北沢陶のレビュー一覧
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北沢陶先生のホラーは最初に「お家さん」を読んだ時にあまりの完成度の高さに衝撃を受けた。それもありをんごくを読ませていただいたがやはり期待通りのホラー。
まず文章が読みやすい。当時の日本人の口調を自然に書きつつも全く読みづらさがなくその場の情景まで浮かんでくる。これは「お家さん」でもそうだった。
今作は想像とは違っておどろおどろしいよりかは幾分妖やもののけのファンタジー感があるホラーで最後まで楽しめて読めた。主人公に協力する妖かしである「エリマキ」もいいキャラで怖さの緩衝材になっている。
力の強すぎる幽霊を出しても根源には人間の悍ましさや卑しさを描き、そこを霞ませない見事なストーリー。 -
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大正時代、妻の倭子を喪った壮一郎のもとに訪れた妻の気配。それは生前の彼女と比べると非常に歪なものだった。他でも死んだ者を目撃したという情報を探り、壮一郎は異形の存在エリマキと出会う。しかし霊を喰うというエリマキすら、倭子の霊には恐れをなすのだった。ひっそりとした雰囲気の、恐ろしくも物悲しいホラーです。
充分な時間を共に過ごす前に妻を喪ってしまった壮一郎の悔恨がじわじわと心を蝕むようで、とにかく淋しい。そんな中で現れた倭子の気配が慰めになるのかと思いきや、不気味さが深く突き刺さってきます。あからさまに恐怖を煽ってくるような描写ではないのですが、だからこそ逆にこの何とも言えない歪さが印象的でした。 -
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北沢陶のデビュー作を是非読みたいと思ったので。2023年の横溝正史ミステリ&ホラー大賞「大賞」「読者賞」「カクヨム賞」をトリプル受賞した大作。選考委員がこれまた錚々たる顔ぶれで、当時の選考総評(落選作にも赤裸々に言及していたのがよかった)が読めるのがありがたい。
大阪府出身の作者、それに相応しい大正時代の船場の訛りがやわらかく響いて、格調高い文体のホラーとうまく融合している。「巧い」だけでなく、退魔師エリマキが現れてからは「面白いエンタメ」に変わる。おおそういう話か、とは思わされたが変わらない推進力でまったく飽きずに読み上げてしまった。まさしく今後の活躍に期待大。すっかりお気に入りの作 -
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ネタバレ「堕ちる」が面白かったので今作も期待して読みました。期待以上でした。
今作品もネコが出てきます。ネタバレ感想
アイソレーテッドサークル
異世界に大学生達が迷い込み殺戮に巻き込まれる。得体の知れないモノに殺される恐怖とリセットされたかと思いきや夢の続きは…。
お家さん
このお話一番怖かったし戦慄しました。
まじめな丁稚くんが主人公でお家さんに気に入れられるが数々の霊を目撃していき…。
お家さんの得体の知れなさに恐怖しました。ショート映画を見てるみたいで面白かったです。
窓から出すヮ
今話題の背筋さん作品。
途中意味わからなくなりましたが現実なのか非現実なのか混乱してしまう作品でした。どこか -
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ネタバレ先に「骨を喰む真珠」を読んでいました。
どちらもグイグイ引き込まれましたが、私はこちらの方が好みです。
ホラー感はあまりありません。
怖さもそれほど……という感じ。
哀しくて美しい夫婦愛が切なかったです。
欲を言えば、結婚して睦まじかった頃をもっと見たかったなと思います。
また、何と言っても登場人物が魅力的。
おそらく多くの人が同じ感想を持ったと思いますが、エリマキがお気に入りです。
この一作のみのキャラクターなんて勿体無いと思うくらいです。
主人公とエリマキのバディ、それに巫女を加えたトリオがとても良い。
最後、ヒヤヒヤしましたが、キレイに収まって一安心。読後感も良かったです。