ヴァージニア・ウルフのレビュー一覧
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1928年にケンブリッジ大学の女子カレッジで行なわれた講演をベースにした、フェミニズム批評の古典的作品。「意識の流れ」による叙述のため、読み取りにくい部分もあるが、訳注と解説が充実していてとても助かる。
「自分ひとりの部屋」というタイトルは、女性が小説を書こうと思うなら、生活にゆとりのあるだけのお金(年収500ポンド、訳者によると500万円程度のイメージ)と一人になれる部屋を確保しなければならない、というウルフの主張に依る。そして、女性の経済的基盤のなさが、いかにその作家としての自立を困難にしてきたのかが、具体的に語られる。
とはいえ読み進めると、お金と部屋だけですべてを語ってはいないこと -
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本書の内容を簡潔に紹介するならば、女性の文学との関わりの歴史を辿りながら、女性の地位向上のために、ウルフがその考えるところを、特に同性である女性に向けて、あるときは率直に、あるところでは文学的な虚構を混じえて、語りかけたものである。
女性が小説や詩を書こうとするならば、〈年収500ポンド〉と、〈ドアに鍵のかかる自分ひとりの部屋〉が要ると、ウルフは主張する。
オックスブリッジで、女性であるが故に立入りを断られたことや、女性の組織が金銭的な収入を得ることが難しいことを導入的に説明した後、どうして女性が貧乏なのか答えを得ようとして、いわゆる男性識者の著作等を調べるが、それらは女性に対する偏見 -
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1927年発表、ヴァージニア・ウルフ著。孤島に住む夫人とその一家、彼らを取り巻く画家ら数人。第一部「窓」:明日灯台へ行くことを思いながら日が暮れ、夕餉の席で頂点に達する各人の心理的緊張を描写する。第二部「時はゆく」:擬人化した風や闇などに視点を据えつつ、それらに家が侵食されて廃墟と化していく過程を描く。第三部「灯台」:十年後、再び家に戻ってきたラムジー氏と子供達がようやく灯台に向かう。
濃密な心理の流れだった。
第一部:主観人物はころころと入れ替わり、特に夫人の存在感が他の登場人物の心理に及ぼす影響を精密に、詩的に、哲学的に描いている。静かな池に石を投げ入れて波紋が広がっていく様を眺めて -
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1927年に刊行された、ヴァージニア・ウルフの『灯台へ』。
20世紀を代表する文学作品の一冊と言われているだけあって 多くの解説や考察が見受けられます。読み始める前にそうした解説を少し読んでおいたことは、大変助けになりました。
読んでいなければ わからなかったかもしれませんが。
とはいえ、構えて読み始めたものの、思っていたほど難解な小説ではありませんでした。それは昨年刊行された鴻巣友季子さんの新訳によるところも大きいのかもしれません。
ただ 物語に動きがないので なかなか読書が進まないのも確か。
物語は、
第一部「窓」
第二部「時はゆく」
第三部「灯台」
の三部構成です。
第一部で -
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ネタバレこれを「確かに傑作だ」と手放しに首肯するには自身の海外文学に対する読書力?知見?がまだまだ足りないのかなぁと実感させられた。
日本の小説でも「話者が誰なのかわからない現象」はたまにあって、その度に「読みにくい」としか思わなかったが、解説を読んでみるとそれこそが技法というからびっくり。
確かに、印象とか感想はとめどなく対象を変えていくもので、その人間本来の印象こそをそのまま描くことが正、みたいなヴァージニア考えも一理ある。
けど、傑作とはなぁ…
評価が分かれそうな気はする。訳者の人も原作に添いつつ、この曖昧な文章をよく訳してくれたなと感謝。
ラムジー夫人に対する周囲の評価が場面によってコロコ -
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ネタバレ読むのに非常に苦労した。目が文字の上をすべり、中身が頭に入ってこない。
登場人物の意識の流れを克明に描写した文章なので、それを自分の頭の中のイメージに置き換えていく必要があるのだが、うまくできなかった。
こういった文章をちゃんと読める読者になりたい、というのが率直な感想です。
作品が何を主題として描いていたのか分からなかったので、各社の説明文の要所を引用してみる。
・二日間のできごとを綴ることによって愛の力を描き出した(新潮文庫)
・若い女性画家はそんな母子の姿をキャンバスに捉えようとする(岩波文庫)
・微妙な意識の交錯と澄明なリリシズムを湛えた文体によって繊細に織り上げられた、去りゆく時代 -
Posted by ブクログ
ネタバレヴァージニア・ウルフに興味を持ったが、まだ一作も読んでいないという人が間違いなく最初に読むべき作品ではない。
群像劇で、かつ時間軸も長期間であり、場面も視点も多く移り変わるので、非常に読みにくく、このシーンに誰がいるのかというのが分かり辛い。非常に散漫な作品だ。
灯台へも様々な人物の視点が切り替わるが、作中の経過時間が限定されており、登場人物も限定的であるため、最初こそ苦労するが途中でそれも慣れてくる。
ただ、そういった視点の移り変わりや、人生や死というものに対する考えなどは後の作品に通じるものではあるので、他の傑作・名作と呼ばれるようなヴァージニア・ウルフ作品を読んだうえでならば興味深い作品 -
Posted by ブクログ
新時代の小説家として名を馳せたヴァージニア・ウルフが、ケンブリッジ大学の女生徒に向けて行った講演。当時イギリスは史上初めて女性参政権が認められた時期で、女性開放の機運が高まっていた。ただ、第一次大戦後、多くの兵士(男性)が社会復帰するにあたり、女性は職場から追われ、家にいるべきという考え方が復古していたとき。参政権があっても社会的、経済的に自立できるわけでもなく、そのための支援もない状態。この状況を、もしシェイクスピアに妹がいたならというフィクションでとても上手に描いている。どの時代もこういったテーマについて面従腹背、ダブスタだったりするんだなあと改めて感じる。100年後には良くなっている(年
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ネタバレXでよく見かける本。確かにおすすめされる理由がわかる。
まず、女性作家という点だけで時代的に価値がある。ドストエフスキーもワイルドもみんな男性作家だし、当時の女性の立場を女性自身の視点で描いたというだけで大きな意味がある。
この作品は「見られる性」としての女性を描いている。夫やその友人たちに見られていることを気づかないふりをしているが、意識していたり、男性が求めているものを分かっていながらも、それを渡さない男女の駆け引きだったり、なるほど。そういう瞬間がたくさんあるよねの連続。
また、「女性」を超えて「ケアする側」の感情の揺れも細かく描かれていて、現代でも通じるリアルさがあると思う。誰か -
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ヴァージニア・ウルフの本は2冊目。
ウルフは「意識の流れ」という文学的手法を使ったことで有名。
調べてみたら、意識の流れとは、人物の思考や感情が、川の流れのように途切れなく変化していく様子を表現する方法。出来事を客観的に書くのではなく、人物の主観的な視点から、思考や感情の動きを直接的に書くことが特徴。
という説明があったけど、個人的には客観的に感じちゃったな。
思考や感情が途切れなく変わっていくところがのめり込めなかったのか、フィルターを通して世界を見ているような、夢の中にいるような、そんな感覚がずっと続く。
話は入ってきにくかったから読み切れるか心配だったけど、読み心地は嫌いじゃない。