きむらゆういちのレビュー一覧
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ガブとメイそれぞれの幼い頃の話や、二匹が友達になった後のとある日の話、本編中の吹雪で身動きがとれなくなったときの話など、5編収録されている。
以下、印象的だった話、箇所を。
○『ひとりぼっちのガブ』
ガブの幼い頃の話。大切な友達だと思っていたグルリに裏切られるシーンが切ない。その悲しい思い出があるから、メイと友達になったときは本当に嬉しかったのだろうなと思うと、また切ない。
オオカミにとってヤギはご馳走だが、メイと友達になったことでそのご馳走を二度と食べないとガブは誓う。友達を悲しませたくないから、という理由もあるのだろうけれど、グルリとの出来事も少なからず影響しているのだろうか。ガブの誓い -
Posted by ブクログ
ネタバレ思い出のカレーライスを食べるために
お金で解決しようとしたお金持ちの話
貧乏だった彼は
今では町一番のお金持ちとなり
お金で買えるものは全て経験した。
しかし、ふと昔食べたカレーライスを食べたくなり
多額のお金を投じて食べようとした。
だけどどんなに良い食材やシェフを使っても
再現出来たものが無く
ついには人や財産も全て無くしてしまった。
路頭に迷っていた時に足を滑らせ気絶をしてしまう。
目を覚ましたときには誰かの家で保護されていたが
食事で用意してもらえたのがカレーライスだった。
実はそのカレーライスそのものが
その男が追い求めていたカレーだった、という流れ。
たぶん、どのカレーライスも -
Posted by ブクログ
初めての出会いは小学生の時見た人形劇だった気がする。
それから絵本で読んで全部読んでなかったのをこの本で思い出した。
こんなに最高なラストが待っていたなんて。
特に「どしゃぶりのひに」からの「ふぶきのあした」はドキドキが最高潮だった。
子どもの頃に感じた展開へのハラハラドキドキとはちょっと違って、2匹の幸せを願う祈りのようなドキドキだった。
いろんな見方ができるから、考察をしながら何回読んでも楽しめそうだけど、今はこの2つの生き物の最高の友情を純粋にただ噛み締めたい。
文の始まりと終わりの風景描写と白黒ならではの迫り来る絵とお互いの関係性の全てが萌え。
ユーモアも哲学も全てがある。
私