岸田メルのレビュー一覧
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原作2巻の中盤までと、1巻の内容の半分くらいまで。
絵はあっさりしていて、雰囲気にあっていて良いと思うのだけど(何よりアリスが可愛いし)、構成が微妙。
原作シリーズの中でも、確実に最高傑作で一番感動できる1巻の内容を、淡々とした回想シーンで終わらせていいのだろうか。
読んでいると、原作の中で出てきた数々の素敵な言葉が思い出されてきて感動するのですが、原作を読んでいない人からしたら、このコミック版は展開が速い上に、原作の魅力である心情の細かい描写や切なさが伝わらないのではないでしょうか。
決して悪い出来ではないのですが、原作が本当に好きだったので、どうしても不満点の方が多く出てきてしまいます。し -
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没落貧乏貴族の娘で『死神姫』と噂される天然系・アリシアの再婚相手となったのは、アズベルグの暴れモノと悪名高い強公爵カシュヴァーン・ライセン。一風変わった新婚生活は相変わらず甘いムードとは無関係な模様・・・のように見えてどうやら微妙に進行中?ある日、カシュヴァーンは「俺たちの結婚報告をしにいく」とアリシアを連れ立って、アズベルグの前領主・ディネロのお屋敷を訪れることに。久々の外出とお泊りを、旅行気分で無邪気に喜ぶアリシアだったが、そこにはカシュヴァーンのある企みがあるのだった。しかし、待ち受けていたのは思わぬ罠と、意外にも暴君夫の焼きもちで――!?
相変わらずほのぼの独自の思考回路で大抵のこと -
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Tenth installment.
I was excited that the next one came out faster than expected. And then I came to the crashing realization that this one is more of a collection of side stories rather than a continuation of the book before. It was still good, but i was looking forward to the main action.
Anxiou -
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ニート探偵・アリスのもとに突如飛び込んできたタイの少女・マオ。彼女の依頼は、行方をくらました父親の捜索。しかし持参したボストンバッグには出処不明の現金2億円、ヤクザの影も見え隠れと、どんどん事態はきな臭い方向へ進んで行きーー。
資料用に読みはじめたけど、なんだかんだでキャラクター小説としては好きかも。少佐が。ああいう情報参謀みたいなキャラに弱いなぁほんと。
デジタル特化が主要キャラに2人いるのは配置として珍しいように思うけど、探偵とミリオタって差別化ができてるからいいのかな。まぁそもそも、ヒロインとレギュラーその2くらいだから問題ないのか。 -
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“「――結構。みな、顔を上げなさい」
ひざまずいた人々のただ中でひとり静かに立っていたグラネウスは、おもむろにそう命じた。無言で顔を上げたカシュヴァーンに微笑みかけ、
「ライセン。いや、カシュヴァーンと呼ばせてもらおうか。カシュヴァーン、貴公はよき夫であり、よき『父』であり、よき主であるのだな」
「……よき妻であり、よき『息子』であり、よき使用人たちであるだけのことです」
かすかに背後を振り返りながらの謙遜には、隠しきれない感謝の念が含まれていた。
「相分かった。貴公が必要とする王として、できる限りのことをすると私も誓おう」
誓いを返したグラネウスは、カシュヴァーンに立つよううながした。
「と -
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“「ゼ、ゼ、ゼ、ゼ、ゼ、オ……!?」
「ああ、本当にティルだ!会えて嬉しいよ、ティル!!」
ティルナードの愛称を連呼しながら親しげな笑顔を見せるのは、アリシアは知らない黒髪の青年だった。
顔立ちはそれなりに整っており、着ている服も王宮に相応しい襟高の華美な貴族服だが、そんな者はこの王宮内にどれだけいるか分からない。だがゼオと呼ばれた彼には、別のはっきりとした特徴があった。
額から頬にかけ、右目を通って斜めに走る醜い傷跡。
刃物によるものだろう。それもああり手練とは言い難い相手から受けた傷らしく、左右にぶれた傷口はよじれ、周辺の肌を引っ張っている。そのせいで唇の右側が少し持ち上がり、笑っていなく