ヴァージニア・ウルフのレビュー一覧

  • 灯台へ

    Posted by ブクログ

    イギリスの作家ヴァージニア・ウルフの小説。
    時は1900年代初頭。そこに遠足に行くことを心待ちにしている幼い子供が明日は灯台に行けるのかを母に問うと、横から気難しい父親が「天気は、まず駄目だよ」と全否定し、幼心がショックを受ける場面から始まる。
    以降、複数の登場人物が他人をどのように知覚しているかを、イギリスの小説っぽく冗長に描く。著者は「(人の)生はつり合いよく整えられた一連の馬車ランプの光ではない。我々を取り巻いている半透明なかさ、luminous haloである。この定まららぬ、捉えがたい精神を書きあらことが小説家の仕事ではないだろうか?」と述べている。つまり、いつまで経っても変わらない

    0
    2024年03月25日
  • 波〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    SNSでおしゃれに紹介されていて、憧れを持って手に入れて、読み出してびっくり!難しいというか、流れが、意味が頭に入って来ない…最初の20ページほどで中断し、数ヶ月。それでも何とか再開し読み進めるうちに、(ああ、タイトルの波とは、この波のように寄せては返すような文章の構成のことを言うんだな…)と理解してから何とか最後まで辿り着きました。訳者あとがきに著者ウルフのご主人が「一般の読者には最初の100ページは難解すぎるだろう」とおっしゃったとあり、私は心の内で「それな!」と叫びました(笑)私が特別読解力がないわけではなかったのだ…と安堵しました。というわけで、内容についての感想はあと2回くらい読まな

    0
    2023年12月30日
  • 灯台へ

    Posted by ブクログ

    津村のよみなおし世界文学の1冊。3部構成になっているイギリス文学である。最後が灯台へということであるが、最初の窓の1部から灯台がシンボルとして出てくる。アメリカ文学のように具体的な場面の連続ではなくて、考えが中心である。

    0
    2023年06月12日
  • 青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集

    Posted by ブクログ

    絶版のちくま文庫版と収録作品はほぼ同じ。以前読んだとき同様、やはり「キュー植物園」の完成度がとびぬけてすばらしい。園を行き交う人びとが、ありえたかもしれない過去に思いをよせたり、でもいま手にしているこの現実でよかったんだと思いなおしたりする意識の流れが、花々や蝸牛の描写をおりまぜつつ見事に点描されている。絵で喩えるならジョルジュ・スーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」のよう。

    他には「堅固な対象」「池の魅力」も好み。一方、焦点のない構図で撮影された写真みたいに、とりとめがなくてよくわからない話も。

     【ノーツ】

    ▶20世紀は「メタ」の時代
    ・訳者解説によると、ブルームズベリー・グ

    0
    2023年02月16日
  • 波〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    同窓の男女6人の人生が彼らの独白オンリーで綴られているんだけど、あまりに詩的で繊細、内面的に描かれていてはっきりした筋を追うような作りにはなっていない。ところどころで海辺の夜明けから日没までの美しい風景描写が挿入されて、人生のうつろいと重なり合う。読み始めは素敵だなあと思ったものの、ずーっと同じ調子にあいまいで装飾が多い文章なので疲れてしまった。飴玉をなめるみたいにゆっくりゆっくり読む本だと思う(そうしなかった私に非がある)。一番好感度高かったのはロウダ。最後に自殺したことが明かされるけど、そうなっちゃうよねえ、と思わされる。
    全体を通して精神しか書かれないので、中盤で皆の精神が溶け合い、一つ

    0
    2022年09月04日
  • 波〔新訳版〕

    Posted by ブクログ

    ほんとにね、寄せては返す波のようだよね、文章が。なんだか主体の境界線が溶け合ってしまって誰ともいつとも定かでないような感じがして、『きことわ』がこれの何かを受けているのかなとちょっと思いました。

    0
    2021年07月07日
  • 幕間

    Posted by ブクログ

    もう一度読まねば。味がよく分からん。そんなふうに読んでしまった。読書の仕方を改めねば。

    モンゴメリ、クリスティー、ウルフ。戦争が否応なしに入り込む。

    0
    2021年06月07日
  • 三ギニー――戦争と女性

    Posted by ブクログ

    1938年出版のウルフの長編エッセイ。

    ヒットラーやムッソリーニなど全体主義の台頭、そして戦争の足音が近くなかでの戦争と女性の関係について論じている。

    が、視点は、国際政治というより、イギリス国内、中産階級的な世界のなかにおける男女差別、家父長制の偽善というところにフォーカスされている。

    そして、全体主義、戦争と家父長制、女性の抑圧といった問題がフラクタルであることを多くの具体事例をまじえながら、論じられていく。

    1930年代のイギリスにおける女性という「階級」の扱いが、今から考えると、「まだこんな感じだったのか〜」と驚くと同時に、現在の日本はまだこれに近いのかもなどと思った。

    エッ

    0
    2020年01月05日
  • 灯台へ

    Posted by ブクログ

    あらすじを追っていくこと、それを自分の経験や知識に照らして理解へ落とし込んでいくことが、いかに無意味かということを、この小説は教えてくれる。

    この作家は、とても自分の心の動きに敏感な人だったのだろう。
    人が人と視線を交わす。ただそれだけの刹那、どれほどの思索が交差するか。それをあますことなく文字にしたらこうなるのかもしれない。
    こんな小説、ほかに見当たらないのではないか。
    そしてまた、これほど内省に特化した小説もない。
    すでに100年も前にものされてしまっているのだから。

    自分という存在は、果たして一貫しているのか。
    それにさえ疑念が湧いてくるようだ。
    それでも作家は、人間の最後の希望の拠

    0
    2019年12月29日
  • 船出(上)

    Posted by ブクログ

    「つまり問題は、君と本当に話せるか、ということなんだ。君に理性が備わっているのか、それとも他の女性と同じなのか?」
    「(本を貸すのは構わないが)君はその価値がわかるというのかい?(エドワード・)ギボンが試金石だ。女性となると、言い当てるのが非常に難しい。つまり、わからないのは、訓練が欠けているのか、生まれつき無能力だからか、自分には見当がつかない。ただ君がいかに愚かな生活をしてきたかと想像できる。長い列を作ってぞろぞろ歩いてきただけ」即座に頰っぺたつねるぞ。どの口がゆうてるの!

    0
    2019年09月17日
  • 三ギニー

    Posted by ブクログ

    教養の深い作者がいろんな種類のオブラートやサランラップで包んでこてこて執筆してらっしゃるが、どうやら「あんたら男どもが好き勝手やって腐敗したこの社会において、女性を家に閉じ込めといて、自ら稼ぐすべを無くした上で、施設を改築する寄付をしろ、ですってえ?勝手に戦争始めといて、戦争を止めるにはどうしたらいいかですってえ?まずは無駄な装飾ごてごてのコスプレ軍服やめなよ。あれが間違ってもカッコイイとか思ってる人がいたら戦争終わらないんじゃないの?」と言った、おっしゃる通りですわ、奥さま、という本でございます。

    0
    2019年02月16日
  • 灯台へ

    Posted by ブクログ

    3月にある読書会課題本。「ある一家の十年」というタイトルでもよいような話。個人的にはあまり嵌らなかった。ストーリーにドラマチックな展開などは、ほとんどない。全体に詩的な雰囲気があり、しかもところどころに戦争の暗い陰がただよっていて、それが本書に独特の深みを与えていると思う。誰にでもお薦めできるものでもないが、一読をして損はしないと思う。

    0
    2018年03月01日
  • 自分ひとりの部屋

    Posted by ブクログ

    すべての人の日々のちょっとした心がけとかそういう程度のいろいろの積み重ねでしか変化しないことだし、最終的にそういうちょっとした勇気というところにまとまっていて、やっぱり無力なんだよなと思いました

    0
    2017年12月20日
  • 灯台へ

    Posted by ブクログ

    読み終えるのになかなか時間がかかった。
    登場人物の間に張りつめた糸を手繰っていくような感覚。
    あるひとりの思考を辿っていると、それがいつの間にか他の人の思考につながっていて…時間の流れにそって漂う意識を言葉によってなぞっていく、不思議な体験だった。
    オールドミスのリリーが良妻賢母の権化ともいえるラムジー夫人に抱く複雑な感覚はわかるなぁ、と思いながら読んでいた。ぼんやりとした憧れと、お節介を少し疎ましく思う心と、愛し愛される人を「自分とは違う人種だ」と思いつつも羨む気持ち。
    二章の時間の流れの描写がとても好き。

    0
    2013年04月03日
  • 灯台へ

    Posted by ブクログ

    1章読むのにやたら時間がかかったけど、そこからさきはするりと読めた。
    つかみかけたと思ったら終わってしまったので、もう一度読み返そう。
    あえて言うならバンクス氏に萌えた。

    0
    2013年01月20日