飯間浩明のレビュー一覧
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辞書編集の職に疲れている方の本。
言葉の使い方一つにこだわる、ということについて書かれているのだが
単純に面白かった。普段使っている言葉の意味を改めて見返してみると、
空気のような存在に名前をつけているのが、言葉だということに気づくし、
そういった言葉の存在はこんなにも多いと思う。もう一度辞書をめくってみるのもいいかも。
以下抜粋。
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・ふと面識の薄い方に偶然であった時には「少しだけ困ったことを聞いてみる」
・同じことを言うのにも、表現の仕方によってニュアンスが異なる。
「丸いたまごも切りようで四角、ものも言いようで角がたつ」 -
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国語辞典の編纂に関しては①用語の発掘・用例採集調査、②加えるべき言葉の判定会議、③語釈の文章考案、④取捨選択など手を入れる行為などの局面から詳細に説明があり、三浦しおん「舟を編む」の世界が現実であることを示してくれる。それにしても辞書の編纂者がこんな苦労を抱えているとは夢にも思わなかった。例えばキャバクラという用語の意味を実体験するために実際に店に入るなど・・・。三省堂国語辞典:通称「三国」の特徴は何よりも「中学生にも分かる説明!6万語」、新明解の特徴その他辞書にはそれぞれの強みがあり、読み比べによってその思想の違いを実感してみると実に楽しそうである。新しい言葉でなくとも洩れている盲点のよう
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言葉を探すのは何もインターネット上だけではない。文化人類学者がフィールドワークをするように、国語学者もフィールドワークをして新語を発見する。探すのも大変だが整理するのも大変だろうなあ。
「ババ歩き」という言葉が載っている。「ババ」といってもおばあさんやおばさんの歩く姿ではなく、早稲田大学の学生が高田馬場から大学まで歩くことを言う。余談だが、今年の箱根駅伝は総合4位だった。東洋大学、駒澤大学という2つの壁は厚く破るのが難しかった。
山手線で新橋まで足を運ぶと目立つのが「癒し」だそうだ。指圧、マッサージに限らず「癒し」に満ちあふれている著者曰く「癒しの街」だ。中には「いやし」ではなく、「 -
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三省堂国語辞典の改訂に関わる著者による,辞書編纂の舞台裏。鏡を目指す実例主義・鑑を目指す規範主義という,辞書の特色を決める大方針から,用例採集,新規収録語の取捨選択,既存項目の手入れまで。電子辞書やオンラインのフリー辞書を見据えた辞書の未来も語る。
本書のメインは中型辞書だけど,辞書を作るのは相当な手間と時間がかかってる。特に用例採集は,編纂者の常日頃からの蓄積に頼ってて,文献調査だけでなくフィールドワークも重要。そして苦労して集めた言葉がごっそり削られる悲喜こもごもの取捨選択。これだけコストをかけても,手軽なオンライン辞書に太刀打ちできるとは限らない。なかなか厳しいな…。