【感想・ネタバレ】辞書に載る言葉はどこから探してくるのか?のレビュー

あらすじ

「ワードハンティング」とは、獲物をねらうハンターのように、「まだ辞書に載っていないことばはないか」「意味が変わってきたことばはないか」と、ことばを探すこと。
著者は、本や新聞・雑誌、テレビやインターネットから新しいことばや用例を探すのに飽き足りず、「街の中のことば」を調べようと、デジタルカメラを持ってワードハンティングに出かけた。それぞれ特徴ある24の街で、看板やポスター、値札などから生きたことばを採集、撮った写真は3000枚超に。本書ではそれらの中から選りすぐりのことばを紹介。常に変化していく日本語の最先端の様子を生き生きと伝える。【※本作品はブラウザビューアで閲覧すると表組みのレイアウトが崩れて表示されることがあります。予めご了承下さい。】

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Posted by ブクログ

 言葉を探すのは何もインターネット上だけではない。文化人類学者がフィールドワークをするように、国語学者もフィールドワークをして新語を発見する。探すのも大変だが整理するのも大変だろうなあ。

 「ババ歩き」という言葉が載っている。「ババ」といってもおばあさんやおばさんの歩く姿ではなく、早稲田大学の学生が高田馬場から大学まで歩くことを言う。余談だが、今年の箱根駅伝は総合4位だった。東洋大学、駒澤大学という2つの壁は厚く破るのが難しかった。

 山手線で新橋まで足を運ぶと目立つのが「癒し」だそうだ。指圧、マッサージに限らず「癒し」に満ちあふれている著者曰く「癒しの街」だ。中には「いやし」ではなく、「いやらし」の空間もあったりして。

 明治大学のあるお茶ノ水に目を移してみると、著者はある看板に注目した。それは「楽器の街 お茶ノ水 唯一の/アコギの専門店」だ。「アコギ」と言うとどうしても浮かんでくるのが「越後屋、アコギな商売をするとはおぬしもなかなかの悪よのう」だな。とは言ってここの「アコギ」はアコースティックギターの事で、悪いイメージが漂う方ではなかった。

 言葉というのは、生き物なので移り変わりがある。「ふしぎ発見!」ならぬ「ことば発見!」をしに街に繰り出してみると面白いかもしれない。

PS 新年あけましておめでとうございます。読者の皆様、今年もよろしくお願いします。

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2014年01月03日

Posted by ブクログ

国語辞典の改訂作業をするために、筆者は日々街中で「ワードハンティング」をしています。ワードハンティングでは、1ヵ月で約400語の言葉を記録するのだそうです。この本では、実際にその様子や筆者がどのように言葉と出会っていくかを知ることが出来ます。普段目にしているはずなのに、流してしまっている言葉も、もしかしたらまだ辞書には載っていないのかもしれないと考えると、私自身もワードハンティングをしてみたくなりました。

新しい言葉を採用する際の2つの条件
1)その言葉が、世の中に多く使われていること。多数の例が集まること。
2)その言葉が、この先もある程度長く使われると見込まれること。一時的な流行語でないこと。

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2017年06月19日

Posted by ブクログ

著者は、小型辞書の雄、“三国”こと三省堂国語辞典の編纂者。たまにtwitterでもお名前を見かける。

三国の新しいバージョンに載せる言葉を採取するための街歩き紀行的な文章でもあり、採用すべき言葉にどんな語釈を当てようかと試行錯誤する作業を横から覗き込ませてもらっているような、そんな感じが楽しい。街中でつい変わった表記の看板を見つけてしまう体質の持ち主としても興味深かった。

辞書のボリュームを考えると、面白いエピソードがまだまだありそう。もっと読みたかったので☆3です。

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2016年02月16日

Posted by ブクログ

 辞書に載る言葉はただ座っているだけで集まるものではなかったのですね。

 街に出て生きた言葉を拾う。気長で大変そうな半面いろいろと街遊びもできる面白そうな役割。

 ただどこまで辞書という物を信頼すればよいのだろうか。そこに不安要素を見いだしてしまった。

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2016年01月06日

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