梁石日のレビュー一覧
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タクシー運転手と業界の裏話
タクシー運転手時代の作者のお話が、まとまってます。都市考察は鋭いですが、時代を感じさせます。タクシー業界への改善すべき点が載ってます。タクシー業界やタクシー運転手の苦労が半端ないです。作者の他の作品が過激なので、それに比べたら常識的な印象を受けました。
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Posted by ブクログ
2008年09月03日 07:46
「血と骨」で知って、「闇の子供たち」で激しく衝撃を受けて、梁石日が気になる。
社会の底辺を生きる趙は昔からの悪友の誘いに乗ってネズミ講にはまる。
金を儲けて女に溺れて、結果最後に残ったのは莫大な借金。
当たり前やろ、たいした知識も持たずにマルチに手出して成功するわけないやん。自分なら絶対ありえへんし。
っていう自信をおもいっきり崩してくれる本です。
騙されてるとかそうじゃないとか、人が「受け入れる」態勢に入ったらもう関係ないんだな。
人の芯の部分を、耐え切れない恐怖や悪意が触ることで、その人がそっち方面に壊れてしまうっていうのは貴志祐介とかで結構お目にかかる。そしてその「狂い」は伝染するのもわかる。
今回は真逆の現象、でも結果は同じ。
マルチ商法の研修会で、店子を増やすために会社側は様々な趣向をこらして取り込もうとするんだけど、その方法には人の善意や信じる力、みたいなのを全面に打ち出したものが多い。
主人公はこれがネズミ講ってわかってる。でもぎりぎりの状態で、人の優しさに触れて、愛情を感じたとき、ある意味壊れてしまう。そしてやっぱり、この「狂い」も伝染する。
これは怖い。
元手なしのサービス業は究極の商売と呼ばれ、近年異常な発達を見せている。
ならば、この暴力も恫喝すらも必要としない、つまり金銭も労力すらもいらない誘惑法は、これから先どう使われるのだろうか。
いや、もしかしたら普段から、無自覚なだけで、すでに操られているのかもしれない。
善意や信頼、その類を含めても、人間に造れないものはもうないような気がする。そういう本でした。