梁石日のレビュー一覧

  • 闇の子供たち

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    とても恐ろしく読み続ける事を途中でやめてしまいたくなるような小説だった。
    生々しく描かれている発展途上国の子供を使ったビジネスは本当に怖く正直自分がこの立場でなくて良かったと思ってしまった。また自身にも発展途上国の人だからしょうがないと差別的な意識が少なからずありその事についても改めて読んで気付かされた。
    自身の置かれている環境がどれだけ恵まれているのかその事を再確認して甘えずに努力していきたいと思った。

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    2025年04月19日
  • 闇の子供たち

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    一気に読んでしまった。
    最初は、ノンフィクションかと思ったら小説だったのね。
    小児性愛は、まったく理解できない。
    正常に成長していないアダルトチルドレンが自分の精神年齢に近い存在しか欲情しないのか?
    在日の人しか書けない最後、自分が生まれ育った国日本、だけど親の出自により外国人と他人には見られる、
    日本にいても、韓国にいても彼は外国人なのだろう。
    自国を持っているようで、自国がない。
    音羽恵子が最後に選ぶ愛着は、生まれ育った国よりミクロな単位で人への愛着だったんだな。
    しかし、私はタイ王国ならタイ人が正さないといけない。
    もちろん日本国は、日本人が正さないといけない。
    大東亜戦争の戦後処理、G

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    2025年02月21日
  • 闇の子供たち

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    日常的に行われる子供への性的虐待、それを容認するかのような国家体制、不法に行われる臓器売買等アジアの貧困地域の闇が痛々しく描かれている。
    児童売春での性行為や虐待の描写がとても酷く、特にホルモン剤を打たれて死んでしまう少年やHIVにかかって亡くなってしまう少女の場面が頭から離れなかった。

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    2024年10月31日
  • [新装版]血と骨(下)

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    ネタバレ

    面白かった。圧倒的な暴力を持って神話化された父親の人格には、胸糞悪い部分も多々あったけれど、それを凌駕する面白さ、力強さがこの小説にはあった。
    ただ、それだけにラストはどうなんだろう。かなり尻すぼみにシュンと終わってしまった感じがある。そういうものだと言われればそうなんだけれど、神話化された父親がどうこの世を全うしたかについては大事なポイントだと思うので、そこにやや不満は残る。
    あと文章がちょっと粗いかな。使われている語彙もそうだけど、ちょっと読みにくさはあった。でも、そんなの些細なことだし、基本的にストーリーが完全に読者を飲み込んでいったからそれには天晴と言うしかない。
    あと女性への性描写が

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    2024年08月30日
  • [新装版]血と骨(下)

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    1930年代から戦後にかけて、大阪の在日朝鮮人社会を舞台に描かれた物語。
    なんといっても、物語の中心であり、作者の父親がモデルとなっている金俊平の圧倒的な存在感が凄すぎます。
    酒と性、そしてカネと暴力だけで構成されているかのような怪物には情も理も全く通じません。
    文字通り命懸けで生きている周りの人々の様子は読んでいて辛い部分もありましたが、そんな中で屹立している金俊平から最後まで目が離せませんでした。
    上巻を読み終える頃、作者の梁石日氏が亡くなられました。
    氏の他の作品も読んでみようと思います。

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    2024年07月13日
  • [新装版]血と骨(上)

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    バイオレンスな表現をここまで文章で再現できるのかと驚かされた。章ごとに視点分けされるのが通常のような気がするが、人物視点が気づけば変わっていて読んでいて新感覚。極端な起伏や伏線回収があるわけでは無いが(上巻を読み終えた段階)、それでもどんどんとページを捲る手が進んでいった。下巻も楽しみ。

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    2024年02月19日
  • 大いなる時を求めて

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    1910年の併合以来、日本の支配下にあった朝鮮。終戦を迎え、次第に朝鮮人としての自覚が芽生えてきた少年・金宗烈は、済洲島虐殺事件に巻き込まれてしまい…。「血と骨」前夜の物語。

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    2023年04月20日
  • 闇の子供たち

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    ネタバレ

          -20080922

    貧困が人ひとりの命を限りなく軽くする。アジアの最底辺で今、何が起こっているのか。幼児売春、臓器売買、モラルや憐憫を破壊する冷徹な資本主義の現実と人間の飽くなき欲望の恐怖を描く。

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    2022年10月19日
  • 魂の痕(きずあと)

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    梁氏の実母をモデルにした小説。
    済州島から身籠った身で大阪へ逃避行のように来日し、苦労を通り越した凄まじい人生を歩む。
    大阪で夫婦になったその後の生活を描いたのが『血と骨』となるのだが、何故に母親が日本の大阪で暮らすようになったのかを描いたのが『魂の痕(きずあと)』となる。
    出版の前後が逆になるのだが、この2冊は一対を成している。
    今回の一冊から、性差別・人種差別、そして人間の心の弱さ・強さを改めて考えさせられてしまう。
    ヤン氏が描いた世界は今の時代とは大きく変わったとはいえ、まだまだ多くの問題が山積していると考えさせられた。

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    2022年07月08日
  • 魂の痕(きずあと)

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    しかし 血と骨では

    いまいちわかりにくかった

    母親の気持ちに

    クローズアップすることで

    暴力からの支配を

    いかに逆手に取って

    たくましく生きていったか

    というのが 書きたかったのかな




    父は 浅ましくも

    最後に子供に執着したけれど

    母は子を愛したけど

    自分の始末は自分でつけた

    そこが 女は強いな

    強くなければ生きていけなかった

    悲哀も感じました

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    2022年02月01日
  • 闇の子供たち

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    ふと最近読んだ一冊。
    偉そうに感想を言える立場じゃないんで敢えて感想は書かないけど、勉強になります。
    内容はすごくヘビーです。

    ちなみに映画も見ましたが、個人的には興味ある人は本を読んだ方がよりリアルな部分を知れると思います。

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    2022年01月06日
  • 大いなる時を求めて

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    激動の時代を生き、歴史に翻弄された朝鮮人青年の物語。それは想像を絶するほどの過酷なものであり、青年の明と暗を描く。
    第二次大戦中の日本の植民地支配時代から終戦後の混沌とした時を経て、命からがら生き延びてきた。
    前後半で物語の雰囲気も変わるけど、青年の視線からは思想や歴史を変えようとする気鋭と小さな希望の光を見出だして終わる結末。その後が非常に気になる。
    あくまでも小説の中での物語に過ぎないが、今も続く日韓問題を考える何かにはなりそう。

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    2021年08月15日
  • 闇の子供たち

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    先の大戦の戦勝国によるグローバリゼーションの加害性を描いた作品。R25G。
    映画で作品を知り、20歳の頃に肝試しに古本屋で購入。お陰で8年過ぎた今でも精神科院に通院している。
    NGO職員の女性と新聞記者との訣別のシーンが、暴力描写の数々に打ちひしがれていた私へのトドメとなった。アレは作者による私ら読者への皮肉だな。
    戦勝国による敗戦国への「高利貸し」。それを返済するための「土地開発」。貸すためのカネは私たちの預金から都合している。私たちの生活の裏側で作られてきた貧困は、私たちが加害者であることを示している。

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    2020年09月09日
  • 闇の子供たち

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    ※これから読む人へ※
    1 最低5年分の精神科院受診料を用意してある
    2 自宅の近所に精神科院がある
    3 精神科院に付き添ってくれる人が身近にいる
    この3つの条件を満たせない人には購読をおすすめしません。決して。

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    2020年07月31日
  • 魂の痕(きずあと)

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    久しぶりに梁石日を読みました。血と骨をはじめて読んだときの衝撃を思い出しました。
    血と骨につながる序章でもあり、女の物語でもあり、女性の生き抜く強さ、たくましさを感じ感動しました。
    同時に男の弱さや滑稽さもあぶり出されて、ボクは男として情けなさすら感じてしまいました。
    この流れで血と骨を読み直そうとも思います。梁石日は素晴らしい作家だと改めて感じました。

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    2020年04月01日
  • 闇の子供たち

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    目をふさぎたくなるような描写が多々あり、でもそれが決して過剰表現ではないんだろうと感覚的に思うのだけれども、きっとそのような場面を目の当たりにしても現実的問題として受け入れられないような内容でした。

    貧困で今日食べるものがなくても人生に希望が見出せなくても自殺したいとは考えないらしい。
    そこにたくましさと、悲惨な現実が日常化してしまっている環境の重さを感じました。

    家族の生活を支えるため子供が働かざるを得ないのは理解できる。
    でも、家族のためって勝手なエゴを押しつけて子供を売り飛ばしたらいかんだろ。
    そしてそのお金でテレビとか買ってんじゃねー。

    ものがあふれている、何不自由な

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    2020年02月22日
  • 闇の子供たち

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    ネタバレ

    読み終えて本作に書かれている内容がフィクションである事を願いながら、その可能性は限りなく0に近いのだろうと思うと心が痛む。

    日本でも貧困ビジネスと呼ばれる問題があるが、世界に目を向けるとそこには金の亡者、いや、もはや人ではない魑魅魍魎達のために犠牲となる罪のない子供達がいる。

    幼児売買、幼児売春、臓器売買等、金に取り憑かれた者達の飽くなき欲望を満たす為に同じ世界に生まれた同じ人間の子供が単なる商品として取り扱われ、用がなくなるとゴミと同じく捨てられていく。

    1人でも多くの方に読んで欲しいと思える一冊です。


    説明
    内容(「BOOK」データベースより)
    貧困に喘ぐタイの山岳地帯で育ったセ

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    2020年05月31日
  • 闇の子供たち

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    東南アジアでの人身売買、幼児売春、臓器売買などの貧困社会に蔓延る闇。今まで小説を読んでいて、これほどまで苦しく切なくなるという経験はなかなか無かった。
    小説の中の物語でしかないけれど、世界の片隅で実際に起こっている出来事だと思う。確実に。
    救いのない結末もまたこの問題が現在進行形のまま、終わりなき課題であることを彷彿とさせる。
    梁石日さんの作品を初めて読んだが、衝撃的。

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    2019年09月02日
  • 闇の子供たち

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    半ノンフィクションだと思う。アジアで行われている幼児売春、臓器売買。その問題の責任は、私たちにもある。

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    2019年01月30日
  • 睡魔

    購入済み

    どうして「睡魔」なのか?

    作者の他の作品がえぐそうなので、比較的読みやすそうな「睡魔」を読みました。
    主人公と周りの人達にツッコミどころがたくさんありながらも、それは読者だからであって、私が現実にその立場なら冷静でいられそうにありません。
    数少ない人達だけが良心的で、他の人達は人としてどうか、というような人達です。
    初盤はちょっと冗長ですが、途中から引き込まれました。
    梁ソギル氏の文章は魅力的だと思います。
    マットの描写が気持ち良さそうで、欲しくなってきてしまいました。
    あれ?私はセールスに巻き込まれるタイプ?
    気をつけないと。

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    2018年12月10日