あらすじ
在日コリアン一世の父をモデルにした代表作『血と骨』と対をなす済州島にうまれ過酷な結婚から逃げて大坂に渡ったある女の苛烈な半生を描く。梁石日の新たな代表作。
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Posted by ブクログ
梁氏の実母をモデルにした小説。
済州島から身籠った身で大阪へ逃避行のように来日し、苦労を通り越した凄まじい人生を歩む。
大阪で夫婦になったその後の生活を描いたのが『血と骨』となるのだが、何故に母親が日本の大阪で暮らすようになったのかを描いたのが『魂の痕(きずあと)』となる。
出版の前後が逆になるのだが、この2冊は一対を成している。
今回の一冊から、性差別・人種差別、そして人間の心の弱さ・強さを改めて考えさせられてしまう。
ヤン氏が描いた世界は今の時代とは大きく変わったとはいえ、まだまだ多くの問題が山積していると考えさせられた。
Posted by ブクログ
しかし 血と骨では
いまいちわかりにくかった
母親の気持ちに
クローズアップすることで
暴力からの支配を
いかに逆手に取って
たくましく生きていったか
というのが 書きたかったのかな
父は 浅ましくも
最後に子供に執着したけれど
母は子を愛したけど
自分の始末は自分でつけた
そこが 女は強いな
強くなければ生きていけなかった
悲哀も感じました