ヴァージニア・ウルフのレビュー一覧

  • 自分ひとりの部屋

    Posted by ブクログ

    1928年にケンブリッジ大学の女子カレッジで行なわれた講演をベースにした、フェミニズム批評の古典的作品。「意識の流れ」による叙述のため、読み取りにくい部分もあるが、訳注と解説が充実していてとても助かる。

    「自分ひとりの部屋」というタイトルは、女性が小説を書こうと思うなら、生活にゆとりのあるだけのお金(年収500ポンド、訳者によると500万円程度のイメージ)と一人になれる部屋を確保しなければならない、というウルフの主張に依る。そして、女性の経済的基盤のなさが、いかにその作家としての自立を困難にしてきたのかが、具体的に語られる。

    とはいえ読み進めると、お金と部屋だけですべてを語ってはいないこと

    0
    2021年02月16日
  • 自分ひとりの部屋

    Posted by ブクログ

     本書の内容を簡潔に紹介するならば、女性の文学との関わりの歴史を辿りながら、女性の地位向上のために、ウルフがその考えるところを、特に同性である女性に向けて、あるときは率直に、あるところでは文学的な虚構を混じえて、語りかけたものである。

     女性が小説や詩を書こうとするならば、〈年収500ポンド〉と、〈ドアに鍵のかかる自分ひとりの部屋〉が要ると、ウルフは主張する。
     オックスブリッジで、女性であるが故に立入りを断られたことや、女性の組織が金銭的な収入を得ることが難しいことを導入的に説明した後、どうして女性が貧乏なのか答えを得ようとして、いわゆる男性識者の著作等を調べるが、それらは女性に対する偏見

    0
    2021年02月09日
  • 灯台へ

    Posted by ブクログ

    ”百年の誤読”から。最近専らそればかり。それはさておき、これは言ってみれば、灯台へ行くだけの小説。何じゃそらって感じだけど、内容のことを表現するとしたらそうなんだもの仕方ない。文章の美しさに心酔するって読み方が、いまひとつ身についていない自分だから、きっと本書も味わい切れていないんだと思う。美しい文とか、素敵な表現とか、そういうのを目いっぱい味わうための小説だと思う。人物描写とか物語の内容だけでいうと、これより没頭できる作品は数多あると思うもの。でもウルフ作品、他にも挑戦したい。もう少し分かりたい。

    0
    2017年10月20日
  • 灯台へ

    Posted by ブクログ

    ヴァージニア・ウルフの小説は、読んでいる時は淡々と進むのだけど、読後、時間が静かに、澱が重なるように残っていて好き。

    0
    2017年07月30日
  • 灯台へ

    Posted by ブクログ

     1927年発表、ヴァージニア・ウルフ著。孤島に住む夫人とその一家、彼らを取り巻く画家ら数人。第一部「窓」:明日灯台へ行くことを思いながら日が暮れ、夕餉の席で頂点に達する各人の心理的緊張を描写する。第二部「時はゆく」:擬人化した風や闇などに視点を据えつつ、それらに家が侵食されて廃墟と化していく過程を描く。第三部「灯台」:十年後、再び家に戻ってきたラムジー氏と子供達がようやく灯台に向かう。
     濃密な心理の流れだった。
     第一部:主観人物はころころと入れ替わり、特に夫人の存在感が他の登場人物の心理に及ぼす影響を精密に、詩的に、哲学的に描いている。静かな池に石を投げ入れて波紋が広がっていく様を眺めて

    0
    2014年12月27日
  • 灯台へ

    Posted by ブクログ

    とにかく描写が繊細。精神描写も情景描写も、繊細すぎて粘着質に感じるくらい。ウルフの言葉へのこだわりを感じるなあ。と言ってもウルフについてはほとんど無知で、精神を病んでいたとか自殺で亡くなっているとか、巻末の解説等を読んで知ったんだけど。
    二章の時間経過の表現はすごく好きだ。なんとなくガルシア・マルケスの「百年の孤独」を思い出した。
    「われらは滅びぬ、おのおの一人にて」後半から最後まで何度か繰り返されるけど、繰り返されるうちにこの一節が段々胸に響いて切ない気持ちになってくる。

    0
    2011年12月01日
  • 灯台へ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    スコットランドの小島の別荘に集うラムジー一家と客人たちの、たった二日間の出来事を描いた作品。
    人々の心の動きが丁寧に書かれ、文章は詩のように美しい。

    ただ読みにくい文章だし、感情を入れて読むような文章でもなく
    物語としては単調で派手さは無いので、好みは分かれるかもしれない。

    0
    2026年09月13日
  • 灯台へ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    物語の動きはほとんどなく、とある場面で登場人物の頭の中、心の中をつらつらと連ねた内容。
    突然人物が変わったりして最初は戸惑ったけれど、読み進めるうちに慣れてゆき、物語の場面が映像として浮かび上がってゆく。
    ここまで事細かに一人一人の考え、しかも複雑な感情までも文章化できるなんて…と感動すらした。
    が、時代背景、国柄が違うことに加えてこの技法の為、読みにくかったのが正直なところでした…

    0
    2026年08月24日
  • 灯台へ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    やっぱり原作で読みたい…この読みにくさは日本語に訳してしまっているからだと思う…

    そうはいっても、後半は慣れたのか、描写も意識の流れもわかりやすくなった。
    『灯台』に到着してよかった。

    0
    2026年08月13日
  • 灯台へ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    1927年に刊行された、ヴァージニア・ウルフの『灯台へ』。

    20世紀を代表する文学作品の一冊と言われているだけあって 多くの解説や考察が見受けられます。読み始める前にそうした解説を少し読んでおいたことは、大変助けになりました。
    読んでいなければ わからなかったかもしれませんが。

    とはいえ、構えて読み始めたものの、思っていたほど難解な小説ではありませんでした。それは昨年刊行された鴻巣友季子さんの新訳によるところも大きいのかもしれません。
    ただ 物語に動きがないので なかなか読書が進まないのも確か。

    物語は、

    第一部「窓」
    第二部「時はゆく」
    第三部「灯台」

    の三部構成です。

    第一部で

    0
    2026年08月10日
  • 灯台へ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    これを「確かに傑作だ」と手放しに首肯するには自身の海外文学に対する読書力?知見?がまだまだ足りないのかなぁと実感させられた。

    日本の小説でも「話者が誰なのかわからない現象」はたまにあって、その度に「読みにくい」としか思わなかったが、解説を読んでみるとそれこそが技法というからびっくり。
    確かに、印象とか感想はとめどなく対象を変えていくもので、その人間本来の印象こそをそのまま描くことが正、みたいなヴァージニア考えも一理ある。
    けど、傑作とはなぁ…
    評価が分かれそうな気はする。訳者の人も原作に添いつつ、この曖昧な文章をよく訳してくれたなと感謝。

    ラムジー夫人に対する周囲の評価が場面によってコロコ

    0
    2026年06月20日
  • 灯台へ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    読むのに非常に苦労した。目が文字の上をすべり、中身が頭に入ってこない。
    登場人物の意識の流れを克明に描写した文章なので、それを自分の頭の中のイメージに置き換えていく必要があるのだが、うまくできなかった。
    こういった文章をちゃんと読める読者になりたい、というのが率直な感想です。

    作品が何を主題として描いていたのか分からなかったので、各社の説明文の要所を引用してみる。
    ・二日間のできごとを綴ることによって愛の力を描き出した(新潮文庫)
    ・若い女性画家はそんな母子の姿をキャンバスに捉えようとする(岩波文庫)
    ・微妙な意識の交錯と澄明なリリシズムを湛えた文体によって繊細に織り上げられた、去りゆく時代

    0
    2026年06月16日
  • 船出(下)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ヴァージニア・ウルフに興味を持ったが、まだ一作も読んでいないという人が間違いなく最初に読むべき作品ではない。
    群像劇で、かつ時間軸も長期間であり、場面も視点も多く移り変わるので、非常に読みにくく、このシーンに誰がいるのかというのが分かり辛い。非常に散漫な作品だ。
    灯台へも様々な人物の視点が切り替わるが、作中の経過時間が限定されており、登場人物も限定的であるため、最初こそ苦労するが途中でそれも慣れてくる。
    ただ、そういった視点の移り変わりや、人生や死というものに対する考えなどは後の作品に通じるものではあるので、他の傑作・名作と呼ばれるようなヴァージニア・ウルフ作品を読んだうえでならば興味深い作品

    0
    2026年05月29日
  • 自分ひとりの部屋

    Posted by ブクログ

    新時代の小説家として名を馳せたヴァージニア・ウルフが、ケンブリッジ大学の女生徒に向けて行った講演。当時イギリスは史上初めて女性参政権が認められた時期で、女性開放の機運が高まっていた。ただ、第一次大戦後、多くの兵士(男性)が社会復帰するにあたり、女性は職場から追われ、家にいるべきという考え方が復古していたとき。参政権があっても社会的、経済的に自立できるわけでもなく、そのための支援もない状態。この状況を、もしシェイクスピアに妹がいたならというフィクションでとても上手に描いている。どの時代もこういったテーマについて面従腹背、ダブスタだったりするんだなあと改めて感じる。100年後には良くなっている(年

    0
    2026年05月19日
  • 灯台へ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    人と話す時に絶えず動く心
    思ったことまるっと描写
    途中で入れ替わる話者
    誰がいましゃべってるんだろ
    誰がいま心のうちを吐露してる
    隅々までかいてる

    0
    2026年05月12日
  • 船出(上)

    Posted by ブクログ

    登場人物が多く、それでいてどういう人物なのかについて説明が登場時にない。そのため、今誰がこの場にいてこの話してる人たちはどういう関係なのかを掴みづらい場面が多かった。視点の切り替わりの多い群像劇は読みづらいので小説を書く際には避けたほうがいいという話がよくあるが、それを実感させられた。しかし、登場人物が限定されている場面での掛け合いは非常に面白い。

    0
    2026年04月29日
  • 灯台へ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    Xでよく見かける本。確かにおすすめされる理由がわかる。

    まず、女性作家という点だけで時代的に価値がある。ドストエフスキーもワイルドもみんな男性作家だし、当時の女性の立場を女性自身の視点で描いたというだけで大きな意味がある。

    この作品は「見られる性」としての女性を描いている。夫やその友人たちに見られていることを気づかないふりをしているが、意識していたり、男性が求めているものを分かっていながらも、それを渡さない男女の駆け引きだったり、なるほど。そういう瞬間がたくさんあるよねの連続。

    また、「女性」を超えて「ケアする側」の感情の揺れも細かく描かれていて、現代でも通じるリアルさがあると思う。誰か

    0
    2026年02月07日
  • 灯台へ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    一日目に第一部読んで、今日第二部、第三部と読んだんだけど目がめっちゃ疲れた!!!

    表現が美しすぎて幅がありすぎてなんかもう人物描写が外も内も凄すぎて私は何を読んだんだ???って気分です……

    最初感じてた読みにくさは慣れたので今日はもう全然なかったんだけど、なんだろ、直接描写の途中から間接描写に変わったりで一文、いや一節一節をしっかり読まないとすぐ置いてかれるというか。
    ほんまころころ移動するから読むのにめっちゃ目と頭使ったなっていうマジ疲労感がすごい。゚(゚^▽^゚)゚。

    しかし凄い描写力だった……

    0
    2026年01月06日
  • 青と緑 ヴァージニア・ウルフ短篇集

    Posted by ブクログ

    ヴァージニア・ウルフの本は2冊目。
    ウルフは「意識の流れ」という文学的手法を使ったことで有名。

    調べてみたら、意識の流れとは、人物の思考や感情が、川の流れのように途切れなく変化していく様子を表現する方法。出来事を客観的に書くのではなく、人物の主観的な視点から、思考や感情の動きを直接的に書くことが特徴。

    という説明があったけど、個人的には客観的に感じちゃったな。
    思考や感情が途切れなく変わっていくところがのめり込めなかったのか、フィルターを通して世界を見ているような、夢の中にいるような、そんな感覚がずっと続く。
    話は入ってきにくかったから読み切れるか心配だったけど、読み心地は嫌いじゃない。

    0
    2025年07月25日
  • 灯台へ

    Posted by ブクログ

    灯台へ行くという設定おもしろい。
    物語はアクションが起きるのではなく、思考の流れが主になる。めたんこたくさんの比喩表現があり、ある意味とてつもなく回りくどい。
    何個か好きな表現はあったが、個人的にはあまりピンとくるものは多くなかった。

    0
    2024年08月12日