北沢陶のレビュー一覧
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時は大正時代、壮一郎の妻・倭子が関東大震災で命を落とし、悪霊となって現れる怪異を描いたホラー作品。ホラーとミステリーが融合した構成になっており、倭子がなぜ悪霊と化してしまったのかという謎を追う展開に引き込まれる。
作中で特に印象深いのは、壮一郎がとある現場で遭遇する謎のキャラクター「エリマキ」の存在である。人とは異なる存在なうえにどこか達観しているエリマキと、死してもなお妻への想いに区切りをつけられない壮一郎の二人が、反発しながらも徐々に距離を縮めていく様子は、不気味な世界観の中でのユーモアを感じさせる。
恐怖を感じる場面でありながら、どこかコミカルさも漂う絶妙な関係性が物語の魅力となっている。
一方で、物語のテンポがやや緩やかであることや、恐怖のピークが低めである点は物足りなさを覚える。徹底的に恐怖を煽る極上のホラー作品を期待すると肩すかしを食らうかもしれないが、ホラーと人間ドラマが独自のバランスで同居する奇妙な味わいを楽しめる一冊である。
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美貌のせいで色々とシンドイ経験をしている主人公、朔也。家庭環境も恵まれず、誰が彼を助けてやれるのか、ハラハラが止まりませんでした。1作目の「をんごく」で登場した巫女さんが再登場して、やっと少しホッとできました。
生えてきた花を取る描写がとても痛々しい。一応の決着がついても、花を抜いた部分はしっかり負傷したまんまだったのが、容赦ないなと思いました。
朔也の花を欲しがる同級生達に、一番ゾッとしました。そして青路。彼も本当は花が欲しかった人。その他同級生達との違いは、朔也の気持ちに寄り添った所なんだろうけど…。本当に安心して、信頼して良い人物だったのか、モヤモヤし続けています。
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北沢さんの作品を読むのは3作目です。舞台はこれまでの2作と同じく大正時代の大阪。
主人公の朔哉は、すごい美少年だ。
知的障害を持つ姉の面倒を献身的に見ていたが、その姉が閉園したルナパークの池で亡くなってしまう。
そのルナパークで不可思議な現象に遭遇してから、朔哉は身体に次々と花が咲くようになる。花が咲くと、気を失いそうなほどの強い痛みに襲われる。その現象を止めるためにルナパークで起こる怪現象の謎を解いていく話なのだが、ヒトコワ系でもあると思う。
美少年朔哉はいわゆる男子校の「姫」であり、同級生から贈り物を貰ったり、優しくされているのだけど、それを鬱陶しく感じて素っ気ない態度を取っている。そんな朔哉に対して、周囲は仄暗い欲望を募らせている。その欲望が、朔哉の身体に咲いた花を見た瞬間に爆発する。悲鳴を上げて痛がる朔哉に構わずに、花をむしり取っていく同級生たちに、人間の欲望の悍ましさと救いのなさを感じてゾッとした。
自分を「籠の中の鳥」と称し「見世物」であることを消極的に受け入れていた朔哉が、最後それにはっきりと抗う。人間が人間として主体的に生きようとする力を強く感じられて良かった。 -
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6つの呪いのアンソロジー。
三津田信三「壱本樹様」
あー三津田さんだなぁと感じる王道の呪いホラー。
澤村伊智「ほらあな」
本がテーマの呪いというのが良いですね。
店内に人が沢山…な様子が浮かんでゾッとした。
芦花公園「しばらくゆっくり休んでください」
すみません、この手の小説が苦手なんです…
最近流行りの掲示板とかSNSを切り取った作風。
背筋「劣化コピー」
一番好き。イヤミス×呪いという感じ。
やはり本がテーマなのが良いですね。
北沢陶「呪いの交換日記」
敢えて90年代にすることで携帯メールもないしノートに重要性を持たせている。自分も交換日記やってた世代なのでお揃いのペンとかわかるわかると読んだ。ラストも好き。
上條一輝「呪いは明るく輝いて」
呪いが拡がる手段が面白くて好き。ネタバレ見ずに読んで。