東川篤哉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ「謎解きはディナーのあとで」で大ブレイクした東川篤哉のデビュー作などを収録した短編集。いわゆる便乗商法っぽい位置づけだが,収録されている短編はいずれも東川篤哉っぽいユーモアに溢れた軽い作品ばかり。
5本の短編が収録されているが,総ページ数は222ページとかなり薄め。収録作品のうち4作は,大学生の敏ちゃんとミキオコンビの作品であり,表題作1作だけが,名探偵十川一人もので,収録作品にも一貫性がなく,収録作品全編を通じた謎のような仕掛けもなし。やはり,「今なら売れる。とにかく出せ!」というような感じで出版された感は否めない。
収録作品の中では,南の島の殺人が白眉。謎の南の島「S島」で起こった殺人事件の真相を手紙だけで推理する安楽椅子探偵モノだが,S島の正体が桜島で,雨ではなく火山灰が降っていたけど,火山灰を防ぐために傘をさすという風習をしらなかったことなどが決めてとなり,探偵役の敏ちゃんが真相を暴くというトリック。いやはやこの脱力感がたまらない。
バカミスというより至って軽めなユーモアミステリだが,文章は読みやすく,寝る前や通勤電車で読むにはもってこい。傑作とまでは言えないけど,★3の評価は十分さしあげられます。