きむらゆういちのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ7冊分の絵本を一つにまとめた本。絵本のサイズではなく、小説のような装丁。
有名な絵本のシリーズではあるし、それぞれが一冊できっちりと読める内容なのに、7つ続けるときちんと小説のようになっているということが読んでみてわかった。
一つとして読んでみると、ヤギと狼がお互いの立場を押し殺して友情をひたすら深めていくのだけれど、それが時折おかしな道中記になったり、泣かせる話になったり、飽きることがないし、内容が被ることがない。
絵本だと思っていたら、大人が読んでもいいくらいのお話なので、寧ろ子供に難しいのではないかというくらいのもの。
でも子供に読ませたい話。 -
Posted by ブクログ
あらすじ
「狼のガブとヤギのメイは、嵐の夜に山小屋で雨をしのぎつつ一晩を語り明かす。真っ暗な中でお互いの姿を知ることもなく。翌朝それぞれの姿を知ったガブとメイは、狼=捕食者、ヤギ=被食者というそれまでの関係を超えて不思議な友情を育むが、ガブにとってはメイを目の前に食欲との葛藤に苦しみ、メイは狼との親交を知られた仲間たちから裏切り者と扱われ、それぞれ悩みを抱え続ける。仲間から『お前はあいつに利用されているだけだ。早く目を覚ませ』と諭されるガブとメイ。2匹は相手への友情と、それぞれの仲間への関係の板挟みに苦しむ。そしてガブとメイの下した決断は…。」
子供に読み聞かせようと購入しましたが、私自身がすっかりハマってしまいました。友情、個人と社会、愛する人との別れ、生きるための犠牲、などいろんな面から大人でも誰もが考えさせられる絵本です。物語の終盤、「ああ、こんなことになるんだったら、あのあらしのよるに出会わなければよかった」と語る主人公(ガブかメイかは読んでみてください)の独白が、なんと切ないことか。
子供さんと一緒に読んで親子で感想など話し合うもよし、一人で読んでもよし。子供向け絵本と侮るなかれ!
もともと全7冊のお話を1冊の単行本としてまとめられており、大人でも手に取りやすいです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレあらしの夜出会ったヤギとオオカミの友情物語。
オオカミにとってヤギは「白くてふわふわした美味しそうなもの」でしかない。
ヤギにとってのオオカミは野蛮で自分たちを食べる天敵。
そんな二匹 ”オオカミのガブとヤギのメイ” が嵐の吹きすさぶ夜に避難することになった小屋でお互いの姿が見えない中、何の先入観もないまま、ただ会話から相手が自分と同類と信じ再び会う約束することから物語は始まる。
ガブが目の前のメイを「おいしそう」と感じながらも常に友情を感じ、愛しく思う。「ヤギなんて食べたことがない」と言い張り、追手を逃れて逃避行?の途中ではメイに見つからないよう夜中にネズミを食べに出て空腹を満たすところなんか、その言動ゆえ彼を愛しく感じてしまう。
人間の世界でも、自分と何か違う、見た目が違う、違和感がある等、さまざまな思い込みで摩擦が起こりうる。知り合った時・場所で相手に対する態度に差別がおこる。
最初から異質なものとして出会ったら友情が生まれがたい。
この物語の、オオカミとヤギの関係はそういう事とは真逆で、先入観なしの出会いから「知りあえて良かった」になるまで、ただ相手にひたむきに向き合ってよく知ることで生まれる友情というものが伝わってきた。
オオカミだからって臆病だっていいし、「食べられるかも」と心配しながら隙をみせずに虚勢をはってオオカミを味方につけるヤギがいてもいい。
決められた役割を果たさなくても、分かり合える友達がいれば幸せなのだと言うことか。