岸田メルのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
原作2巻の中盤までと、1巻の内容の半分くらいまで。
絵はあっさりしていて、雰囲気にあっていて良いと思うのだけど(何よりアリスが可愛いし)、構成が微妙。
原作シリーズの中でも、確実に最高傑作で一番感動できる1巻の内容を、淡々とした回想シーンで終わらせていいのだろうか。
読んでいると、原作の中で出てきた数々の素敵な言葉が思い出されてきて感動するのですが、原作を読んでいない人からしたら、このコミック版は展開が速い上に、原作の魅力である心情の細かい描写や切なさが伝わらないのではないでしょうか。
決して悪い出来ではないのですが、原作が本当に好きだったので、どうしても不満点の方が多く出てきてしまいます。しかし、原作1巻のラストなど、まだまだ良いシーンがたくさんあるはずなので、また3巻に期待したいです。 -
Posted by ブクログ
没落貧乏貴族の娘で『死神姫』と噂される天然系・アリシアの再婚相手となったのは、アズベルグの暴れモノと悪名高い強公爵カシュヴァーン・ライセン。一風変わった新婚生活は相変わらず甘いムードとは無関係な模様・・・のように見えてどうやら微妙に進行中?ある日、カシュヴァーンは「俺たちの結婚報告をしにいく」とアリシアを連れ立って、アズベルグの前領主・ディネロのお屋敷を訪れることに。久々の外出とお泊りを、旅行気分で無邪気に喜ぶアリシアだったが、そこにはカシュヴァーンのある企みがあるのだった。しかし、待ち受けていたのは思わぬ罠と、意外にも暴君夫の焼きもちで――!?
相変わらずほのぼの独自の思考回路で大抵のことは受け流してしまうアリシアがかわいい。妻に対して大切だという気持ちを抱き始めているカシュヴァーンとのちょっとズレた会話も思わずニコニコしてしまいます。「お腹が痛い」事態はこれから増えていくのかなーとそこも楽しみ(笑)
新キャラも増えますが、個人的にはディネロが結構ツボでした。最初は得体の知れない人だったけど、言葉をじっくり選んで話すところやアリシアに対して温かい姿勢なのは好感が持てます。しかもイケメン!まだまだ領地は問題有りのようですが、いろんな人と力を合わせて平和な土地になればいいですね。 -
Posted by ブクログ
Tenth installment.
I was excited that the next one came out faster than expected. And then I came to the crashing realization that this one is more of a collection of side stories rather than a continuation of the book before. It was still good, but i was looking forward to the main action.
Anxiously awaiting the next book. -
Posted by ブクログ
ニート探偵・アリスのもとに突如飛び込んできたタイの少女・マオ。彼女の依頼は、行方をくらました父親の捜索。しかし持参したボストンバッグには出処不明の現金2億円、ヤクザの影も見え隠れと、どんどん事態はきな臭い方向へ進んで行きーー。
資料用に読みはじめたけど、なんだかんだでキャラクター小説としては好きかも。少佐が。ああいう情報参謀みたいなキャラに弱いなぁほんと。
デジタル特化が主要キャラに2人いるのは配置として珍しいように思うけど、探偵とミリオタって差別化ができてるからいいのかな。まぁそもそも、ヒロインとレギュラーその2くらいだから問題ないのか。 -
Posted by ブクログ
“「――結構。みな、顔を上げなさい」
ひざまずいた人々のただ中でひとり静かに立っていたグラネウスは、おもむろにそう命じた。無言で顔を上げたカシュヴァーンに微笑みかけ、
「ライセン。いや、カシュヴァーンと呼ばせてもらおうか。カシュヴァーン、貴公はよき夫であり、よき『父』であり、よき主であるのだな」
「……よき妻であり、よき『息子』であり、よき使用人たちであるだけのことです」
かすかに背後を振り返りながらの謙遜には、隠しきれない感謝の念が含まれていた。
「相分かった。貴公が必要とする王として、できる限りのことをすると私も誓おう」
誓いを返したグラネウスは、カシュヴァーンに立つよううながした。
「ところでカシュヴァーン。貴公も知っているとおり、人は変わる。良くも悪くも」
言わんとしていることを感じ取ってか、片眉を上げたカシュヴァーンを見上げてグラネウスは尋ねた。
「ゼオ……ゼオルディスがもしも良き王となった暁には、あれにひざまずけるかね」
「……良き王となって下さるのならば」
真っ向否定した訳ではない。しかしその答え方には明らかな棘がある。
尋ねたグラネウスも、カシュヴァーンの答えは分かっていたのだろう。それ以上追求することもなく、「そうかね」とだけうなずいた。”
表紙のアリシアが可愛すぎてやばい。
ゼオ関連の話はいつ締まるかなー。
ノーラには幸せになってほしいよ。
“「元気でな、ティル、セイグラムも。レイデン地方をよろしく頼むぞ。ではアリシア、俺たちは戻ろう」
短く声をかけたカシュヴァーンは、アリシアの手を取ってさっさと踵を返した。
「ええ、ではノーラも」
「ノーラは少し遅れるらしい」
含み笑いをしてつぶやいたカシュヴァーンは、アリシアの手を引っ張って歩き出す。
逆らわず歩き出したアリシアと入れ替わりに、ノーラが決心した顔で馬車へと足を踏み出したのが分かった。
「カシュヴァーン様、どうしてノーラは遅れますの……?」
途中までは素直に従ったアリシアだったが、どうしても気になってそう尋ねながら背後を振り返る。
ちょうどその時、馬車から身を乗り出したティルナードがノーラを抱き寄せ、ぎこちない口づけをした。
「出発しますよ」
ごく乾いた口調でセイグラムが言い、馬車が動き出す。
ぽかんとしてその様を見送ってしまいながら、アリシアは赤い顔をして自己完結した。
「……よ、用事が、あったん、ですの、ね」
「そのようだな」
すまして答えるカシュヴァーンとアリシアが、まだその場にいたことにノーラも気づいた。一瞬逃げ出しそうな顔をしたが、必死に冷静を装う。
「あ、カシュヴァーン、様、奥様、も、戻りましょう、早く」
「そう、ね、よ、用事は、終わった、みたい、だもの、ね、ノーラ」” -
Posted by ブクログ
“「ゼ、ゼ、ゼ、ゼ、ゼ、オ……!?」
「ああ、本当にティルだ!会えて嬉しいよ、ティル!!」
ティルナードの愛称を連呼しながら親しげな笑顔を見せるのは、アリシアは知らない黒髪の青年だった。
顔立ちはそれなりに整っており、着ている服も王宮に相応しい襟高の華美な貴族服だが、そんな者はこの王宮内にどれだけいるか分からない。だがゼオと呼ばれた彼には、別のはっきりとした特徴があった。
額から頬にかけ、右目を通って斜めに走る醜い傷跡。
刃物によるものだろう。それもああり手練とは言い難い相手から受けた傷らしく、左右にぶれた傷口はよじれ、周辺の肌を引っ張っている。そのせいで唇の右側が少し持ち上がり、笑っていなくても笑っているように見えた。
だが今、ゼオは間違いなく心から笑っていた。傷を受けた右眼にも傷のない左眼にも、無邪気な喜びがあふれている。
「まあ、もがもが」
額にこのような傷があれば、眼帯などで隠すのが普通だ。ティルナードと知り合いらしいところも含め、聞きたいことが一気に唇からあふれそうになったが、カシュヴァーンとの約束がある。なんとかそれを思い出し、アリシアは自主的に口元を押さえて我慢した。
ゼオも一瞬ちらりとアリシアあを見たが、あえぐようにティルナードが漏らした声に、再び彼のほうに向き直る。
「はは、まるで幽霊でも見たような顔だな、ティル。まあ幽霊扱いには慣れちゃいるが」
「なんで、なんでお前が、なんでここに…..!」
顔面蒼白のティルナードに対し、ゼオは快活な笑顔で改めて名乗った。
「俺が王子だからだよ。ゼオルディス・フィラル・ド・シルディーン」”
ゼオの性格の悪さといったら。
ゼオとフロリアンとミューゼ。
この三人の関係はまだ謎のまま。気になるなー。
“「なあカシュヴァーン、お前も父親をとても尊敬しているようだな」
一度は緩んでいたカシュヴァーンの表情が凍りつく。
「……馬鹿な」
「だって父親と同じ事をしているじゃないか。名家の女を金で買い、自由を奪って無理やり我が物とする。正に男の浪漫<ロマン>だ。おまけに調教も完璧、まったく羨ましい」
その言葉はまるで、一条の雷のごとくカシュヴァーンの精神を貫いた。
落雷に幹を裂かれた大木のように、彼は声もなくその場に立ち尽くしている。
「ゼオ様、だめ、お父様の話はだめなの!」
二つも約束を破って大声を出したアリシアを見て、ゼオルディスは笑う。明るく快活に。捕まえた虫の足を無心にちぎる幼児のように。
「心配するなアリシア。お前の夫のこともジス義兄様のことも、俺がうまくとりなしてやるから。だって俺はカシュヴァーンの友達で、ジス義兄様の弟なんだからな」
カシュヴァーンを庇うようにその前に立ったアリシアを見ながら、ゼオルディスはきつい眼をしているフロリアンに話しかけた。
「久しぶりにお前以外の友達ができたぞ。もちろん喜んでくれるよな?フロリアン」
嘘がつけない性格らしいフロリアンは、何も答えようとしなかった。”