北沢陶のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
痛みを伴うホラー小説。大正13年新世界、ルナパークの跡地を訪れた学生は異形と出会って… #花檻の園
■あらすじ
大正十三年の大阪新世界。容姿端麗な男子中学生の朔哉は、カフェを経営する母と暮らしていた。彼には美人で最愛の姉、早葉子がいたのだ少し前に死に別れていた。ある日朔哉が新世界の遊園地ルナパークの跡地を訪れると、世にも奇妙な体験をすることになる…
■きっと読みたくなるレビュー
痛い、なんか痛い…
デビュー作「をんごく」以来、新時代のホラー小説界を切り開く北沢陶先生の最新作。いやー、先生の作品は読んでると、いつも体に支障をきたしちゃうくらい影響を及ぼすんすよ。
いつもの通り世界観が華やかで美しい、読んでてうっとりしちゃう。今回は舞台はハイカラな大阪新世界。大正ロマン…からの終焉の風を感じるような、そんな雰囲気が作品全体から漂ってきます。こんなにも可憐なのに、縮みあがっちゃうほどゾワゾワするお話なんです。
本作はイケメン中学生が異形な者に出会い、とある惨劇に見舞われてしまう怪奇譚。亡くした姉との関係性と異形との因果が絡み合う、姉弟愛のドラマでもあります。
まず主人公の朔哉ですよ。男前で多くを語らない謎めいたたたずまい、こりゃモテそうですね。今の時代ならアイドルとしても生きていけそう。でも彼は亡くなってしまった早葉子への未練で支配されてしまっている。なんとも可哀想なんすよ。
そんな折、彼のもとに登場する異形、水坂透楼ですよ。姿かたちの怖さよりも「何が起こるか」ってのが怖すぎなんよ。なんか痛々しいし… つい自分の身体を見ちゃうのよね。さらに逃げられずに追い詰められていく感じがこえーのよ。
こやつはいったい何者なのか? なぜこんなことをするのか? なぜ名前が付けられているのか? 終盤のサスペンス展開には目が釘付け、あっという間に読み切ってしまいましたね。
200頁ほどの短めの小説ですが、気品あふれる高品質なエンタメでありながら強烈な不安感に包まれるホラー。そして気がついたら、涙が頬を伝う物語でもあるのです。
■ぜっさん推しポイント
人間なんて大それたことなんてできないよなーって思わされましたね。そして人ひとりを愛することで精いっぱいなのが普通なんですよ。
誰かを愛することは信じることであり、受け止めることであり、自分を犠牲にすること。執着するのではなく、思いやることが本当の愛情なんすよね。 -
Posted by ブクログ
旅行の飛行機で読もうと買ったホラーアンソロジー。
飛行機では結局1話目しか読まなかったけど、それ以降少しずつ読み進めた。
いろんなタイプの話が入ってて楽しかった。お得感。
特に印象的だったのは北沢陶さんの「お家さん」と恩田陸さんの「車窓」
お家さんは、大正時代に大阪の商家へ丁稚奉公する少年のお話。
時代や言葉が相まってすごく雰囲気があったし、ラストも恐ろしくて好き…
こういう作品もっと読んでみたい!
車窓は、新幹線から見える看板のお話。
少ないページなのにすごく引き込まれた。
ラストはいろんな解釈ができそう。
いろんな作家さんのお話読みたい欲でアンソロジー何冊か買っちゃったけど、読むペースが追いつかず、増えてく積読本…
仕事納めもまだだけど、何を読んで年を越そうか考えるのがわくわく。 -
Posted by ブクログ
デビュー作の「をんごく」がおもしろかったので2作目(のはず?)も読んでみた
「をんごく」のときも思ったんだけど作品のなかに満ちる幻想的というか耽美というか、そういう雰囲気がかなり好みである…。時代や舞台設定も好き
女性記者が怪しげな製薬会社の社長宅に潜り込むという展開がわくわくする。これは主人公が途中で変わるのか、そもそも定めていないということなのかな
いわゆる調査ものっぽい内容が私はとても好きなのでぐいぐい読みすすめて、そこから徐々に明らかになる社長宅の秘密やそれに向かっていく展開が楽しく読めた
なんかホラーというよりもミステリっぽい楽しみ方をした。ミステリが好きなのでOKです
途中から女性同士のバディっぽい描写が増えてうれしかった~~~。北沢さん、バディものお上手だよな…これからも読ませてください -
Posted by ブクログ
ネタバレトータル3.5くらい。
書き下ろしなので全部新作だったのが良かった。
この中で好きなのは貴志祐介の『猫のいる風景』かな。曖昧オチではなく、きっちりミステリーもしてホラーもやってる。お化け無しで楽しませてくれた。
有栖川有栖『アイソレーテッド・サークル』
クローズドサークルの定義について話をしていて、どこかミステリーな雰囲気はあるものの、結局何かは不明で、結局どこかの異界らしいということで終わる。でも面白かった。
ミステリー小説だったら犯人がいるのに、この話では何かを見つけてはいけない、見てはいけない。犯人を見つけることが禁じられる恐怖。
北沢陶『お家さん』
丁稚奉公目線なので時代がわかりにくかったけど、尋常小学校や電話などで結構最近なんだなと感じるが、最後にスペイン風邪でした、と知らせるのは面白かった。本当に怖いのは怨み節をぶつけてくる幽霊か、それを素通りして恨みを果たそうとする人間か。というか一家全滅して良いのか。
背筋『窓から出すヮ』
恐怖って理不尽で理由なんて無いんですよ、という話だが、まあまあ一貫してて、ちょっと中途半端な印象。
作中の一つ目小僧の一応のオチも怖かったけど、怪奇現象が起きてくれないと困ると切に願う主人公作家もまた恐怖というか。笑い話にもなりそうなあんばいだなあと思った。
櫛木理宇『追われる男』
人間怖いの話の類いだけど、現代においていつとばっちりを食らうかわからないという恐怖を味わえて面白かった。でも最後のサユミは誰に殺されたのか曖昧にしたのはちょっとつまんない。状況的に主人公が殺したというオチにもっていけそうなところもあるが、結局主人公目線でしか読めないので、そこら辺が不明瞭。
貴志祐介『猫のいる風景』
姪がめちゃ頭良い。理詰めで主人公を追い込んでいくところがホラーというよりミステリー。でも最後は猫に舐められ食われるホラーで終わって面白かった。この作品のみお化け要素無しでガチのミステリーと恐怖を味わえて面白かった。
言葉遊びの類いは貴志祐介の好きなやりとりすぎてもはやほほえましい。
恩田陸『車窓』
富士山を見ようとする最初の下りのゾッとした感じは良かったな。幽霊みたいだなと思わせる前フリでめちゃ良い。
でも結局見えたのは隣の男、Nなのか?満面の笑みなのは、ようこそこちら側へ、という意味なのか?
現代に寄せていろいろ見せてくれたが、結局は曖昧オチでそこは残念。
数字もきっと大地震とか、テロとかそういう戦争や災害の日にちなんだろうなと思わせるものだが、最近は陰謀論とかそういうのでよく目にするので、この作品自体ちょっとなあ、という感想持っちゃう。何かを見た気がして、勝手にあれはこのことだったんだという改竄の話にしてしまうのはなんかやだ。 -
ネタバレ 購入済み
をんごく、の作家さんなんですね。私は断然こちらのほうが好きでした。
一作目のほうはさほどハマらず頑張って読み進めたくらいですが、こちらは一気に読んでしまいました。
結構みんなキャラが立ってるので、あのひとも人魚?でも気持ち悪いとかほかの人魚に言ってるし、、なぜ人魚がそこまで人間社会に簡単に掌握できるような術をもてたのか、どんなバックボーンがあるのか、そこがすごく気になりました。説明はないんですけどね。
で、あの捕まってた人魚たちはなぜあのようになってたのか?なにか拷問でもされてああなった?それとも、人魚という元は魚だから野生に戻ってしまうのか、そこももう少しバックボーンが知りたいんですが。
村が襲われたとき男女数名いたというし、ほかに誰が?
れいさんと人魚について詳しく知りたかった。。
結構想像に任せますみたいな場面が多かったんですが、とにかく面白かったです。