北沢陶のレビュー一覧
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この作品に相応しい言葉はただ一言、「最高」。
本当に美しくて無駄がない。
かと言って遊びはあるのだから、ずるい。
メインで物語を動かす二人のキャラクター性のよさ、噛み合わせの良い会話が、美しい文章に彩られてとてもとても読んでいて美しく、心地よく、幸せになる。
陶器のような、冬の澄んだ空気のような美しい文章で綴られる物語は重厚ながら、とても読みやすく、関西弁に不慣れな私でもとてもするりするりと読めました。
この感動を形にするだけの語彙力を、自分が持ち合わせてないことがただただ口惜しい。
タイトルの意味がすとん、とおちてきたとき、本当に心地よかった。なんと素敵な構成だろう。
もともとは短編集 -
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大正時代の大阪が舞台ということで、読みにくそうだなぁという先入観がありました。この先入観から、本作のみならず、古い時代設定の作品をこれまで避けてきた者としては、読み始めるまでのハードルが高く感じていました。
しかし、朝宮運河氏の「ベストホラー2025」の国内部門第二位にランクインしていた本作、これがモチベーションとなり重い腰を上げて読みました。
結果、懸念は杞憂でした。
多少、大正時代特有の単語などがありますが、読めないほどではありませんでした。ただ、意味を理解できた方が良いことには変わりありませんので、知らない単語が出てくる都度調べながら読みました。
ストーリーはもちろん面白かったです。あ -
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この雰囲気、世界観は唯一無二ではないでしょうか
北沢陶さんといえば、大正ゴシックホラーの書き手というイメージが定着しつつあります
いや、もう定着したと言ってもいいでしょ
デビュー作の『をんごく』、2作目の『骨を喰む真珠』、それに続く3作目の『花檻の園』もその雰囲気、世界観を十分に魅せてくれます
北沢さんが目指しているのは美しさとおぞましさが同居した作品とのこと
今後も恐怖と幻想に満ちた、北沢さんならではの大正ゴシックホラーから目が離せません!
ちなみに毎度のことながら内容には一切触れていません
なので、ひとつだけ
表紙を見てください
美少年と花が描かれています
これが本作の -
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痛みを伴うホラー小説。大正13年新世界、ルナパークの跡地を訪れた学生は異形と出会って… #花檻の園
■あらすじ
大正十三年の大阪新世界。容姿端麗な男子中学生の朔哉は、カフェを経営する母と暮らしていた。彼には美人で最愛の姉、早葉子がいたのだ少し前に死に別れていた。ある日朔哉が新世界の遊園地ルナパークの跡地を訪れると、世にも奇妙な体験をすることになる…
■きっと読みたくなるレビュー
痛い、なんか痛い…
デビュー作「をんごく」以来、新時代のホラー小説界を切り開く北沢陶先生の最新作。いやー、先生の作品は読んでると、いつも体に支障をきたしちゃうくらい影響を及ぼすんすよ。
いつもの通り世界観が華や -
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非常にわかりやすく、読後感も良かった。
映像作品で例えると、モノノ怪とUN-GOとITを足したような作品です。
船場言葉が関東人の私には読みづらくて、何度も同じ行を読んだり、頭の中で標準語に変換したりしたが、かえってストーリーをより深く印象付けることができた。
提示された謎は後半一気に解け、モヤモヤするところがない。
登場人物も最小限に抑えられ、こいつ誰だ!?という状況にはならずに済んだ。
ただ、ホラーではないですね。ダークファンタジー小説です。
私はホラーとして認識して読み始めたので、面白い物語を読んだとは思いましたが、恐怖でゾクゾクとする感情にはならなかったので、そういう意味では少し期 -
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旅行の飛行機で読もうと買ったホラーアンソロジー。
飛行機では結局1話目しか読まなかったけど、それ以降少しずつ読み進めた。
いろんなタイプの話が入ってて楽しかった。お得感。
特に印象的だったのは北沢陶さんの「お家さん」と恩田陸さんの「車窓」
お家さんは、大正時代に大阪の商家へ丁稚奉公する少年のお話。
時代や言葉が相まってすごく雰囲気があったし、ラストも恐ろしくて好き…
こういう作品もっと読んでみたい!
車窓は、新幹線から見える看板のお話。
少ないページなのにすごく引き込まれた。
ラストはいろんな解釈ができそう。
いろんな作家さんのお話読みたい欲でアンソロジー何冊か買っちゃったけど、読むペ -
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ネタバレ一日で読んでしまった!
大正時代という馴染みのない時代設定、慣れない地名や儀式(樒の口寄せ)で、物語の世界に入っていけるか不安があったが、まもなくピントがあった。
妻の霊の特殊性の背景には何があるのか。夫の古瀬壮一郎と遠国の遣い・エリマキが紐解いていくミステリー。
陰陽の輪郭をぼんやりとしか出す和室(障子、襖)や、本のページの上部に余白がある構成。また私にとって馴染みのない関西弁(船場言葉と言うべきかもしれないけれど、馴染みのない関西弁で括らせてもらう)や、音(声)が、怖さをもって責めてくる。
心理描写や情景描写がしっかりしているおかげで、本当に楽しかった。
葬式のときに「願ほどき」 -
Posted by ブクログ
辻村深月 "滴るようなホラーの色気がある傑作"
道尾秀介 "文句なしに推すことができた"
お亡くなりになりました妻はんの気配が家の中にいたしますさかい、巫女はんに相談に参られました壮一郎はんが言われました言葉がこちら
「何が来ても知りまへんさかいな」(コワッ)
巫女はんの異形のお連れはんも首をかしげはるほどの怪異の正体とはいったい?!
大阪弁の中でも特に上品で格式のある船場言葉で進みます物語は、怖ろしゅうも幽玄で美しゅうおす
ところで、この本は横溝正史ミステリ&ホラー大賞を受賞作でおますが、本の最後には落選作についても著名な作家はんの選評がまるまる