永井するみのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
早期退職を決めた昔の上司と、「ミルクティ」
父を見舞った帰りに電車で会った男と、「秋雨」
画家だった元恋人の弟と、「緑深き淵」
外資系銀行員の女と夫が、「彼女の手」
インタビューで知り合った大学の先輩と、「隣の公園」
美大の教授と器の展示即売会に現れた男と、「唐草といふもの」
翻訳の仕事を通じて知り合った2人の男と、「ソナタの夜」
30代からの不倫小説。
「彼女の手」以外はどれも主人公が秘密を抱えている。そこが面白い。
不倫をしていることを隠して、さらに秘密を隠して、
どれだけ隠し事をすれば収集がつくのだろう。
対象が大人だからか、しっとり切なく物分かりがよすぎる。 -
Posted by ブクログ
大人の女性向けのサスペンス。
話の中心に「不倫」あり。
永井さんの作品らしく、とてもグイグイ引き込まれました。
読んだ感想…と言うか読み進めているときからずっと思ってたんですが
二時間ドラマ(サスペンスの)とかになってそうだな。
タイトルといい内容といい。
女性は好きだろー。(笑)
いろんな人が怪しくて
怪しいと思いつつ深みにはまる女が苛立つような。
私思うに…
周りから見て
すべてを手に入れているような女がいて
とても幸せで恵まれているように見えて…
でも、ホントに何もかも恵まれてて
「これ以上ないほど何も望まないほど幸せ」
って心から思っている女がホントにいるのか…っちゅー話。
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Posted by ブクログ
連作短編。ボランティアの日本語教室に関わるボランティア側の人々と生徒である外国人を中心に日常に潜む嫉妬・偽善だったりを描いている作品。最初はなんだかつまらない事件や浅はかな嫉妬だけが目に付いてイマイチかと思ったのですが、読み進めていくとこれがなかなか味がある。カナさんに対する静乃さんの嫉妬の描き方などは永いするみさんらしいというか、生々しいんだけど嫌な感じではないというちょっと独特な感じですね。著書の作品の中では「ランチタイムブルー」に近い感じだと思います。ただ、少し物足りないようなエンディングも多かったかな〜 それぞれ登場人物の結末というか今後の道筋を表現されてないせいですっきりしないのかも
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Posted by ブクログ
7編収録。全部不倫が絡む話で、性行為の描写なども(抽象的表現を用いてはいるが)多く、今まで読んだ永井するみ作品の中では一番ねっとりしている。お得意の「恋愛ミステリー?」ではないのに、女性心理を描ききった上で、最後はそれぞれ、「女性の怖さ」だったり「希望」だったりにうまく繋げているのはさすがだと思う。しかし個人的には少し遠い世界の話のような気がするものが多かった。「唐草というもの」の愛人2人生活とか、「秋雨」で1年に1回だけの不倫とか。。また、「緑深き淵」では貴央が死んだ兄を利用するような形で、元兄の恋人3人と同時に関係を持つとか、実は主人公の子供は夫との間のではなかったとか・・・ちょっと現実的
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Posted by ブクログ
◆冬枯れの木
◆ボランティア・スピリット
◆雨
◆誰に恋すればいい?
◆きれいな手
◆ジャスミンの花
◆夜に辿る道
◆そばにいて
◆言葉にならない
以上9つの短編集。全て労働者向けの日本語教室での講師&生徒の話。
ボランティアの話とあって、きっと心温まるような話が多いのだろうと思ったのだが、実際読んでみると、どちらかといえばブラックな内容が多い。まずボランティアする側が、「ボランティアする自分に酔っている人」「生徒といえ男子なので、それに囲まれるのが嬉しくてボランティアしている人」「なりゆきでボランティアせざるをえなくなった人」なのだ。だから、ちょっとした事件がおこる話が多いが、証拠もない