科学
    2平和実現のための科学
    3持続的発展のための科学
    4社会のための、そして社会の中の科学

    本書の後半では、特に4つ目の科学が中心の話題となっている。梅棹・湯川の『人間にとって科学とはなにか』では、1つ目の科学を中心に対する考察といえる。4この二人が対談してから約30年間を経て、これら4つの類型が整理されたことになる。

    社会の中の科学を取り巻く課題は、多くそれとても深い。万人のコンセンサスを得ることは極めて難しいと予想される。それでもES細胞、脳死臓器移植問題

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    2012年02月14日
  • 新しい科学論 「事実」は理論をたおせるか

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    ネタバレ

     人間にとっての「科学とは何か」という命題を問い直した本。

     戦後、科学者をお茶の水博士のような「白衣の聖職者」という具合に人間社会の発展という崇高な理念だけを掲げている人々と見なす風潮があった。しかし著者は、科学は人間的な営みだと主張する。

     スピノザが「神すなわち自然」、ガリレオが「自然は神が書かれた書物」と表現したように、神が作った自然=世界を説明するツールとして科学が発展した。コペルニクスの地動説も、ニュートンの万有引力の法則も元々はキリスト教の信仰から出発したものだった。厳密に言うと、近代科学はキリスト教の他、古代ギリシアやアラビアの自然学(代数、幾何学、錬金術)の影響を受けてい

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    2011年06月06日
  • 新しい科学論 「事実」は理論をたおせるか

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    序章 科学的なもの、人間的なもの
    1 科学についての常識的な考え方
      1.帰納
      2.常識的科学観の特性
    2 新しい科学観のあらまし
      1.文化史的観点から
      2.認識論的観点から

    科学理論の本というよりも、哲学の本のような気がした。
    第一章で相対性理論やマルクシズムと小難しい展開でしたが、
    第二章でのひっくり返し方は見事にやられてしまいました。
    このひっくり返し方は、「食い逃げされてもバイトは雇うな」と『食い逃げされてもバイトは雇うな」なんて大間違い』のような感じで面白かったです。第一章で後でひっくり返すと何度もおっしゃっておられましたが。
    科学も所詮は人のなせる業なのですね。

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    2011年01月07日
  • 新しい科学論 「事実」は理論をたおせるか

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    [ 内容 ]
    人間にとって科学とは何なのかを考える。

    [ 目次 ]
    序章 科学的なもの、人間的なもの
    1 科学についての常識的な考え方
      1.帰納
      2.常識的科学観の特性
    2 新しい科学観のあらまし
      1.文化史的観点から
      2.認識論的観点から

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    2010年05月21日
  • 新しい科学論 「事実」は理論をたおせるか

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    知らなくてもいいけど、知ると少し見方が変わる、そんな一冊。

    ブルーバックスなのでさらっと読めるのがGOOD!

    長年、理系からも、文系からも「うちの分野じゃない」と思われてきた不遇な科目「科学哲学」に不覚にも興味を持ってしまうかもしれません。

    自分はこの本をきっかけに、不覚にも、大学の科学哲学、科学史の授業をとってしまいました。

    哲学系だとクーンやアベントの導入編としても、よいかもしれません。

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    2010年01月08日
  • 科学の現在を問う

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    『科学の現在を問う』(村上陽一郎、2000年、講談社現代新書)

    本書は、科学発展の簡単な歴史から、現代の科学技術にかかわる論点(たとえば、科学技術と医療、科学技術と倫理、科学技術と教育)を解説しています。

    独特な切り口から論じているのでなかなか面白かったです。

    (2009年10月31日)
    (2010年12月10日 大学院生)

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    2010年12月12日