永井するみのレビュー一覧

  • ボランティア・スピリット
    連作短編。ボランティアの日本語教室に関わるボランティア側の人々と生徒である外国人を中心に日常に潜む嫉妬・偽善だったりを描いている作品。最初はなんだかつまらない事件や浅はかな嫉妬だけが目に付いてイマイチかと思ったのですが、読み進めていくとこれがなかなか味がある。カナさんに対する静乃さんの嫉妬の描き方な...続きを読む
  • 俯(うつむ)いていたつもりはない
    永井するみはつまらないものは書かないだろう、とおぼろげな認識はあったところをみると以前読んだことがあるように思われるが、正直全く覚えてない。読んでみて、まあ、すごく読み易かった。読み易すぎて右から左へ流れていったのか…私の読解力の足りなさゆえ?また歳を重ねて読み直してみるといいかもしれない。(09....続きを読む
  • ソナタの夜
    7編収録。全部不倫が絡む話で、性行為の描写なども(抽象的表現を用いてはいるが)多く、今まで読んだ永井するみ作品の中では一番ねっとりしている。お得意の「恋愛ミステリー?」ではないのに、女性心理を描ききった上で、最後はそれぞれ、「女性の怖さ」だったり「希望」だったりにうまく繋げているのはさすがだと思う。...続きを読む
  • 唇のあとに続くすべてのこと
    ミステリー風味の恋愛小説なのか恋愛風味のミステリーなのか微妙な作品。永井作品独特の不思議な読みやすさはさすがですが、今回は後味がすっきりではありません。あとがきにも書いてあるとおり、ズルイ、あるいはダメな男に囲まれて不倫、報われない恋をする女性たちが登場人物であるため、ゴールがなく、一言で感想を表す...続きを読む
  • 防風林
    会社が倒産し、さらには母の余命が数ヶ月と知り、17年ぶりに札幌へ戻った周治。子ども時代を過ごした防風林での記憶。アオイさんとの再会。母の過去をたどっていくうちに封印されていた事件が浮かび上がってくる。次々と過去が明らかになっていくので、読み進めるのは早かったんだけど、すべてが周治の「記憶」頼みで、ラ...続きを読む
  • 防風林
    会社が倒産する事になり、十七年ぶりに札幌に戻って来た彼。彼は、防風林に立つ昔の母を思い出す。現在母親は病床にあり、見舞いに行くと隣に住んでいた彼女が居た。やがて彼は、母親の過去をたどるために帯広へ・・・。彼が少年の頃母親を訪ねてきた男とは?その男と母親の間には、何があったのか・・・。記憶を頼りにたど...続きを読む
  • ボランティア・スピリット
    ◆冬枯れの木
    ◆ボランティア・スピリット
    ◆雨
    ◆誰に恋すればいい?
    ◆きれいな手
    ◆ジャスミンの花
    ◆夜に辿る道
    ◆そばにいて
    ◆言葉にならない
    以上9つの短編集。全て労働者向けの日本語教室での講師&生徒の話。

     ボランティアの話とあって、きっと心温まるような話が多いのだろうと思ったのだが、実際...続きを読む
  • 天使などいない
    ◆別れてほしい
    ◆耳たぶ
    ◆十三月
    ◆レター
    ◆銀の墨
    ◆マリーゴールド
    ◆プレゼント
    ◆落花
    ◆振り返りもしない
    以上9つの短編集。全て女性が主役。

     ちょっとミステリちっくだったり、女性の恐ろしい本性が書かれていたり、作風としては好み。どれもわりとおもしろかったし、読みやすかった。この中だと【...続きを読む